「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

気分の不安定さ (1)

2008年05月02日 23時25分31秒 | 「BPDを生きる七つの物語」より
 
 感情の不安定さ (気分変動) は、BPDの最も際立った 症状のひとつです。

 うつ,自己嫌悪,怒り,不安,気分の高揚 などの感情は、

 外からの刺激に対して 突然変化します。

 他の精神疾患と比べて BPDの気分変動は、

 一日のうちに 頻繁に起こり、しかも それが予測できない ということが特徴です。

 その違いをはっきりさせるため、「DSM-Ⅳ」 のBPD基準では、

 反応性,エピソード的,一過性ということを 強調しています。

 心子と僕の場合も そうでしたが、激しい感情の変化に “腫れ物に触るように”

 接するため、とてもストレスを感じるものでした。
 

 BPDは他の疾患と 共通点があるので、診断を難しくしています。

 BPDが 他の病気の 原因や結果になっていることもあります。

 そのため、他の病気の症状を カモフラージュしたり、

 BPDの症状が カモフラージュされたりしてしまいます。

 BPDを合併しているときは、予後に 良くない影響を与えるので、

 BPDを認識しておくことは 重要です。

○BPDとうつ病

 BPDに合併する 一番多い疾患は  「うつ」 です。

 うつ病の診断のときに、衝動性,怒り,人間関係などを考慮しないと、

 BPDが 見落とされるかもしれません。

 逆に 言動だけに重きを置くと、うつ病がBPDの陰に 隠されてしまいます。

 ふたつの障害は かなり重なり合いますが、違いもあります。

 BPDの人は より衝動的で、波乱が大きく不安定です。

 うつの人は 強迫的な心配をする人が多く、

 自意識が強くて 気分変動はほとんどありません。

 対人関係も 長く続く傾向があります。

 うつ病の人と比べて BPDの人は、より自己批判的になりがちです。

 単独のうつ病の7~8割は 治療が功を奏しますが、

 BPDを伴う うつ病は、回復の可能性が 半分になってしまいます。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/54055244.html

〔 参考文献: 「BPDを生きる7つの物語」 (星和書店) 〕
 


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