一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

年金制度は実は一度も機能していなかったのかもしれない

2007-07-13 | よしなしごと

支給特例法案、臨時国会に提出へ=厚生年金未納企業の従業員救済-政府
(2007年7月11日(水)13:38 時事通信)

政府は11日、厚生年金の保険料を支払っていたにもかかわらず、企業が保険料を国に納めていなかったために年金を受け取れない従業員を救済するため、今秋の臨時国会に支給特例法案を提出する方向で検討に入った。年金の支給基準を検討してきた総務省の「年金記録確認中央第三者委員会」(委員長・梶谷剛前日本弁護士連合会会長)が、こうしたケースのための政府による立法措置を求めたのを踏まえた。

総務省の推計では、厚生年金への加入義務があるにもかかわらず加入していない企業は、63万~70万事業所に上る。こうした企業の中には、保険料を従業員の給与から天引きしながら、国に納付せずに事実上横領していたケースがあると指摘されている。  

塩崎官房長官は「保険料を誠実に納付されていた方々の権利を実現する、これが一番大事」と強調。保険料の徴収に関する時効(2年)を超えて企業からさかのぼって保険料を徴収できるようにすることや、企業がすでに存在していない場合への対応などを含めて検討する意向を示した。

私の父親は年金受給者になって久しいのですが、会社員から自営業になったので、念のために過去の支払いが受給額に反映されているか確認したら?と言ったところ、実は昔勤めていた会社は、銀行がうるさいので温泉宿に逃げて決算をやっていたような時期があり、その頃は保険料とか払ってなかったんだよな~などと懐かしそうに言ってました(おいおい)。
一応今では一部上場の優良企業と言われている会社なんですがw。


そもそも国民年金制度は昭和36年に創設されたもので、それまでは戦時中の軍費調達、軍需インフレ抑制策としての労働者賃金の強制貯蓄として創設された厚生年金保険制度しかなく(参照) 一方で敗戦の結果廃止(?)されていた軍人恩給は昭和28年まで復活せずと、国の制度に対する信頼があまりなかった時代だったのかもしれません。

そう考えると、国民年金制度というのもたかだか45年の歴史しかなく、その最初のあたりにいる団塊の世代が支給年齢を迎えた最近になってやっと制度全体が年金原資の運用だけでなく事務的にも機能しているかが試されることになったわけです。

それでいきなりこの状態、というわけなので、結局年金制度というのは始まってからまともに機能したことがほとんどなかった、ということになりますね。


確かに将来のことを見通して対策を立てるというのは難しいことですが、結局「出たとこ勝負」になってしまうならば、今までかけてきたコストの妥当性が問われますね。
費用対効果でいえば、先は見通せないので紙ベースでとにかく記録を保管しておいて突合は問題になったときに手作業でやり、支給が本格化した時点で機械化を考える、というやり方もあるわけです(昔はやった『超整理法』なんかも整理自体にコストをかけないという点では同様の考え方だと思います。)。

しかし、組織の仕事となると「○○システムの構築」という総論的には正しい名目を立てると予算が出やすいので、結局あまり検証しないで投資が行われてしまったということだと思います。


J-SOX法的に言えば、すくなくとも日本人にはリスクを事前に把握して、それが現実化しないようにシステムを構築し、ヒューマン・エラーを防ぐような内部統制をきかせる能力があるはずなので、できないわけがないのでけどね・・・


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