monologue
夜明けに向けて
 




カリフォルニアサンシャインその17
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エンターテイナーの仕事のペイは一晩50ドルだった。店が終るとオーナーのロイさんがチェックに50ドルと書き込んでくれた。翌日銀行で換金する。日本では給料を小切手でもらったことがないので変な気がした。こんな紙に金額とサインをしてあるだけで通貨に変わるのかと、ちょっと不安になりながら朝一番に銀行に出向いた。しかし銀行に金がまだ振り込まれていないという。それで振り込まれるのを待った。それでやっと初めてのペイが通貨になったのだった。
レストラン「栄菊」のナイトクラブにエンターテイナーが入ったらしいという噂を聞きつけて多くの人々がやってきた。
わたしは蝶ネクタイをしてなるべくそれらしい格好でエンターテイナーらしく振舞った。主にスタンダードナンバーを選んで演奏した。すると、やがて引き抜き合戦が始まった。
fumio

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