障害者アルペンスキーのジャパンパラ大会の開会式が2日、長野県上田市の菅平高原国際リゾートセンターで行われた。
障害者の就労移行を支援する事業所LIVE LABO(ライブラボ)が1日、盛岡市大通に開所した。代表取締役の触沢陽介さん(30)と取締役の菊地昌也さん(31)=ともに社会福祉士=は学生時代に路上生活者支援に奔走し、情報や社会経験が少ないため仕事や興味などを制限されがちな人がいる現状を知った。ライブラボは「生き方の選択肢を広げる」ことを掲げて情報と体験型のプログラムを提供し、生きにくさを抱える人たちに寄り添う。
ライブラボは、会社見学や習い事体験、町歩きなどを通して利用者自身が自分の可能性を発見したり、社会の中で居場所を見つけたりして生き方を選択するためのプログラムを提案。利用者それぞれに合った形で就職まで支援する。3日まで事業所見学会を開いており、1日はスタッフが打ち合わせして準備を整えた。
事業所にはスタッフが常駐し、仕事や趣味、まちのイベントなど多彩な情報を提供。就職後も新たな情報に触れ、新たな行動を始めるきっかけをつかむ場所として利用できる。
運営費は国や自治体の給付費と、利用者の所得に応じて決まる負担金を充てる。見学会は午前10時~午後4時、予約不要。問い合わせはライブラボ(019・601・2590)へ。
【写真=開所日を迎え、打ち合わせをする触沢陽介さん(前列中央)、菊地昌也さん(同右)ら】
聴覚障害者の精神疾患について理解を深める学習会が、大分市大津町の県総合社会福祉会館であった。日本聴覚障害ソーシャルワーカー協会が全国で開いており、大分では初めて。
県内の当事者や社会福祉士ら約200人が参加した。聴覚障害の役者庄崎隆志さん(57)=横浜市=と、NHKの手話キャスター河合祐三子さん(53)=東京都=が寸劇を披露。家庭や職場の人間関係に悩む聴覚障害者が、アルコール依存症などに陥り、治療するまでの様子を演じた。
同協会の舘脇千春事務局長(54)が講演し、「耳が聞こえないことで虐待やいじめを受け、病気になることがある」と指摘。「家族、医師と一緒に考えながら治療を受けることが大切」と呼び掛けた。
※この記事は、2月2日大分合同新聞夕刊11ページに掲載されています。
重(おも)い脳障害(のうしょうがい)のある娘(むすめ)を育(そだ)ててきた河田真智子(かわだまちこ)さん(64)=東京都目黒区(とうきょうとめぐろく)=が、長女夏帆(ちょうじょなつほ)さん(30)の人生(じんせい)を記録(きろく)した写真集(しゃしんしゅう)「河田真智子写真集(かわだまちこしゃしんしゅう) 生(い)きる喜(よろこ)び」を医療(いりょう)や福祉(ふくし)に関(かか)わる人(ひと)たちに届(とど)ける活動(かつどう)を始(はじ)めました。
16年(ねん)7月(がつ)、神奈川県(かながわけん)相模原市(さがみはらし)の障害者施設(しょうがいしゃしせつ)「津久井(つくい)やまゆり園(えん)」で入所者(にゅうしょしゃ)19人(にん)が殺(ころ)される事件(じけん)が起(お)きました。
真智子(まちこ)さんは、障害者(しょうがいしゃ)を排除(はいじょ)する考(かんが)えが広(ひろ)がっていることは、社会(しゃかい)の空気(くうき)から感(かん)じていました。車椅子(くるまいす)の人(ひと)が優先的(ゆうせんてき)に乗(の)れるエレベーターに並(なら)んでも、先(さき)に乗(の)り込(こ)んだ買(か)い物客(ものきゃく)がスペースを空(あ)けてくれず、長時間並(ちょうじかんなら)び続(つづ)けたり、冷(つめ)たい言葉(ことば)を浴(あ)びせられたりもしたそうです。
事件(じけん)を機(き)に「障害(しょうがい)は特別(とくべつ)なことでなく、かわいそうでもない。誰(だれ)にでも、かけがえのない日常(にちじょう)と愛(あい)があることを知(し)ってほしい。知(し)ることが事件(じけん)の再発防止(さいはつぼうし)の一歩(いっぽ)になるはず」と写真(しゃしん)を届(とど)けることにしました。夏帆(なつほ)さんが31歳(さい)になる7月(がつ)16日(にち)までに、医療(いりょう)や福祉(ふくし)の関係者(かんけいしゃ)に1000部(ぶ)を届(とど)けたいとしています。
1部(ぶ)1200円(えん)(送料別(そうりょうべつ))で購入希望者(こうにゅうきぼうしゃ)に郵送(ゆうそう)します。問(と)い合(あ)わせはメール(kawadamachiko@gmail.com)で。
毎日小学生新聞 2018年2月2日
性同一性障害で、生まれたときの性は男性だが女性として生活する人の胸を触ったとして、兵庫県迷惑防止条例違反の罪に問われた男の判決が大阪高裁であった。村山浩昭裁判長は罰金30万円とした一審・神戸地裁判決を支持し男の控訴を棄却した。1月31日付。
高裁判決などによると、50代の男は2016年3月、神戸市内のギョーザ専門店で隣になった被害者に「おっさんやないか」などと発言。胸を服の上からつかんだとして在宅起訴された。公判で男は「触っていない」と否認し、「たとえ胸をつかんでいても、ひわいな言動とはいえず条例違反ではない」と主張した。
高裁は、被害者供述は信用できるとした一審判決と同じ判断をしたうえで、被害者が女性の姿で生活し、性同一性障害と診断されている、と指摘。「被害者の屈辱感は生来の女性と比較して遜色なく、胸をつかむ行為は下品でみだらな行為」とした。
性同一性障害の問題に詳しい三輪晃義弁護士(大阪弁護士会)によると、こうした事案が事件化されるのは珍しいという。「自分を女性と認識している被害者に寄り添い、屈辱感を認定した点は評価できる。性同一性障害の人は身体に好奇心を向けられやすく性暴力や性的な嫌がらせの対象となりやすい一方で、二次被害を恐れて被害を訴えられないことが多い。同種犯罪を防ぐきっかけになるのでは」と話す。
2018年2月2日 朝日新聞