日本共産党 群馬県議会議員 酒井ひろあき

あなたとつくる、希望の群馬。

【酒井宏明反対討論・会議録】平成26年度は、憲法・保育・有害鉄鋼スラグ・米軍機問題などで4回登壇

2015年04月11日 | 群馬県議会


---群馬県議会会議録より---

◆平成26年 第2回 定例会-06月16日-05号

 日本共産党県議団の酒井宏明です。通告してあります発議案について反対討論を行います。
 まず、「憲法改正の早期実現を求める意見書」案についてです。その冒頭で、日本国憲法は施行以来1度も改正が行われていないと述べていますが、それは、とりもなおさず、国民主権、基本的人権の尊重、恒久平和の追求という憲法の基本理念を国民が草の根の運動によって守り抜いてきた結果です。侵略戦争の反省のうえにできた平和憲法を現実政治に根付かせようと国民の不断の努力があったからではないでしょうか。我が国が戦後70年近くにわたり国権の発動たる戦争を行わず、自国民の命も他国民の命も奪うことがなかったことは、まさに世界に誇るべき日本国憲法の力であります。
 意見書は、我が国を取り巻く東アジアの情勢は予断を許さない事態に直面していると危機感をあおっています。しかし、そのような状況を招いた張本人は誰でしょうか。それは、現政権ではありませんか。アメリカをも失望させた首相の靖国神社参拝の強行、国民の知る権利や表現の自由を脅かす秘密保護法や戦争の司令塔である日本版NSC、国家安全保障会議設置法の強行採決、従軍慰安婦に関し日本軍の強制と関与を認めた河野談話見直しの動き、さらに、憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認など、こうした戦争する国づくりへ向けた安倍自公政権の暴走こそアジアと世界の人々の怒りと不安を呼び起こしているのです。
 明文改憲への策動とともに、安倍内閣が集団的自衛権の行使容認へ今国会中にも閣議決定を狙っていることは重大です。これまで歴代内閣がとってきた憲法解釈を一内閣の閣議だけで変えることは、国会や国民を無視した憲法破壊のクーデターそのものであり、憲法をなきものにするまさに立憲主義の否定にほかなりません。集団的自衛権は、いかなる意味でも自衛とは無関係な大国による無法な侵略戦争、ベトナム戦争やアフガン戦争、イラク戦争など、軍事介入の口実に使われてきました。その狙いは、海外での武力行使をしてはならないという歯止めをなくし、米軍とともに日本の自衛隊が戦闘地域に行って戦争行動を行うことにあります。限定的容認などまやかしに過ぎません。
 意見書では、憲法制定当時には想定もできなかった事態への対応が求められているとして、大規模災害、家族、環境等の諸問題を挙げていますが、これらはいずれも生存権規定をはじめ現憲法のもとで十分対応できるものであり、憲法改正の口実にすらなりません。
