「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

メンタライゼーションに 基づく治療 (MBT)

2011年12月07日 20時52分12秒 | 「BPDサバイバル・ガイド」より
 
 MBT (メンタライゼーションに基づく治療) は まだあまり知られていませんが、

 将来的に有効な治療として 期待できるものです。

 アンソニー・ ベイトマンと ピーター・ フォナギーが 開発した治療法で、

 弁証法的行動療法に 似た部分もありますが、

 BPDとは何かという点で かなり異なります。

 MBTは、 自分が何者かという  「自我」 に焦点を当てます。

 BPDは、  「自我構造」 の弱さと 不安定な自己,

 自己理解の浅さによる 障害だとしています。

 MBTは 精神分析的治療法であり、

 弁証法的行動療法よりも  「会話療法」 なのです。

 治療者と話をして、 自己理解,

 他者との関係についての理解力 (メンタライゼーショ ン) を 深めていきます。

 メンタライゼーションとは、

 自分や人の行動は 心理状態, 考え, 気持ちや願望から起こる ということを

 理解する能力です。

 それぞれの行動は、 不意や任意に起きるのではなく、

 感情や考えに基づいて 起こるのです。

 BPDの人は、 心理状態がどのように 行動に繋がっているのかを、

 理解するのが困難だということです。

 衝動的に行動するとき 自分の気持ちや考えに 気付けなかったり、

 心理状態と行動の関係が 理解できないでしょう。

 MBTでは、

 他者の行動が どういう心理状態によって起こるかを 理解することも重要です。

 また、 心理状態と行動は 関係はあるけれども別個のものである、

 ということを 理解することも含まれます。

〔 「境界性パーソナリティ障害  サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕

(次の記事に続く)
 

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