経ヶ岳は木曽と伊那を結ぶ権兵衛峠の北側に位置し、中央アルプスの一角のようでありながら、独立した存在の山で、
登山口は伊那市の仲仙寺から登るコースと大泉所ダムから登るコースがある。
この日は大泉所ダムコースから登る事にした。
登山口から前日の雨に濡れながらも、紅葉が始まり色付いてきた木々を見ながら、賑やかに鳥が囀る登山道を歩き始めたのだが、
歩き始めてすぐ、台風19号による倒木の多さに驚く。
自然の力というのはこれほどの大きな力なのかと思い知らされる数の倒木を、跨いだり潜ったりしながら登山道を歩き、
これから登山道を整備するのは大変だろうなぁ・・と思っていたのが、
この倒木が帰りには「経ヶ岳友の会」の方の手によって、きれいに片付けられつつあった。
大泉所ダムコースと仲仙寺コースが合流する4合目。
5合目は静かな森の中にあり、キャンプ場にもなりそうな・・・。
紅葉がきれいだった。
経ヶ岳の登山道は時々緩やかになりながらも、急登もあり、何より長い。
静かな森の中をなだらかに登りながら6合目を越え、
7合目に着くと南アルプスが見えた。
一数間ほど前に初冠雪となった甲斐駒ケ岳と仙丈ケ岳が目の前に、伊那市の街は雲の下にあった。
8合目は展望の良い開けた場所で、ここまででも十分と思えるくらいだった。(奥に見えるのが山頂)
8合目は美ケ原~八ケ岳~南アルプス全山と中央アルプス、伊那山地や小さな里山、天竜川の流れの周りに広がる伊那谷が一望できる。
ここは伊那谷育ちの人間にとって、いつまで見ていても飽きない風景だった。
長い長い雨の1年の中で、貴重な青空の1日。
知らない間に紅葉が進んでいた。
8合目から9合目までは植物も多いし、景色もいいし、お気に入りの場所だった。
9合目近くから山頂近くまでは、またまた倒木。
そして山頂はびっくりするほどの台風の傷跡。
それでも、こうした風倒木を一本一本細かく切り、安全な登山道にしてくれていた友の会の方。
ありがとうございました。
経ヶ岳だけで100本近い風倒木があったのだと聞きました。
黙々と木を刻みながら、今週中には全部きれいに片付けるよ・・と笑顔で言われたけど、もう夕暮れも近いのに・・・。
自然の美しさと厳しさ、人の優しさと厳しさ。
教えられる事のたくさんあった経ヶ岳登山でした。
晴れた日には8合目から、西側に御岳山。
東側には
八ケ岳全山と南アルプス全山(正面に甲斐駒ケ岳)伊那山地の端まで見え絶景です。
山を下りて見ると、この全部が経ヶ岳。
経ヶ岳は大きな山です。