「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

福島原発による死者

2011年06月15日 20時55分41秒 | 東日本大震災
 
 東電と政府は、 原発による死者はいない と言っています。

 しかし、 酪農家の自殺が相次ぎました。

 「原発さえなければ」 と 書き残して……。

 これは 原発による死者とは 言えないのでしょうか。

 また、 自然死として扱われている人も 複数います。

 震災直後 (3月11日の夜) に 政府の避難命令が出され、

 ゴーストタウンと化した町に 取り残された人たちがいたのです。

 I さん (44才) は避難命令後、 両親と連絡が取れなくなりました。

 電話をしましたが通じず、 実家のある避難区域に 探しに行くことはできません。

 すでに避難したのだろうと、 避難所を探したり、 地元ラジオで呼びかけたり、

 町役場に捜索を依頼したりしました。

 3月23日、 自衛隊が避難区域の捜索に入りました。

 そして、 I さんの両親は 実家で発見されたのです。

 母親は津波による溺死、 2階にいた父親は やせ細って衰弱死、 つまり餓死でした。

 亡くなったとされるのは 3月21日。

 震災から10日間、 生きていたことになります。

 実家に食料はなく、 唇は渇ききっていました。

 他にも5人が衰弱死しており、 その多くが餓死でした。

 持病も怪我もなかったのに、 なぜ逃げられなかったのか、

 助けを待っているうちに 動けなくなってしまったのか、 分かりません。

 避難命令を知らなかったのでしょうか、

 妻の亡骸を 置いていけなかったのでしょうか……? 

 I さんの父親は、

 震災による死亡者リスト (福島県警発表) の 中にさえ入っていません。

 書類上、 「自然死」 として 扱われているためです。

 I さんは父親の死が、 社会から忘れ去られたように 感じるといいます。

 原発がなければ、 すぐにでも 探しに行くことができたのに、 それが叶わなかった。

 それは 原発による死ではないと……? 

〔 TBSテレビ 「NEWS23クロス」 より 〕
 


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