monologue
夜明けに向けて
 



 〔エピローグ〕
       地には這いずりまわる者の音が満ち、
       天には炎が満ちる。
       オメガはアルファであり、点であり線であることを
       その黄金の火柱の中に、人々は見いだすだろう。
       自分たちの望み、願うものがこの中にあるのかを
       翼を切り取られた者たちは、考えるだろう。
       火を吹く楕円には解答は無い。
       線を描く卵にも、解答は無い。
       解答は地を這う者の中にある。
       現実と呼んでいる夢の中から、砂金を探すように目を凝らし
       耳を澄まし、声を大にして探せ。
       これより先に舟を見つける手だては無い。

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この預言詩のエピローグの肝である「線を描く卵」はマザー・グースのなぞなぞ歌「ハンプティー・ダンプティー」を踏まえている。

「Humpty Dumpty sat on a wall.
Humpty Dumpty had a great fall.
All the king's horses and all the king's men
couldn't put Humpty together again.」


「塀の上に腰かけていたハンプティー・ダンプティーがころげ落ち王さまの馬と家来が馳せ参じて手をつくしたがもとにもどせなかった。」さて「ハンプティー・ダンプティー」とはなにでしょうというなぞなぞ。
その答えはハンプティー・ダンプティーとは卵のことだったのである。
すなわちエネルギーの「金の卵」であったはずの原発も塀の上に腰かけていたが線を描いて落ちてつぶれてしまった。もう修復はできない。人々が望み、願うものの解答はこの原子力発電の中にはないということ。解答は地を這う者、すなわちわたしたち人類の中にあるのだ。
fumio

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