日本で最も広大な山上湿原として知られる国立公園尾瀬ですが、その西端に聳えるたおやかな峰が至仏山です。鳩待峠や山ノ鼻からのアクセスが容易なので、登山者にも人気が高い山です。
①アルバムを紐解くと、その至仏山へは過去に3度登っているようだ。最初に登ったのは昭和55年7月12日、職場の友人M君を誘い三泊四日の日程で、至仏山~燧ケ岳~会津駒ヶ岳の百名山三座を登るという初心者にしてはハードな山行だった。
この時は雨が降ったりやんだりの天候で、会津駒の山小屋では管理人の男と喧嘩したりしていろいろな事があったが、私としては満足の山行でした。
しかしこの山行で懲りたのか、M君はその後私が何度誘っても一緒に山へ登る事はありませんでした。(夜の街へは何度も一緒に出掛けたんですが)
期日:昭和55年7月12日
冨士見下→ 鳩待峠→ 尾瀬ヶ原(東電小屋泊)
あやめ平付近?
至仏山山頂(左がM君)
山頂から越後三山方面(右奥)
山頂付近
山頂から尾瀬ヶ原
尾瀬ヶ原
尾瀬ヶ原から燧岳方面
②次に登ったのは平成2年の5月2日、当時所属していた山岳会の山行で、妻を含め8人の仲間と一緒に残雪の至仏山を登りました。実はこの山行の目標は平ケ岳で、至仏山は単なる通過点に過ぎなかったのですが、天気が悪化したので、途中のススケ峰で引き返したのでした。
この山行の行動記録が当時の会誌に残されていたので、概略を下記に転載してみます。
期日:平成2年5月3日~5日
尾瀬、至仏山~ススケ峰
参加者:CL福来 その他男×4名、女×4名、計9名
行動記録
5月3日(晴れ後曇り)
06:00鳩待峠→ 09:20~10:00至仏山→ 11:02日崎乗越→ 13:21~36日崎山→ 15:20ススケ峰(幕営)
Sさんの車で前夜のうちに鳩待峠まで入り仮眠、至仏山の登りは登山者も多く順調だったが、ムジナ沢源頭の沿いの降りはトレールが無く、終始トップを行くSTさんはルート選択に四苦八苦、天気の良いのが救いだ。
至仏山への登り
小至仏山付近
至仏山山頂
山頂からススケ峰~平ケ岳方面
山頂から尾瀬ヶ原と燧ケ岳方面
日崎乗越からしばらくの間小さなアップダウンが続き、急登の後日崎山に到着、展望が良い。この先も小さなアップダウンが続いて最後の一登りでススケ峰に着いた。
場所不明?
日崎山付近?
野球ができそうなぐらいだだっ広い山頂だ。メンバーに疲れが目立つので、予定より早いがここで幕営とする。午後は南の方から雲が押し寄せ、夕刻には深い霧となった。
日崎山から至仏山方面
ススケ峰から至仏山?
5月4日(曇り後雨)
06:30ススケ峰→ 07:46日崎山→ 09:15~30日崎乗越→ 11:10ムジナ沢(幕営)
ラジオの予報は低気圧の接近を告げ明日も天気は悪そうなので、平ケ岳は諦めて引き返す事にする。往路を忠実に辿り、日崎乗越からムジナ沢出合を目指し直線的に降る。
心配していたムジナ沢は辛うじてスノーブリッジが架かり簡単に通過した。食料が十分にあるので、時間は早いがムジナ沢出合で幕営とする。午後は山ノ鼻へ行ってビールを買ったり、尾瀬ヶ原散策などで過ごす。夕食の後は、19時過ぎまで楽しい宴会となった。
5月5日(雨後曇り)
06:23ムジナ沢出合→ 06:40~06:50山ノ鼻→ 08:00鳩待峠
山行の結果は尻切れトンボに終わったが、天気の悪化で仕方が無かったと思う。我々はもうガムシャラに頑張る年代では無いのだから、次回平ケ岳を目指す時は至仏山を。迂回して猫又川源頭を突き上げて行けば平ケ岳もそう遠くないと思うので、その時まで楽しみを残しておこう。(※この3年後の5月に、妻と二人でこのコースから平ケ岳を登った。)
③3度目に至仏山を登ったのは平成16年の7月末の事でした。この時は単独で尾瀬ヶ原の見晴十字路に幕営し、翌日山ノ鼻から至仏山を登って鳩待峠峠へ降りました。古いHPの記録が残っていたので、それを下記に転載してみます。
7月30日(金) 天気:雨後曇り時々晴
10:01富士見下→ 11:42~12:06富士見峠→ 12:56~13:03昼場→ 13:41見晴十字路
本当は南ア、北岳へ行きたかったが、太平洋上の台風を避けるため、無難な尾瀬に変更した。富士見下に車を置き出発。久し振りに歩くのが気持よく天気も上向きなので、長い林道も苦にならず富士見峠に着いた。一休みして昼食を取る。
ここから見晴十字路への道に入る。沢沿いの降りだが、余り手入れされておらず、泥濘の多い歩きづらい道だ。やがて平坦な地形に変わりしばらくして見晴らし十字路のキャンプ場に着く。さっそくテントを設営すると後はビールを飲みながら尾瀬の風を楽しむ。
見晴十字路(背後に燧ケ岳)
7月31日(土) 天気:曇後雨後曇
05:50見晴十字路→ 06:17~06:30富士見峠分岐→ 06:56東電小屋分岐→ 07:28~07:52山ノ鼻→ 09:56~10:11至仏山→ 10:39小至仏山→ 10:56笠ケ岳分岐→ 11:46鳩待峠
テントをたたむと尾瀬ヶ原の景色を楽しみながらノンビリ歩く。山ノ鼻に近づくにつれ人が多くなり雨も降り出した。休憩所でしばらく雨宿り、小雨になったので至仏山に向け出発。しばらく樹林の急登が続き、森林限界を超えると足下に尾瀬ヶ原の景色が広がった。
見晴十字路から景鶴山(左の山)方面)
尾瀬ヶ原
尾瀬ヶ原から至仏山
至仏山への登りから尾瀬ヶ原
高度を上げるにつれ雨、風が強まってくる。この道は又やたら滑りやすく老人や子供の登山者は大変そうだ、至仏山頂には沢山の登山者がいた。写真を撮り食事をすると鳩待峠に向け出発。
至仏山山頂
相変わらず雨風が強い。それでも、こちら側からも登山者が次々と登ってくる。笠ケ岳への分岐を過ぎ樹林の中の道を黙々と降って鳩待峠に着く。大勢の人々で賑わっている。ここからバスで戸倉まで行き、歩いて富士見下まで登り車を回収すると、そのまま川場経由の道を通り帰宅した。