今回は 仕事のモチベーションの話を一つ。仕事といっても一般的な仕事ではなく、建築の設計の仕事に関してです。建築設計の仕事=設計事務所の仕事というのは、その事務所の経営の方針に寄りますが・・・一般的にはとても不安定な仕事の仕方をしているのが多いかと思います。
大手の設計事務所などは営業も他所との繋がりもしっかりしているので、割りと安定しているかもしれませんが、少人数で設計している設計事務所は仕事を確保するのにとても苦労しているところが多いと思います。そのため、設計をプロデュースする職種が生まれ、様々なところでイベントを開催しています。要は、一般の人と設計事務所の接点が少ないからです。
ということで、設計事務所も色んなところで、他の人と組んでイベントや相談会を開催したり、工夫はしていますが、なかなか大々的に告知出来ないので、認知度が低いというのが現実です。それでも、仕事をしないといけないし、お金は稼がないといけないので 他の設計事務所の協力事務所として仕事したり、非常勤講師(笑)なんてのをしたりしながら、その場をしのいでいくわけであります。
そんな中でも仕事のモチベーションを保持していかなければ なりません。というか「モノづくり」としての職人的な一面もある設計事務所のモチベーションがなくなれば、それはすなわち、仕事を辞めるということに繋がることになることもあるかも知れません。実際にボクの回りでも転職した人を何人も知っています。
モチベーションを保持するのに一番わかりやすいのが、建物を完成させるということです。新築であれば、様々な条件があり、その中で模索し、検討し、「これでよいのか」と自分に問いただし、見積りの金額と格闘し、現場でも まだ可能性を見出そうとしつこく検討し、チェックし、ようやく完成したときは疲れ果てている。とても晴れやかな世界のように思っている人も多いのですが、実際は地道なことの積み重ねの集大成であるといえるのです。しかし、この完成したときの充実感、クライアントの喜ぶ笑顔が「また、つくりたい」と、次へのエネルギーになります。ある意味、変な人種なのかも知れません(笑)
また、設計事務所は仕事をしてないときでも「モチベーション」を上げることのできる仕事でもあります。それは、「建物を視る」ことです。雑誌に載っている建物や、古建築など、いつでもどこでも「建物を視る」ことは可能で、そこで新たな感性を受けたり、スケール感を学んだり、感覚を養います。これが、なかなか効果的でいろんなことを意識して視ると様々な発見があります。これが楽しく、面白く、効果的です。
ボクが20代の頃、様々な建物を見にいきました。国内だけでなく、海外まで。旅行といえば、どの建物を視ようかということが きっかけになるくらいに。。。これは体験談ですが、本当にいい建物というのは、外観は実際より、小さく感じ、中に入った時に全身で何かを感じることの出来る建物だと思います。入った瞬間、空間の空気の粒子が粗くなったような感じがするのです。そういう建物に何度か出会いました。
そういう時は、もう、感動です。感動して、その中を視て回ると嬉しくて楽しくて 建築に対する「モチベーション」は最高潮に達します。そして「この感じ、こんな建物をつくりたい!」となり、しばらくの間は、モチベーションは上がりっぱなしです。(笑) そんな事を思い出しながら、今は書いてます。そして、無性に「いい建築」を視に行きたいと思っています。
やはり、モチベーションを保つには、いい刺激がないといけません。刺激があることによって次への「やる気」が出るように思います。もっと書きたいのですが、あまりに長くなったので今日は この辺りで終わります。もっと建築のことを書いてみたいと思ってきている今日この頃?です。