monologue
夜明けに向けて
 



2A06病室は2階のA病棟の6番目の6人部屋で、急性期ではなく慢性期の俗にいう「寝たきり」の状態の患者が療養していた。
病棟が変わると人の名前を憶えるのがむづかしかった。顔を合わせる人全部に名前を訊いた。
その日挨拶したヘルパーは勝又淑子(よしこ)ヘルパー、遠藤薫ヘルパー、高倉美穂子ヘルパー。
しばらくすると薬剤科の二瓶豊氏が挨拶に来た。
わたしのベッドは一番奥の窓際に置かれていた。わたしは夜以外は寝そべることなく一日中端坐位で窓に向かって座った。その位置で食事を摂り、ノートパソコンを開いて操作した。部屋が変わって回復期の療養生活が始まったのだ。
fumio

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