 さらに意見書は、96条を含む憲法改正が必要だとしています。この改正手続き規定は、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義とともに憲法の要をなす規定であり、この条項は改正できないというのが憲法学説上の多数説であります。先週出された群馬弁護士会の会長声明や自由法曹団群馬支部の声明でも指摘しているように、そもそも憲法が改正の発議要件を両院の総議員の3分の2以上と規定して要件のハードルを法律改正より高くしているのは、侵すことできない永久の権利である基本的人権を保障し、人類普遍の原理である国民主権を定めた最高法規だからです。法律と同じように改正できるとすれば、その時々の政権が安易に改正できるようになり、憲法によって国家権力に縛りをかけて国民の自由や権利を守ろうとした立憲主義の理念が根底から覆されることになってしまいます。意見書は、基本的に立憲主義の理解を欠いていると言わざるを得ません。
 このような意見書を採択することは、安倍政権が進める戦争する国づくりに加担するものであります。そのことをどれだけの県民が望んでいるでしょうか。自民党議員諸氏に伺いたい。あなた方の子どもや孫が戦場に行って、人を殺し、殺されるかもしれない、そういう国にしてしまっていいのか。米国の戦争のために日本の若者に血を流させることを許していいのでしょうか。戦争を徹底した対話によって平和的に解決する道を切り開く、話し合いで戦争を回避して国民の命と財産を守ることが政治家の仕事ではありませんか。戦争の準備のために憲法を変えるより、平和のために政治家が必死で働くのが先決ではないでしょうか。群馬県議会の見識が問われるだけでなく、日本と群馬の未来に重大な禍根を残すことになる意見書を断じて認めるわけにはいきません。よって、本意見書案の採択に反対し、撤回を求めます。
 次に、「公共事業予算の増額を求める意見書」案についてです。中央自動車道笹子トンネル崩落事故をはじめ、1960年代に建設された首都高速や新幹線、道路橋や学校など、公共施設の老朽化が進行し、その対策が喫緊の課題になっていることは意見書も指摘しているとおりです。しかし、安倍政権が進めているアベノミクスは、国土強靱化、国際競争力の強化などと称して、防災・老朽化対策を口実に高速道路や新幹線、空港、港湾など、新規の大型開発事業への投資を経済政策の主役に押し上げようというものです。そこには、社会インフラの老朽化の危険から国民の命、安全を守るという目的もなく、環境保全や自然再生の視点、住民参加の仕組みもありません。
 国の新規の建設事業費は、2013年度以降、ダム建設や整備新幹線、高速道路などに約40兆円、リニア新幹線建設費を含めると合わせて50兆円もの規模になります。これはバブル崩壊後の低迷した経済を立て直すとして実施した1990年代のやり方と全く同じであり、巨額の公共投資で膨大な借金、負の遺産を抱えるだけではないでしょうか。無駄で危険な八ッ場ダムの本体工事はこの際きっぱりと中止し、防災・減災への対応、老朽化したインフラの保守、維持管理こそ優先すべきであります。また、景気対策をいうならば、経済波及効果の大きい社会保障や教育、中小業者支援、地域密着型の公共事業に回すべきです。人口減少や危機的な財政状況、大規模災害の頻発、社会資本の老朽化が進行する時代に新たな大型開発のために公共事業予算を増額すべきではありません。よって、本意見書の採択に反対いたします。
 最後に、私は、大学で憲法を学んで生き方が変わるほど第9条に感動いたしました。憲法も県民の命も守り、生かしたい。乱開発から群馬の貴重な自然を守りたい。その決意を新たに、反対討論を終わります。(拍手)

