久しぶりに父との山行きです。
この4月で満89歳になった父です。
父愛用のストックは竹の棒です。
平成21年3月1日 障子山と彫ってありました。
今から5年前(父84歳)が父の山歩きデビューでした。
それから、1年に数回ですが里山に一緒に行きました。
今回は霧訪山(きりとうやま)塩尻市と上伊那郡辰野町の境にある里山です。
なぜ霧訪山を選んだかというと、この山は単なる里山ではありません。
日本列島のほぼ中心に位置しているこの山の展望は360度あり、
一度この山に連れて行ってあげたいと以前から思っていたのです。
地下足袋と竹の棒を持っての登山姿は5年間変わらず、恐らくこれからも変わらず・・・です。
まぁ、89歳と思わなければ普通の里山歩きですが・・
年を考えるとほんとにすごい!!
ほぼ、標準タイムで上って行くし・・こんな90歳になりたいものだと、つくづく思う。
山頂からは北アルプス、南アルプスは仙丈ケ岳・甲斐駒ヶ岳・北岳
八ヶ岳・御嶽山・中央アルプスの一部
独立峰なので、ぐるっと360度の展望
この辺り、日本海側と太平洋側の分水嶺になっている事からも日本の中心であることが分かります。
父は目の前の景色をぐるーっと見渡して
「この辺は分水嶺か?こっち側が太平洋へ、こちら側の川は日本海に流れ込んでいるんだ・・」と言いました。
今の私たちのように、山の位置もインターネットでちょこちょこっと調べられるわけでもないのに
きちんと位置関係が分かっています。
帰りの道はなだらかな新登山道を下って来ました。
この山道にはカタクリの花が咲いていました。
目の前をちょんちょんと歩いていたのは、オオルリのこどもでした。
ヒトリシズカやイチリンソウなど珍しい花も咲いていて気分の良い山行きでした。
里に戻ってきて・・
全然余裕の父。
上りは多少休みながら上るけれど、
下りは30代くらいの人と同じ速度で歩けるのがもっともすごい所で、
最近父は山で会う人に「お年はおいくつですか?」と聞かれなくなりました。
きっと、それほど老人に見えていないのだろう。