3月13日(木)
昨日晩飯を兼ねて隣街の居酒屋へ妻と二人出掛けた時、帰りの電車内で私にとってはショッキングな初体験があった。
それは車内に乗り込んだ時で、妻がシルバーシートに空席を見つけ素早く座った。すると隣に座っていた温厚そうな若い女性が私を見て、「どうぞお座りください。」と自分の席を譲ったのだ。
今まで六十幾年生きて来て、幾度となく席を譲りこそすれ譲られた事など皆無の私に、駅にエスカレーターがあっても階段しか利用せぬ私に、山野に立入れば韋駄天の如く駆け抜ける私に向かって何という非礼の言葉。
「無礼千万、手打ちにしてくれる。」・・・・何て非常識な事は言わなかったが、頑なに善意を押し付ける彼女に私は逆らえず、弱い微笑みと共にシルバーシートへ腰を下ろした。隣の妻はニヤニヤ笑って「彼女から見ればあなたは立派な年寄りなのよ。」と心の傷に塩を塗るようなこと言う。そしてフォローするように「良いブログネタができたじゃない。」とのたもうた。
そう確かにブログネタにはなった。しかしナイーブな私の心のダメージはどうしてくれる。これからは電車に乗っても絶対シルバーシートに近づかないと固く決意した。