◆平成26年 第3回 定例会-10月07日-05号

 日本共産党県議団の酒井宏明です。会派を代表して、通告してあります議案及び請願について、委員長報告に反対の立場から討論いたします。
 第117号、一般会計補正予算についてです。
 4月の消費税増税によって家計消費が落ち込む中で、緊急に補正すべきなのは暮らし、福祉への予算です。本補正予算を見ると、老人福祉施設の修繕費や特定疾患対策、児童養護施設整備、保育所整備など必要な施策も含まれていますが、一方で、7つの交通軸に26億円を上積みするなど、急ぐ必要のない大型開発への配分が突出しています。7つの交通軸は、今年度当初予算と合わせると300億円を超えます。この6年間の当初予算を合わせると約1,400億円もの税金が投入され、生活道路、通学路の整備や県民の暮らしに回す予算が圧迫されています。よって、本補正予算に反対です。
 次に、第122、127、128号は、幼保連携型認定こども園の基準等についてです。県は、月1回の避難消火訓練の実施、児童の食育に努めること、外部搬入の食事でも温め、冷やし直して提供することという独自色を入れたとしていますが、その他は一字一句国の基準どおりです。また、認定こども園の認定基準について、県が食育を強調する一方で、20人以下の園は調理室を備えなくてもいい、職員配置基準も3歳児20人に保育士1人でいいと国基準のままです。実際には、18人に1人の基準で助成しているのですから、少なくとも関係者と行政が築いてきた群馬の保育のレベルを反映した条例にすべきであります。よって、関連議案に賛成することはできません。
 その他の議案については、かねてからの理由により反対です。
 次に、請願についてです。
 文教警察26号、学校給食費の無料化についての請願です。伊藤祐司議員が一般質問でも指摘したように、学校給食費の無料化は、子どもの貧困、少子化対策など喫緊の課題とも強く結び付いたとても有効な施策です。子どもの医療費も学校給食費も自治体が支えるとなれば、子育て世代にとって群馬の魅力は倍増するのではないでしょうか。昨今、あちこちの市長選で無料化を公約に掲げた候補が当選する時代です。市町村と折半で行えば県の負担は42億円余り、県予算の0.6%でできます。高崎競馬場跡地のコンベンションの取り組みは当面ソフト事業だけにして、施設建設にかかる予算を学校給食など教育や子育て支援に回すべきであります。よって、本請願の不採択に反対し、採択を主張します。
 総務企画47号、オスプレイの飛行訓練拒否の決議を求める請願です。沖縄県は、オスプレイの配備、訓練によって堪えがたい負担を強いられています。その飛行実態は、人口密集地を避ける、夜間飛行を避けるなどの日米合意が全く守られていないどころか、墜落の危険も増大しています。今月1日にもペルシャ湾で米海兵隊MV-22オスプレイが発艦に失敗し、乗組員1人が死亡しました。陸上自衛隊が来年度導入を予定しているのと同型機です。事故を頻繁に起こし、オートローテーション機能もないオスプレイの飛行を認めるわけにはいきません。群馬県上空は、米軍艦載機F/A-18スーパーホーネットの低空飛行訓練が頻繁に行われ、騒音と墜落の危険に脅かされています。さらに、県南東部地域を中心としたC-130輸送機の低空飛行は、防災ヘリやドクターヘリ、民間機との衝突の危険性が懸念されています。このうえオスプレイの飛行が加わることは、県民の忍耐をはるかに超えるものです。沖縄県の負担軽減を口実に、全国にオスプレイの飛行訓練を強化し、被害を拡大するのを見過ごすわけにはいきません。よって、本請願の採択を強く求めます。
 同48号、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定の撤回を求める意見書採択についての請願です。一内閣の勝手な判断でこれまでの政府見解を180度転換し、アメリカと一緒に海外で武力行使できるようにするものです。こうしたやり方自体、立憲主義を根底から踏みにじる暴挙です。どの世論調査でも国民の過半数が反対し、日本弁護士連合会をはじめ自民党や公明党の元幹部に至るまで、各界、各分野の幅広い層から反対や批判、懸念の声が出されています。それにもかかわらず、安倍政権は集団的自衛権の行使に向けた関連法改正や自衛隊の軍備増強を推し進めています。日本を戦争する国へと変質させるものであり、断じて認められません。県議会において、立憲主義及び恒久平和主義を遵守する立場に確固として立ち、政府に閣議決定の撤回を求めるべきであり、採択を主張します。
 最後に、高崎競馬場跡地へのコンベンション施設建設の計画中止を求める請願です。請願では、建設費の費用や利用者数、経済効果等について改めて徹底した検証を行うこと、財政負担や周辺環境への影響などデメリット情報について県民に明らかにすること、そして、取り返しのつかない箱物建設計画を中止することを求めています。これらは競馬場跡地の周辺住民としても、また、県民、納税者としても当然の要求であります。よって、本請願の不採択に反対し、採択を求めます。
 以上をもって私の反対討論といたします。(拍手)

