障害者による芸術「アール・ブリュット(生の芸術)」の可能性を考える「アール・ブリュットネットワークフォーラム」が十一日、大津市におの浜のびわ湖大津プリンスホテルであった。
文化団体や行政機関の関係者が全国から集まり意見交換。昨年、フランス西部のナントで開かれたアール・ブリュットのイベント「ジャパン×ナントプロジェクト」を振り返りながら、文化を通じた国際交流について語り合った。
企画で中心的な役割を果たしたポール・ビヨドーさんは「日本の障害者たちが発した強いメッセージが、あらゆる人の心に届いたと思う」と語り、前文化庁長官の青柳正規さんは「アール・ブリュットを、みんなが連携する社会をつくる象徴にすれば、豊かな社会をつくっていけるのでは」と展望した。
出展作家も登壇。十七枚からなる紙芝居風の絵を描いている平野智之さん(30)=東京都町田市=は、フランスの風景や鉄道車両から着想を得て制作した絵を見せ、渡航でより深まった世界観を披露した。
作品をスクリーンに映して説明する平野さん(右から2人目)
2018年2月12日 中日新聞