monologue
夜明けに向けて
 



カリフォルニア・サンシャインその8

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 わたしはアパートを早く出よう、と思っていた。家賃が高いので貯金があまり長くもちそうもなかったのだ。
そんなとき、上のクラスの生徒がふたりやってきて一緒にホームステイ先求むの新聞広告を出そうか、と誘う。そのうちのひとりが 上田好久だった。
わたしたちはどんな文面が良いか考えながら ロサンジェルス・タイムス社に向かった。社に着いて広告部で説明すると文面を簡単に作成してくれる。費用は三人で出し合って翌日の紙面を待った。

連絡先を学校の電話番号にしておいたのでロサンジェルス・タイムスの広告に反応して翌日から学校の事務所に電話が入るようになった。そのたびに三人で面接にでかけた。ビバリーヒルズの大邸宅だったりダウンタウンの普通の家庭だったりいろいろだったがみんな断られた。なかなか決まらないものだと感じたが、そのうちにハリウッドヒルをかなり登ったハリウッドサインのそばあたりの大きな家に面接に行った。「この家のペンキを塗ってほしいの」と奥さんがいう。三人のうちだれがいいか、と訊くとわたしを選んだ。それでその家のペンキ塗りとしてホームステイすることになった。
とにかくこれで家賃から解放される、この国にすこしは長く滞在できそうになった、と思った。
fumio

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