◆平成26年 第3回 定例会-11月04日-06号

 日本共産党県議団の酒井宏明です。会派を代表して、通告してあります平成25年度一般会計決算など各会計の認定に反対する立場から討論いたします。
 昨年度は、安倍自公政権の進める異常な金融緩和や国土強靱化の名による大型公共事業のばらまき、社会保障切り捨てと一体となった増税路線が国民生活との矛盾を広げた1年でした。アベノミクスは、多国籍企業と富裕層には莫大な利益をもたらしましたが、労働者や中小企業の収益など、国民所得増には結び付きませんでした。さらに、この年度は、国民の目と耳と口を塞ぐ特定秘密保護法を強行成立させ、さらに、集団的自衛権の行使容認や沖縄米軍新基地建設をたくらむなど、民主主義を蹂躙する戦争と日米軍事同盟強化の道を推し進めました。こうした中で、県は、県民の命と暮らしを守る地方自治体の本来の役割を果たさず、国民犠牲の政治に加担していると言わざるを得ません。以下、具体的に反対理由を述べます。
 第1に、県民の暮らし、福祉を守る問題です。
 特別支援学校の整備や障害者リハビリテーションセンターの再編整備、障害者就労サポートセンターの新設、子どもの医療費助成の継続など、評価できる施策もありますが、全体として、県民の暮らしを守り、福祉を向上させるという姿勢が極めて弱いと言わざるを得ません。最新の総務省の統計によると、群馬県の勤労者世帯の実収入は、1世帯1カ月42万円で、全国45位、ワーストスリーです。実労働時間は、男性7位、女性2位、つまり、長時間働いているのに収入は少ないという実態です。県民の所得をいかにして増やすかが求められているときに、県は人事委員会の勧告制度も蹂躙して、職員の月額給与を総額72億円、全職員平均で7.77%もの大幅カットを強行しました。管理職は9.77%もの大幅削減です。前年度の退職金カットに続くもので、職員の士気を低下させるだけでなく、民間賃金の引き下げにも連動し、デフレスパイラルを加速させるものであり、到底認めるわけにはいきません。
 介護保険制度の相次ぐ改悪で、保険あって介護なしという実態が広がっています。特別養護老人ホームの待機者は、ここ数年減ってはいるものの、依然として全県で8,000人を超えています。抜本的な増設は待ったなしです。
 人体に有害なフッ素や六価クロムが含まれた鉄鋼スラグが県内の公共工事に使用されている問題です。昨年9月以来再三質問し、全容解明を求めてきましたが、未だに調査中という答弁です。大同特殊鋼は、廃棄物であることを承知しながら、逆有償取引までして公共工事に使ってきました。国交省による最近の調査では、八ッ場ダム関連など少なくとも県内26カ所の工事現場で鉄鋼スラグが確認されています。これに県が通達まで出してお墨付きを与えていたことは重大です。通達の撤回とともに、一日も早い徹底究明と撤去を求めます。
