monologue
夜明けに向けて
 



カリフォルニアサンシャインその18
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色々な人々がわさわさ来るうちにある日、沖縄人が集まる店の女性オーナーがやってきて自分の店でエンターテイナーをやってくれないかと頼む。
店のステージで琉球舞踊や蛇皮線音楽のパフォーマンスをしているのだけどお客さんがあまり来ないのであなたに頼みたい。ペイは店が苦しいから30ドルしか出せないけれどお願い、という。わたしはエンターテイナーの相場とかも知らないし、生活ができれば良かったのでOKした。その店はLAPD(ロサンジェルス警察)のそばにあって沖縄語で「あしび」といった。日本語で「遊び」の意味だという。店には特別に沖縄や琉球の雰囲気はなかった。お客さんも沖縄人ばかりというわけではなく一般の店と変わらなかった。従業員たちも若い女性が多いので洋楽中心に演奏できた。ビートルズが好きなので
「オール・マイ・ラヴィング」
を歌ってほしいとリクエストされたりした。ビートルズはわたしにとって基本なのでリクエストがあればうれしかった。そんなこんなで従業員たちには評判が良かった。そのうちハリウッドの「蝶」という店で働いてほしいとオファーされた。その地区はアダルトシアターが多くてペイは50ドルで日本人のお客さんが多かった。頼まれるとなんでもOKして生活が安定してきた。一般の仕事の最低賃金がまだ時間あたり2ドルの時代でエンターテイナーは特別に恵まれていたのだった。
fumio





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