「(接待)ゴルフとコンプライアンス」などというネタを書こうと思ったのですが、ゴルフコンペの「馬券」が賭博罪で摘発されたのもしばらく前でネタとしても古くなりつつあることと、全体的に小ネタは多いもののうまくまとまらなかったので、とりあえずニュースの話でお茶を濁すことにします。
輸入豚「多くが裏ポーク」 業者証言、摘発で価格上昇
(2006年11月26日(日)11:54 朝日新聞)
ハムやソーセージの原料となる豚肉の輸入の際に関税を免れる事件が相次ぐなか、複数の食肉業者が、朝日新聞の取材に対し、国内で流通している輸入豚肉の多くが脱税した「裏ポーク」で、「買い手の大手食品メーカーとの間で、裏ポークを取引することに暗黙の了解が成立していた」と証言した。数年前から関税法違反の摘発が続いたために、ハムなどの価格は上昇したとされ、消費者には皮肉な展開となっている。
食品業界には、差額関税制度を見直すべきだという意見が多い。同制度が保護対象とした国内の養豚業者は、制度開始の71年の約40万戸から05年の約9000戸に減少しており、差額関税は「時代遅れの制度だ」と言う。
これに対し、農水省は「制度を悪用する方をとがめるべきで、制度そのものを批判するのは本末転倒だ」という立場を変えていない。
最初に思ったのが何で「豚肉」でなく「ポーク」というのかなということ。
輸入肉だからなのか、「裏豚」だと「牛乳瓶の裏蓋」(古!)と紛らわしいからなのでしょうか。
それはさておき、業界ぐるみのグレーな慣行で従来監督官庁もお目こぼし(黙認)していたものが「クロ」として摘発されるようになったときの対応というのは企業としては難しいものがあります。
ある日からきっぱりやめるきっかけもなかなかなく、制度を変えるロビー活動をするには現実のグレーな行為を表面化する必要があったりして、現状追認になりがちです。
民事訴訟で敗訴するとか、罰則や摘発強化など行政がわかりやすいシグナルを出すというきっかけがあればいいのですが、今回のように潮目が変ってしまったあとで「制度が現実に合わない」と主張しても遅いわけです。
長江水質、汚水で悪化 上海の地表水 飲用基準内は1%
(2006/11/26 西日本新聞)
中国国家環境保護総局の発表によると、中国1の大河・長江(揚子江)に排出される汚水が1998年の113億9000万トンから2005年は184億2000万トンに増加し、河川の水質が極端に悪化していることが分かった。同総局は、経済発展のために長江の環境が破壊されているとして、長江流域の水質保護条例を制定する必要があると警告している。北京の大衆紙・北京晨報が伝えた。
上海に行ったときは「水道水は飲めない」と言われていて、ペットボトルの水を飲んでいました。しかもペットボトルもミネラルウォーターではなく蒸留水と書いてあり、環境負荷が高いなぁと思ったものです。
その意味では河川や地下水の汚染というのは周知の事実だと思っていたのですが、これを役所が発表することの意味を考えてみると
① 企業の環境汚染を槍玉に上げて負担を求める前触れ(ロシアにおける「サハリン2」のように外国企業をターゲットにすることもあるか?)
② 各自治体に成長優先一辺倒から環境保護への予算配分・インフラ投資を求める
③ 水源の汚染リスクは一般市民には深刻な問題として意識されていないことの注意喚起
というあたり、いずれにしても自国のマイナスの部分を公表するということは、何らかの観測気球なのではないかと思います。
それにしても、河川の汚染はいずれ海に流れ出して、東シナ海から日本海へと(エチゼンクラゲ同様)流れてくるので、真面目に取り組んで欲しいものです。