「境界に生きた心子」は初め、心理関係のドキュメントとして小さな出版になる予定でした。
新風舎の人たちも当初は、「境界性人格障害」というものを知らないような時期でした。
ところが編集の段階で、境界性人格障害のテーマが再評価され、企画が拡大されることになりました。
特に営業の人が、ボーダーは重要なトピックスだということを、編集会議で強く推してくれたそうです。
また、最初の担当編集者の人が産休のために交代したとき、新しい担当の人は拙著を 「ラブストーリー」として読んでくれ、若い女性読者もターゲットにという軌道修正もされました。
発行部数も増やされることになり、文字組みなども漸次グレードアップされていきました。
テレビでもおなじみの心療内科医・海原純子さんの推薦文をいただくこともできました。
また表紙は最初、僕は以前絵を描いていたので自分で描こうと思っていたのですが、やはりうまくいかなかったこともあり、プロのデザイナーに依頼することにしました。
それも企画の拡大に従って、ランクが上のデザイナーに何回か依頼しなおし、最終的には相当格の高いイラストレーターの方に頼むことができました。
林真理子さんや唯川恵さんの本の表紙を描いている人で、この人にやってもらえたのは「奇蹟だ」と編集者が言ったほどでした。
そして現在のこの表紙ができたわけで、僕はとても気に入っています。
発行部数のほうも、結果的に当初の予定とひとけた異なる数字になりました。
お陰で少しでも多くの読者の目に触れることができ、本当にありがたいことだと思っています。
これからも皆さん、「境界に生きた心子」をどうぞよろしくお願いいたします。
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