「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

ノーと言う

2017年05月05日 20時47分00秒 | 「DBT実践トレーニングブック」より
 
 ノーという能力は、 より健康的な対人関係を築くための 肝要な部分です。
 
 それなしでは、 ブレーキのない車に乗るようなものです。
 
 「ノーの言い方」 には 2つのステップがあります。
 
1. 相手の要求の正当性を認める
 
2. はっきりと、 それをしたくないという意思を述べる
 
 いくつかの例を挙げます。
 
・ 「アクション映画もいいけど、 今夜はもう少し 落ち着いたもののほうがいいわ」
 
・ 「緑色はダイナミックな色だよね。 でも寝室は パステルカラーのほうがいいな」
 
・ 「あなたが正面から 対決したいのは分かるわ。 でも私は不安に感じるわ」
 
 鍵となるのは、  「~のほうがいい」 と 「不安だ」 という表現です。
 
 自分の見解を正当化していません。
 
 言い争ってもいません。
 
 重要なのは、 相手が反論に使える事柄を 提供しないことです。
 
 好みや感情には反論できないのです。
 
※ 練習9-6 アサーションの階層の構築
 
 アサーション (ノーと言うことなど) を学ぶには、
 
 練習と、 リスクを負う姿勢が必要です。
 
 最初はリスクの低い状況から始め、 より不安な状況に取り組んでいきます。
 
 ノーと言ったり、 限界を設定したい状況の リストを作りましょう。
 
 対人関係の問題を含めましょう。
 
 そのリストに、 リスクと困難に応じて 1~10のランク付けをしてください。
 
 10が最も困難な状況です。
 
状況 _____________________________________
 
状況 _____________________________________
 
状況 _____________________________________
 
状況 _____________________________________
 
状況 _____________________________________
 
 最もランクの低いものから始めて、 次の4つのことをしてください。
 
1. 脚本を書く (「~と思う」 「~と感じる」 「~してほしい」)
 
2. 脚本のリハーサルをする
 
3. それを用いたい 時間と場所を特定する
 
4. 特定の日に アサーションにコミットする
 
 最初の目標を達成したら、 有効だったこと, 改善することを評価してください。
 
 それを、 第2位の状況のために組み込んでください。
 
 そして階層を上がっていきましょう。
 
 人間関係が 次第に実りのあるものになっていくでしょう。
 
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
 訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より [星和書店の許可のうえ掲載]
 


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