「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

BPDの回復の 妨げになる要因 (1)

2011年09月28日 21時41分50秒 | 「BPDサバイバル・ガイド」より
 
 抱えている問題が多いほど、 それぞれの問題に取り組むことが 難しくなります。

 BPDの人が 別の精神障害も持っていると、

 BPDの治りが遅く 治療も複雑になります。

1. 物質使用障害

 BPDの回復を妨げる 最も大きな要因は 物質使用です。

 これは  「乱用」 と 「依存」 に分けられます。

 乱用では、 アルコールや薬物の使用によって 生活が困難になります。

 依存では、 アルコールや薬物のためなら 何でもしてしまい、

 次第に使用料が 増えてくることがあります。

 物質使用障害を伴っている人は 4倍近い確率で、 BPDが治りにくいと言われます。

 物質使用に伴う問題は、 BPDの問題と重なります。

 例えば、 危険で無謀な行動を起こしたり、

 より感情的になったり、 人間関係に問題が生じたりします。

 BPDの人は こういう問題を避けようとして 物質を利用し、

 結果的に 同じ問題を悪化させるだけなのです。

2. 心的外傷後ストレス障害

 BPDの人の多くが、 幼児虐待のような トラウマ的な出来事を経験しています。

 同じきっかけで PTSDを持つ可能性も 高いといえます。

 PTSDとBPDの 両方を持っているとしたら、

 成長過程で受けたストレスは より深刻で、

 BPDから回復する 妨げになると言えます。

 また、 PTSDに付随する問題は BPDの問題と似ています。

 例えば、 PTSDにも 「感情調整不全」 があり、

 もし 両方の障害を持っていれば、 二倍の感情調整不全が見込まれるのです。

 「回避」 の問題もあります。

 PTSDの人は トラウマを連想させるものを回避しようとし、

 BPDの人も 感情に対処するため回避します。

 BPDの回復には 問題に取り組むことが大切なので、

 二倍の回避が 回復をより困難にさせるのです。

〔 「境界性パーソナリティ障害  サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕
 
(次の記事に続く)
 


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