「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

中立的な態度で接する

2010年01月22日 21時17分47秒 | 「境界性パーソナリティ障害」より
 
 治療者, 援助者として 関わる場合の基本は、

 誠実だが あくまでも中立のスタンスを 維持することです。

 境界性パーソナリティ障害の人は、

 相手が 少しでも自分に 不信感を持っていると感じると、

 自分も相手に 不信感を持ち、 受け入れなくなります。

 逆に、 過度に好意的に接近すると、 急に期待を膨らませたり、

 幻想を抱いて 期待外れに終わると、 裏切られたと思ってしまいます。

 本人に先入観を持たず、 真っ白な心で 接することです。

 ただし、 放っておけない親切心や あふれる熱意は禁物で、

 「仕事として」 「専門家として」  割り切った姿勢が必要です。

 中立的な態度を 守り続けることが重要です。

 境界性パーソナリティ障害の人の 依存に応じだすと、 不適応を強化してしまいます。

 あくまで 主体と責任は 本人にあるのです。

 本人に 自分の足で立ってもらうことが 目標なのです。

〔 「境界性パーソナリティ障害」 岡田尊司 (幻冬舎) より 〕
 

 僕は 治療者ではありませんから、 中立的な立場では ありませんでした。

 恋人という、 物理的にも時間的にも 密接な関係ですから、

 心子は僕に 白馬の王子の 幻想を抱いたり、 一変して 絶望したりしたわけです。

 でも 主治医の先生から、

 「要求されても、 できないことはできないと 言うしかない」 と

 助言を受けていました。

 今で言う境界設定ですが、依存に何でも全てに応えることはしませんでした。

 最低限の距離は 取っていたと思います。

 それが心子からは、

 「あなたほど 自分の殻を守る 人間はいない」 と 言われたりしたのですが。
 


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