 福島第一原発では、昨年7月に高濃度の放射性物質に汚染された地下水の漏えいが発覚しました。県と東京電力は原発事故に係る覚書を締結していますが、さきの汚染水漏れ事故に対して通報もなく、これに対して県は何のアクションも起こしませんでした。未だに原発事故は収束していないにもかかわらず、再稼働や海外輸出の策動が進められています。一たび事故が起これば群馬にも甚大な影響を及ぼす新潟県柏崎刈羽原発の再稼働も狙われています。県は、原発に対する姿勢を改め、県民の立場ではっきりと物を言うべきです。
 第2の反対理由は、大型開発優先で借金依存体質から依然として脱却できていないという点です。
 臨時財政対策債を含めた県債残高は1兆1,680億円、県民1人当たり59万円に上ります。一方で、7つの交通軸には、昨年度、318億円もの血税が投入されました。前年度比で30%増です。この7年間で1,700億円も注ぎ込んでいます。既に幹線道路があり、大した渋滞もないのに並行して大規模な道路を建設しても、それほど投資効果は期待できません。新しい道路沿いに大型商業施設ができる一方で、旧道沿いや中心商店街は寂れてしまった例はいくらでもあります。幹線道路整備で地域経済が潤うという幻想は捨て、通学路の安全整備や公共交通網の整備拡充にこそ回すべきです。
 八ッ場ダム建設について、昨年10月、4回目となる基本計画の変更が多数で同意されました。利水上も治水上も必要ないばかりか、地すべりの危険性が高いことは再三指摘してきたとおりであり、さらに、造成地の鉄鋼スラグ使用問題が急浮上しています。八ッ場ダムの本体工事は直ちに中止して、徹底的に調査し撤去するのが先決ではないでしょうか。
 第3に、安倍政権による戦争する国づくり、国民犠牲の暴走政治に追随、加担しているという点です。
 今年2月、新潟県関山演習場と群馬県相馬原演習場を使った日米合同軍事演習が強行されました。相馬原を使うのは18年ぶり。今回、オスプレイの使用は見送られましたが、代わりにCH-53大型輸送ヘリによるヘリボーン訓練といわれる敵地派兵訓練が行われました。特に関山演習場での雪中訓練は、沖縄ではできない訓練です。訓練の移転ではなく新たな訓練を実施するものです。知事は、県民生活に深刻な影響を及ぼすような飛行訓練については自粛や中止を求めると言いますが、戦闘訓練自体が県民の生命、安全を脅かすものであり、毅然とした対応をとるべきでした。
 群馬上空での米軍機の低空飛行訓練問題でも、県庁などに騒音測定器を設置し、結果を公表していることは評価できますが、爆音と墜落の危険から住民生活を守るために、知事自ら首相官邸及び米国大使館に出向いて、抗議と中止要請をすべきではないでしょうか。TPP問題で、県は、昨年、その影響額を635億円と試算しましたが、そのうち畜産関係だけで505億円に上ります。本県農業や地域経済に与える影響は計り知れません。政府がアメリカの要求を丸のみしようとしている中で、本県農業、畜産を壊滅させるTPPに反対の立場を明確にするとともに、交渉からの即時撤退を政府に働きかけるべきであります。
 以上の理由から、決算認定に同意することはできません。国、言いなりでなく、県民の命と暮らし、平和と民主主義を守る立場に立たれることを知事に強く求めまして、私の反対討論といたします。(拍手)

