日本共産党 群馬県議会議員 酒井ひろあき

あなたとつくる、希望の群馬。

11月定例会反対討論~時間制限に抗議

2012年12月24日 | 群馬県議会

  遅ればせながら、11月定例会最終日(12月14日)本会議での私の反対討論を掲載します。今回から、討論時間を一人(会派)10分以内という不当な制限がされました。私は暴挙を厳しく批判しつつ、ちょうど10分で発言を終えると、自民党席から「やればできるじゃん」というヤジが飛びました。「なにを!」と思いましたが、これが群馬県議会の実態です。ちなみに、自民党の「賛成討論」は5分くらいでした。

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日本共産党県議団の酒井宏明です。通告してあります議案、および請願について委員長報告に反対する討論を行います。
最初に11日の議会運営委員会において、本会議の討論時間を一会派おおむね10分に制限する申し合わせが行われました。県政の主人公である県民の福祉向上のために大いに議論し決すべき本会議での討論時間を制限することは、言論の府である議会の自殺行為であり、時間制限よりも活発な議論の時間をどう保障するかにこそ心を砕くべきです。また、インターネット中継時間の長短で公平性を問題にするのはナンセンスです。不当な時間制限を撤回するよう強く求めるものであります。
今議会には、いわゆる地方分権改革に伴う関連条例が多数提出されました。基礎自治体への権限移譲については、本来国や都道府県が広域的な政策の観点に立って責任を持つべき事項が移譲の対象になっていないか、職員の専門性の保全と継承、人的な配置と育成が保障されないのではないかなど、さまざまな懸念があります。国民生活を守るために必要な基準等を撤廃し、行政機能の低下・悪化、教育や福祉の水準低下や劣化につながるおそれがあることは看過できません。
第168号は児童福祉施設の設備運営等に関する条例です。自園調理による食事提供の努力義務規定や、地域と連携した非常災害対策を県独自で追加したことは評価できますが、3歳児の保育士配置基準について県独自で上乗せし、18対1で補助金を出しているのに条例では国基準のままです。これでは、条例改正なしで低い水準に引き下げられるおそれがあります。関係者は15対1を強く要望しています。少なくとも現在の配置基準を条例上もしっかりと位置付けるべきであり、あえて反対します。
188号、県立産業技術専門校の設置等に関する条例です。これまで無料だった高崎校の自動車整備科の学卒者入学料や授業料を有料にするものです。望まない進学などもあって、他科に比べて教育効果があがらないと言われています。太田校は2年課程で2級整備士の資格が取れるのに、1年課程の高崎校は3級整備士にとどまり、2級を取るのにさらに3年の実務経験が必要だからです。1年課程のカリキュラムのまま有料化するのは安易だと考えます。
194号から202号は県職員の退職手当て引き下げに関する予算と条例です。
この間の「行財政改革」によって、職員数も賃金も削減されてきました。東日本大震災では現地支援に赴くなど必死で働いてきた職員に対して報いるどころか、一方的な退職手当引き下げを行うことは、理不尽で耐え難い懲罰的な行為ではないでしょうか。地方公務員に対する不利益変更を法的な根拠もあいまいなままに押し付けるのは法治国家としてあるまじき行為です。公務員賃金・退職金の削減で、消費はさらに低迷し、賃下げスパイラルをもたらし、群馬の経済、日本の経済にとって少しもプラスになりません。行政サービスを質量ともに低下させものであり、厳しく反対するものです。
残余の議案については、かねてからの理由により反対です。

  
次に請願についてです。
厚生文化22号は、障害者総合福祉法にむけた「骨格提言」を障害者政策に反映させることを求める請願です。障害者が障害のない人と地域で平等に生活するために必要な支援を確実に保障するとした「骨格提言」は、当事者の総意であり、とても重い意味をもちます。それにもかかわらず、今年6月、自立支援法を事実上恒久化する、「障害者総合支援法」が成立しました。障害者制度改革に真剣にとりくんできた当事者をあまりにも軽んじる暴挙といわなければなりません。「骨格提言」にそった総合福祉法の制定こそ求められており、本請願の採択を主張します。
同24号は年金削減に反対する請願です。民主・自民・公明は、衆議院解散前のどさくさに年金支給額の2・5%削減法案を強行しました。介護保険料や国保税の値上げなどで年金受取額は年々減っています。こうした中での年金削減は、高齢者の生活を直撃するだけでなく、消費をますます冷やし、日本経済にも打撃となります。よって継続でなく、採択を求めます。
同25号、「社会保障制度改革推進法」の廃止を求める請願です。本法律は国民の自助、共助をことさら強調し、公的責任を後景に追いやるものとなっており、憲法25条第2項に真っ向から反するものです。継続ではなく、採択を求めます。
環境農林12号、草津町草津原地区に廃棄物処理施設の設置推進を求める請願ですが、町議会がこぞって反対しており、継続ではなく不採択を求めます。
産経土木18号および19号は、「次世代健康医療産業」や「バックアップ機能」に名を借りて、大手メーカーなど企業誘致の促進を求めるものです。これまでも県は企業誘致を積極的に行ってきましたが、雇用拡大にどれだけ貢献したのか具体的な検証もありません。メガソーラー計画にみられるように、安易な企業誘致は県内企業の活躍の場を奪うことになります。地場産業を応援して雇用を増やし、県内産業と内需を活性化させる政策への転換こそ求められています。よって本請願の採択に反対します。
文教警察16号、ゆきとどいた教育をすすめるための請願です。保護者や教職員から「卒業アルバムが買えなかったり、修学旅行に行けなかったりするなど、子どもたちの貧困が広がっている。教育予算を抜本的に増額してほしい」「いじめ問題の克服のためにも、子どもと向き合う時間を保障してほしい」「30人以下学級を全学年で実施してほしい」など、切実な訴えが寄せられています。本請願の採択を主張します。
総務企画20号3項は県央第二水道からの受水単価の引き下げと受水量の見直しを求めるものです。同水道事業は八ツ場ダムの暫定水利権を使っているものですが、こうした要求が出されること自体、利水上の必要性のないことを裏付けています。同号2項の「富岡製糸場」周辺環境整備とともに、全部採択を求めます。
同23号、25号および26号は私学助成の拡充を求める請願であり、継続でなく、採択を求めます。
同27号は、TPP参加中止を求めるものです。TPPはアメリカや日本の多国籍企業のもうけのために、関税の撤廃によって農林漁業を破壊するだけでなく、食の安全基準の緩和を押し付け、医療や公共事業、保険、雇用などにも重大な影響を及ぼします。日本の経済主権を奪うTPPには絶対反対です。よって、本請願の採択を主張します。
残余の請願については、かねてからの理由により委員長報告に反対です。
以上で私の討論を終わります。

 

 動画はこちら http://www.gunma-pref.stream.jfit.co.jp/?tpl=speaker_result&speaker_id=70