【2022年(令和4年)第3回前期定例会 10月31日 本会議(決算委員長報告・議決)】
令和3年度群馬県一般会計歳入歳出決算等の認定について、委員長報告に「反対」の立場で討論しました。
群馬県議会インターネット中継より、録画映像をご覧いただけます。
★反対討論(全文)
日本共産党の酒井宏明です。
会派を代表して、通告してあります令和3年度群馬県一般会計歳入歳出決算等の認定について、委員長報告に反対の立場で討論を行います。
昨年度は、前年度に続き、新型コロナウイルス感染症への対策に追われた1年でした。
コロナに罹患され、お亡くなりになられた方々、今も後遺症に苦しめられている方々に心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。
また、医療従事者をはじめ、最前線で奮闘されている皆さんに改めて敬意と感謝を申し上げます。
昨年度は、2か所の県営接種センターの運営をはじめ、ワクチン接種が本格化した年でした。
希望者への安全迅速な接種体制の確立は当然ですが、同時に、副反応なども含めた情報提供をわかりやすく行うことや未接種者への差別偏見をなくすための取り組みも大きな課題です。
この点で、ワクチン接種のインセンティブ効果を狙った若年層への旅行券配布には疑問が残りました。
また、経済活動との両立をうたった「ワクチンパス」あらため「ワクチン手帳」についても、「未接種者を差別することにつながる」などの県民からの批判とともに、与党内からも異論が相次ぎました。
そして、異例ともいえる連合審査会が開かれ、さまざまな議論の末に、賛成多数で可決されました。
その際、「ワクチン接種できない方への不公平や差別、心理的負担が生じないよう十分配慮すること」などを盛り込んだ付帯決議が全会一致で採択されたことは大変重要です。
さて、日本共産党はコロナ感染拡大を受けて緊急要請をたびたび行い、保健所人員の大幅増員をはじめ、医療機関、福祉施設等への支援、さらには公共施設などを活用した「入院待機ステーション」の設置などを求めてきました。
無症状者を早期に発見・保護するためのPCR検査については、薬局等での無料検査が始まりましたが、今後予想される“第8波”に備え、感染拡大時に限定することなく継続して実施していくことが必要です。
その他の施策についてはどうだったでしょうか。
10の県有施設見直しについて、その方向性は出されたとはいえ、依然として課題は残っています。
県民会館については大ホールと付随施設のみに限定し、3年間の存続が決まりましたが、小ホールや会議室を含めた利用を望む声が高まっています。
「県都前橋から文化の拠点をなくしていいのか」という切実な声にこたえ、大規模改修を含め県の責任で全館存続し、使い勝手のいい県民会館にさらに発展させるよう求めます。
デジタル化一辺倒の知事の姿勢も問題です。
マイナンバーカードの取得促進に昨年度3300万円もの税金がつぎ込まれました。
何度も指摘しているように、取得率が低いのは、「利便性」以前の問題です。
情報漏洩やなりすまし、悪用のおそれ、国が個人の情報をまるごと管理・監視することへの不安や恐怖が払しょくしきれないからです。
カード取得を押し付けるのではなく、政治の信頼を取り戻すのが先決ではありませんか。
次に、教育の分野についてです。
少人数学級は昨年度から小中全学年で35人学級が実施されました。
しかし、前年度に続き予算を1億円も減らし、教員も減らしたままです。
そのことによって、教員の多忙化や教員不足が深刻化しています。
来年度こそ県費を投入して教員数を維持すべきです。
次に、子育て支援についてです。
学校給食費の無償化について、この10月から川場村と昭和村で無償化するなど16市町村で完全無償化、14市町村で何らかの形で補助を行うなど、合わせて30市町村に広がっています。
太田市は来年4月から完全無償化します。
ところが、いまだに県の補助はありません。「学校給食費の無償化を求める群馬の会」は、昨年12月、1万3500筆余の署名を県に提出しました。
これまでの合計で10万7千人を超えています。
こうした声にこたえ、少子化対策、貧困対策のみならず、食育としても大変有効な学校給食費無償化に踏み切るべきです。
子どもの医療費無料化についても、県の補助は2009年10月に中学卒業時まで入院・通院とも無料化して以来、前進していません。
今年4月1日現在、入院・通院とも、あるいは入院のみ無料にしている自治体は17市町村にのぼります。
全国的にも高校卒業まで無料にしている自治体は半数近くにのぼります。
福島県、茨城県、静岡県、鳥取県は実施済み。
東京都は来年4月から実施します。
市町村と折半で、あと8億円あれば実現できます。
県政の最優先課題として位置付けるべきではありませんか。
保育士の配置基準の改善も見られませんでした。
1歳児を今の5:1から4:1に改善することは急務です。
また、年度末に若干、保育士の処遇改善がありましたが、慢性的な保育士不足を解消するためにも、県費の思い切った投入で大幅な処遇改善が必要です。
最後に、平和の問題です。
陸上自衛隊木更津駐屯地に配備されたオスプレイの離着陸訓練が昨年12月、相馬原演習場で行われ、市街地上空での飛行が繰り返し目撃されました。
全国的にオスプレイの機体トラブルによる緊急着陸が頻発しました。
回転翼が停止しても軟着陸できるオートローテーション機能が備わっておらず、航空法上、日本の空を飛べないはずの危険な軍用機が、事前の通知や了解もなく傍若無人に群馬上空を飛ぶことは容認できません。
米軍機の運用について、事前に詳細な情報提供や最低高度基準など航空法の規定を順守するよう県も国に求めています。
それは評価したいと思います。
そのうえで、米軍および自衛隊のオスプレイ飛行訓練の中止と、県民ぐるみの監視体制をつくり、強化すべきです。
以上の理由から、決算認定に賛成するわけにはいかないことを述べて、私の討論といたします。
★採決の結果
6つの認定について、日本共産党(伊藤祐司・酒井ひろあき)が「反対」しましたが、賛成多数により認定することに決定しました。
その他の議案については、全会一致で認定・可決することに決定しました。
群馬県議会 令和4年第3回定例会 知事提出議案 より
議員ごとの賛否の状況「令和4年第3回定例会(10月31日)議決結果」(pdfファイル:66KB)
【関連リンク・群馬テレビ】
群馬県議会・本会議 昨年度の決算など6議案が認定・可決(22/10/31) @YouTubeより
群馬県議会の第3回・前期定例会の本会議が開かれ、昨年度の一般会計歳入歳出決算など6つの議案が認定・可決されました。
本会議では、決算特別委員会中沢丈一委員長から審査の結果が報告されました。
討論で、共産党の酒井宏明議員は、「新型コロナワクチン接種のインセンティブ効果を狙った若年層への旅行券を配布する事業には疑問が残る」など昨年度の県の決算に反対の立場を主張しました。
自民党の伊藤清議員は、一般会計決算について、新型コロナ対策をはじめとする当面の課題のほか「未来に向けた幅広い政策課題に取り組み、財政の健全性にも配慮した県政運営が行われたと賛成の立場を述べました。
この後、採決が行われ、昨年度の一般会計歳入歳出決算など6つの議案が賛成多数または全会一致で認定・可決されました。
第3回・後期定例会は、11月24日に開会します。
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