monologue
夜明けに向けて
 



 ライヴで使用するアンプの話しになった時、「島ちゃんがヤマハの初期のギターアンプをもっているから喚ぶ」と宮下が言った。島ちゃんとは本名、島健 で、ミッキーカーチスのバンドで渡米してそのままアメリカに滞在し、チック・コリアやジャズトランペッター、アル・ヴィズッティーのバンドに参加しているピアノ、キーボードプレィヤーだった。やってきた島は「昔、ギタープレィヤーだったからそのギターアンプをもっているんだ」と言っていた。
 
 「宮下のシンセとヴォーカル、中島のギター、島のキーボード、わたしのベース、」という布陣でライヴ会場のコンヴェンションセンターに入ると次々にパフォーマンスが始まる。やはりアメリカはカントリーミュージックの国で、土地柄か他のバンドはほとんどカントリーバンドだった。その中で宮下文夫のバンドの演奏はかなり異質だっただろう。受けたのかどうかよくわからなかったけれど夜のクラブや酒場ではないアメリカの一般民衆の息吹に触れる経験ができて面白かった。
fumio

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