医療マーケティングの片隅から

医療ライター・医療系定性調査インタビューアーとして活動しています。独立30年を機に改題しました。

震災後1週間の憂鬱

2011年03月23日 | 旅★日記

たった2週間前にはえらくのんきなブログを書いていたものだ。
こんな事態になるなんてほんとうに思いもよらなかったので、しかたない。

被災された方やご家族には心からお見舞い申し上げます。
そして、いまも寒い避難所生活で、あたたかい食事もとれずにいる方々、せっかく津波から逃れられたいのちを、どうかつないでください。

この一週間を振り返ると、これまでになかったほどマスメディアに対してうんざりした。

多くの人のいのちが飲みこまれた、凄惨な津波の映像を、朝から晩まで繰り返すテレビ。行方不明の家族を探す人に「いまの気持ち」を聞くインタビュー。亡くした子どもの死亡届を提出する夫婦のドキュメンタリー。同じ痛みを分かち合える者なら、目をそむけたくなる取材ばかりだった。かと思えば、東京の上空からヘリで「節電」の模様を中継する空中撮影。
もうなんというか、あらゆることがズレまくりなのだ。

わたしは一時、2つのテレビ局の制作スタッフとして、いくつかの番組にかかわったことがある。
視聴率は分きざみでわかるので、当時もいまも「インパクト重視」という基本姿勢はかわらないのだろうが、問題はその立ち位置である。今回の一連の報道を見て、マスメディアはここまで民心とかい離したか、と思った。ついでに、セ・リーグもか…。

インパクトといえば、原発付近の住民の放射線被曝を検査する医療者の姿もインパクト大でしたね、いろいろな意味で。
検査を受ける住民が普段着なのに、頭からつま先まで、目以外はすっぽりと白衣。もちろん、医学的にそうするべきことはわかっているが、あの映像から、被災者がさらなる「被害」を受けないか心配だ。O-157のときに堺市の人がうけた被害を考えると、福島の人たちがそれ以上の被害に遭いかねない。

そんなことを考えているうちに、ほんとに福島県民の宿泊を拒否したホテルがあらわれるし、某大手新聞社の週刊誌は「東京に放射能がくる」とやってくれた。記者はほとんど東京の人なのだろうか、まるで東京が被害者のようである。これはTwitterでも話題になり、福島県の方は「くやしい」と訴えていた。そりゃそうですよ、本当の被害者は福島県民なのだから。 

 

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