「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

激しい感情を どう受け止めるか

2010年01月23日 21時40分11秒 | 「境界性パーソナリティ障害」より
 
 境界性パーソナリティ障害の人が ぶつけてくる 激しい感情に対して、

 本人の状況を考えれば、 至極もっともなことだと 受け止めることです。

 「そう感じるのは 当然だと思う」 「よく そこまで耐えたね」

 などと伝えます。

 その上で、

 「辛いことだけど、 それを乗り越えることも 大切なんだよ」

 「どうすればいいか、 考えていこうよ」

 と方向転換を図るのです。

 「それは、 ~ということなんじゃないかな?」

 と 客観的に整理していくことで、

 境界性パーソナリティ障害の人は 冷静に対処する 術を学んでいきます。

 最悪なのは、 感情に感情で返すこと、

 ついで望ましくないのは、 感情を否定して はぐらかすことです。

 もっといけないのは、 

 「だから病気なんだ」 と 烙印を押したり、 説教をすることです。

〔 「境界性パーソナリティ障害」 岡田尊司 (幻冬舎) より 〕
 

 心子の気持ちを 受け止めた上で、 方向転換を図ったり、

 客観的に整理することが、 僕にはできませんでした。

 心子が荒れるときというのは ほとんど、 僕を非難・ 攻撃しているときですから、

 それを方向転換したりするのは、 自分の言い訳をすることになり、

 心子の怒りを 否定することになってしまうからです。

 僕はただ 黙って受け止めるしか 術がありませんでした。

 それは 心子の怒りの反応を 強化することに なってしまったでしょうか。

 何か 一言でも言おうものなら、 火に油を注ぐのと 同じで、

 血を見るのは 明らかでした。

 でも境界設定は、

 最初は 以前より事態は悪くなるのを 覚悟しなければならないといいます。

 そんな試行錯誤も してみたかったと思います。
 

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