300年の伝統を誇る、長野県無形民俗文化財の手造り煙火が阿智村清内路の上清内路諏訪神社で奉納された。
今年は天気も良く、日曜日と重なったことで大勢の観客に見守られての花火大会だった。
山間部にある上清内路の10月の夜は近隣の市街地より寒く暗い。
提灯を先頭に神輿が上清内路の家々の前を練り歩き、神社の前に到着した後、煙火奉納が始まった。
火薬の配合や作り方など秘伝と言われる青紫色のぶどう棚から始まるのだが、
明るかった神社や境内の電灯がすべて消され、点火と共にうっすらと真っ暗な空間に浮かび上がる紫色の幻想的な光の群れ。
これは(全国の花火を見た事はないけれど)全国一だと南信州人として思う。
そこからは、工夫を凝らした仕掛け花火で次々と観客を楽しませてくれる。
ピノキオやちびまる子ちゃんや回転木馬が火の粉の中で踊り、
山の上まで一気に突き抜けて行く蝶の鋼火など迫力のある花火が頭上を駆け抜ける。
他のどこでも見られない仕掛け花火への驚きと、この手作り花火の技術の高さや守り抜く伝統の尊さなど、いろんな事が入り混じって見ているだけで感動する。
ナイヤガラもきれいに流れ
回転木馬は頭上で光り輝いていた。
残念ながら大三国はうまく点火できずに中止となったが、
愛知県の団体の手筒花火も迫力があった。
今年も暑かった夏が終わり、秋が来た。
いつの間にか夜の涼しさが身に染みるようになっていた。