monologue
夜明けに向けて
 

ポス  


ピレニアン・マウンテン・ドッグの子犬は大きいので父は初めはボスと名付けようとしたがそれでは当たり前すぎるのでひねって「ポス」にした。それで大きくなってドッグショーに出る時、地名を前につけて「久御山ポスボーイ」という名前で出場した。グレートピレネーズの部門ではいつも優勝したが全体では優勝できなかった。犬全体で優勝するにはそれなりのなにかが必要らしかった。ポスは父が帰宅してしばらくすると前足でガラス戸を開けて家に上がりこんできた。お座敷犬ではないのに父の横に座って夕食のおかずを相伴した。セキセイインコたちもご飯の茶碗にとまったりする。犬とインコは喧嘩することなく平和に一家の夕餉の団らんに顔をそろえた。
fumio

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