南信濃に春を呼ぶ時又の初午はだか祭、
2年前は東日本の震災のすぐ後で、参加者や見物人全員の黙祷と震災への義援金を集め、
復興を願った事を思い出します。
今年も復興祈願と厄除けを祈願し、初午はだか祭が開催されました。
長石寺はこの細い路地の先の高台にあり、数分後にはこの路地をいくつかの神輿や初午が勢いよく下ってきます。
境内では出陣の儀式が行われていました。
10日、この日は生憎の雨と風、
でも、この寒さに負けず勇壮なお祭りが始まりました。
神馬や俵、樽や宝船を模した神輿八基が次々とこの細い路地を勢いよく下ってきました。
時又の町は天竜川の流れに沿って町並みがあります。
この時期の天竜川の流れは寒々しく、今年は殊に水量も多い気がしました。
最後は神馬を洗い清めるために、神輿を担いだ男達はこの天竜川に入って行くのです。
この神馬を洗い清める尊い水を御水と言います。「御水」と書いて「おんすい」と読みます。
神の水、清い水の意味です。
それで、この祭りでは、掛け声は「おんすい!!おんすい!!」と叫びます。
町中に「おんすい、おんすい!!」の掛け声が響き、
寺から下った神輿は、時又の町の中を練り歩きました。
新しくできた天竜川に架かる橋の所まで来ると、
長老の松の儀が行われました。
長老の松にあやかって、長寿を祈願します。
ここから、町を練り歩きながら、時又港に向かいます。
この祭りは、鎌倉時代、信濃の国領主小笠原氏が承久の乱で戦勝の感謝と慰霊のため、天竜川で兵馬を清めたことに由来しているのだそうです。
この兵馬を模している真っ白な馬がこの祭りの主役です。
まだ冬の寒さの残るこの季節のはだか祭は、見ていても辛そうですが、
きっと見ているよりも大変で・・・
雪解けの天竜川の水は身を切るように冷たいに違いないのです。
今年はこの天気、天竜川の対岸は墨絵のように白と黒でかすんでいます。
色とりどりの傘を差して、見物客も天竜川に集まって来ました。