「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

感情をコントロールしましょう (3)

2014年05月06日 20時04分21秒 | 「BPDファミリーガイド」より

(前の記事からの続き)

o 自尊心: どのくらい低くできますか? 

 自尊心が低い人は、 自分の能力を疑います。

 人から大事にされなくても 当たり前だと思うのです。

 ノン・ボーダーの人の 自尊心が低い理由が 幾つかあります。

 あるノン・ボーダーの人は 次のように言っています。

 「怒りや批難が始まると、 私は肩身が狭くなりました。

 不条理な話ですが、 全部鵜呑みにしてしまいました。

 私が我慢して乗り切れば、 怒りは過ぎ去って、 “正常な” 状態に戻れます。

 少しずつ自分をだめにしていることに 気付かなかったのです。」

 問題によっては、 正しいことをしても、 どうしようもないものがあります。

 そうすると 自分が嫌になってしまいます。

 正しいのかどうか 疑問に思ってしまうのです。

 苦痛があるのは 自分が悪いからだという考えは、 断ち切る必要があります。

 皆さんが今まで、 信頼できる人から感謝された言葉を、

 書面に書いて見てみてください。

 彼らの言葉は、 BPDの人より 説得力があるのではありませんか? 

 自分に言ってみてください。

 「過去は終わった。

 私の人生だ。

 私を愛してくれて、 気分よくいられる人たちと 一緒に過ごそう。」

 専門的な援助を求めてください。

 自分自身と、 自分の直感を 信じられるようになれば、 自尊心がついてきます。


○ 物事を 個人的に受け取らないようにしましょう

 人の言うことを 個人的に受け取ると、

 罪悪感や羞恥心を抱いたり、 自尊心を失ったりします。

 他の人の行動を コントロールしようとするのは、 全く無駄な努力です。

 個人的に受け取るのは、 ふたつの段階から成ります。

 まず BPDの人の行動 (非難や侮辱など) が起こります。

 そして、 次のような考えがよぎります。

・ 私が彼女を怒らせた

・ 彼は私を傷つけようとしている

・ 彼女の言うことは真実だ

 ひとつ目を止めることはできません。

 しかし ふたつ目から来る痛みは 止めることができます。

 物事を個人的に捉えると、

 相手の立場に立ったり 共感する機会を失ってしまうでしょう。

 BPDの人の非常識な行動は、 脳の障害によるものなのです。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