monologue
夜明けに向けて
 



 〔エピローグ〕
       地には這いずりまわる者の音が満ち、
       天には炎が満ちる。
       オメガはアルファであり、点であり線であることを
       その黄金の火柱の中に、人々は見いだすだろう。
       自分たちの望み、願うものがこの中にあるのかを
       翼を切り取られた者たちは、考えるだろう。
       火を吹く楕円には解答は無い。
       線を描く卵にも、解答は無い。
       解答は地を這う者の中にある。
       現実と呼んでいる夢の中から、砂金を探すように目を凝らし
       耳を澄まし、声を大にして探せ。
       これより先に舟を見つける手だては無い。


「赤い月の形としての物語」より
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この預言詩のエピローグでは原発災害の悲惨さを体験することによって、人々が自分たちの望み、願うものがこの原子力発電の中にあるのかを真剣に考えるという。

いうまでもないが「火を吹く楕円」が示唆するものは福島第1原発事故で3号機のタービン建屋の屋根に開いた長径14メートルの楕円状の穴など。それでは「線を描く卵」とはいったいなんのことだろうか…?
fumio

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