「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

気分の不安定さ (2) (他の疾患との関連)

2008年05月03日 22時23分07秒 | 「BPDを生きる七つの物語」より
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/54042256.html からの続き)

○BPDと双極性障害

 躁うつ病を含む 「双極性障害」 も、

 衝動性,怒り,気分障害など、BPDと共通点があります。

 ボーダーを知らない人からは、

 ボーダーのことを 「躁うつ病?」 と聞かれることも 珍しくありません。

 双極性障害の気分変動は たいてい無意識に生じ、

 周りの状況には ほとんど関係がありません。

 他者に対して鈍感で、ここがBPDと 最も異なる点です。

 また双極性障害の人は、気分変動の間も 通常の生活ができます。

○BPDとPTSD

 外傷後ストレス障害 (PTSD) も、

 BPDと合併していることが多く、混乱を招きます。

 両者とも子供時代に 虐待やトラウマ体験をしています。

 PTSDの患者は フラッシュバックに苦しめられ、

 この再体験や悪夢が 繰り返されることが、この症候群の特徴です。

 BPDは ひとつのトラウマに 占められることは少なく、もっと多様です。

 心子もそうでしたが、父親の死や前夫の自殺の悪夢に、飛び起きたことはありました。

 PTSDは トラウマの原因となった状況に反応し、

 BPDは 見捨てられる状況に強い反応を示します。

○BPDと物質乱用

 BPDと物質乱用は 共存することが多く、

 一方が他方を悪化させると、自殺の危険性が高まってしまいます。

 BPDの人の薬物乱用は、他の薬物常用者とは違い、

 衝動的で 特定の薬物を求めるということはしません。

 手に入るものなら何でもよく、

 薬自体を欲するというより、社会との接点を求めての ことなのかもしれません。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/54069764.html

〔参考文献: 「BPDを生きる7つの物語」 (星和書店) 〕
 


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