(前の記事からの続き)
3. 気分障害と不安障害
特に大うつ病やパニック障害も BPDの回復を難しくします。
感情的に傷つきやすいか、 感情を抑制するのが 困難な可能性があります。
また、 PTSDと同じように 回避の問題もあります。
パニック障害の人は、 パニックを起こす恐れのある 場所には近づきません。
感情を避けたり、 感じないようにすれば、 かえって状況を悪くするだけです。
避けようとすればするほど、 人生はより恐ろしくなってしまうでしょう。
また、 落ち込むと 他人との関係を断ち切ったり、 自ら孤立するようになります。
基本的に 積極的な行動を回避しますが、 もっと前向きになるべきなのです。
回避によって 感情的苦痛に火がつき、
回復に役立つはずのことが できなくなってしまうのです。
〔 「境界性パーソナリティ障害 サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕
心子も うつ病を持っていました。
心子は 僕との関係で傷つくと、 僕から離れていき、
もう誰も信じないで 聖書だけ握って 独りで生きていく、 と
何回も言ったことがあります。
それは うつ病のせいだったのでしょうか。
誰よりも愛情を欲している心子が、 人との関わりを断って、
独りだけで生きていけるはずもありません。
そんなことをすれば 確かに、
人の支えが大切である BPDの回復を妨げるでしょう。
でも心子は 時間さえ経てば、 再び何事もなかったかのように、
僕の所へ戻ってきて、 楽しい時を過ごすのでした。
(次の記事に続く)
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