◆平成26年 第3回 定例会-12月15日-11号

 日本共産党県議団の酒井宏明です。通告してあります各議案及び各請願について、委員長報告に反対する立場から討論いたします。
 最初に、146号、一般会計補正予算です。ウイルス性肝炎患者の定期検査費用への助成など賛成できるものもありますが、八ッ場ダム関連の橋梁上部工工事に係る債務負担行為が含まれており、八ッ場ダム建設そのものに反対する立場から本議案に賛成できません。
 164、165号は、東吾妻町の吾妻大橋上部工の請負契約です。これは大規模開発の典型である上信道へのアクセス用の施設ですが、住民は、県道渋川東吾妻線の未改良部分の工事こそ急いでほしいと願っています。不要不急につき反対です。
 次に、請願についてです。
 総務企画49号、所得税法第56条の廃止の意見書採択を求める請願です。国際的にも異常な所得税法56条を直ちに廃止して、家族従業者に労働の対価として支払う正当な報酬を必要経費として認めるべきであり、継続でなく採択を求めます。
 同50号、消費税増税撤回の意見書提出を求める請願です。4月に消費税率が8%に引き上げられ、GDPは2期連続のマイナスとなりました。まさに増税不況です。多くの県民は、長引く不況に加え、物価上昇、収入減、社会保障削減の三重苦を強いられています。経済の疲弊、商店街の衰退は甚だしく、中小業者の倒産、廃業は歯止めがかかっていません。そもそも消費税は低所得者ほど負担が重く、弱い者いじめの税金で、社会保障財源としてはふさわしくありません。消費税増税の先送り実施でなく、きっぱり中止することこそ求められています。よって、不採択でなく採択を求めます。
 同51号、「柏崎刈羽原発の再稼働に反対する意見書」の採択を求める請願です。福島原発事故から3年9カ月、事故は収束しておらず、未だに12万人余の人々が避難生活を強いられています。こうした中で、原子力規制委員会は、放射性廃棄物の処理や安全な保管について未だに見通しが立たないまま、新規制基準適合性審査など技術的な審査のみを進め、住民の避難計画も自治体任せとして、再稼働しようとしています。新潟県柏崎刈羽原発は、津波対策、電源配備、ベント設備など、場当たり的な安全対策を施したうえで再稼働を準備しています。同原発の直下には活断層が存在することも指摘されています。再稼働が多くの国民を危険にさらすことになる事実を直視して、群馬県議会として再稼働反対の意見書を国に提出するよう強く求めます。よって、継続でなく採択を求めます。
 厚生文化41号、生活困窮者自立支援法における支援事業の費用負担及び放課後学童保育クラブにおける障害児受け入れ推進事業の改善についての請願は、継続でなく採択を求めます。
 環境農林28号「農政改革」に関する請願です。政府が新成長戦略に位置付けた農政改革は、日本農業と国民の食を支えてきた家族農業を否定し、農業と農地を企業のもうけのために開放しようとするものであり、その障害となる農業委員会や農協の事実上の解体も提言するなど、国民の食料と地域の将来に重大な影響を及ぼしかねません。国連は、今年を国際家族農業年としています。風土や歴史の異なる世界の国々には、それに見合った多様な食文化や、それを支える家族農業があり、地球規模の飢餓問題や環境問題の解決には、グローバル企業化農業一辺倒ではなく、家族農業や食料主権の尊重に光を当てることこそが大切だとしています。農業政策の基本を企業の参入、進出に置くのではなく、家族経営を基本とし、それを支える諸制度の充実、地域コミュニティーの維持、協同組合の発展こそ求められています。よって、本請願の採択を求めます。
 同29号政府による緊急の過剰米処理を求める請願です。今、米価が暴落しています。2014年産ゴロピカリのJA概算金が1俵6,000円で1キログラム当たり100円、缶コーヒーも飲めない価格です。米をつくって飯が食えない深刻な事態が広がっています。今年から経営所得安定対策が半減され、今でさえ生産費を大幅に下回っている米価がさらに暴落するなら、米の再生産が根底から脅かされることになります。主食の米の需給と価格安定を図るのは政府の重要な役割であり、緊急に過剰米の処理を行うべきであります。よって、採択を求めます。
 産経土木51号、朝鮮人追悼碑の設置許可更新を求める請願です。かつて、日本が朝鮮を植民地化し、朝鮮人を強制連行して過酷な労働を強いたのは歴史的事実であります。追悼碑自体、そうした歴史を反省し、二度と過ちを犯さない誓いとして県議会の全会派が賛成して建てられたものです。在日朝鮮人などへの排外主義をあおるヘイトスピーチで物議を醸している在特会などからこの碑への攻撃がなされていますが、近隣諸国といがみ合い、再び世界から孤立する道を進む、こうした動きの先に未来はありません。追悼碑の設置期間の更新を求める請願を不採択にするなど、県議会の見識が問われます。レイシストに手を貸す行為だということを自覚すべきです。採択を強く主張します。
 同52号、八ッ場ダム本体工事を中止し吾妻渓谷の保存を求める請願です。吾妻渓谷は、県内随一の、まさに世界遺産に匹敵するかけがえのない景勝地です。環境影響評価法に基づく再調査を行うとともに本体工事を中止し、現状のまま次世代に渡したいという願いは当然であります。有害物質の混じった鉄鋼スラグが大量に使用されている問題が未解明なままに本体工事を進めることを認めるわけにはいきません。不採択に反対し、採択を求めます。
 コンベンション対策2号高崎競馬場跡地へのコンベンション計画の再検討を求める請願についてです。県が実施した建設を前提とした住民アンケートでさえも、集客できるのか疑問、赤字になるのではないかなど、疑問や不安の声、反対する声が上がっています。建設先にありきではなく、県民、周辺住民の意向を慎重に把握したうえで再検討することを求める本請願の採択を求めます。
 その他の議案及び請願については、かねてからの理由により委員長報告に反対です。
 以上で私の反対討論といたします。(拍手)