奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1734)

2021-05-23 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「満洲鉄道まぼろし旅行(川村湊著・文春文庫2002刊/1998版の文庫化)」を読んだ。川村湊(かわむらみなと1951生れ)氏は、法政大学(政治学科)卒、法政大学名誉教授。大東亜共栄圏の文化を文学/教育/言葉/生活など多角的に捉え研究を続けている。-----

この本の目次は旅程表。“昭和12年当時の満洲鉄道地図”、“渡満/神戸~大連(吉林丸で移動)”、“大陸上陸/大連港(満洲の玄関/ヤマトホテル/馬車に乗って大連観光/満洲の苦力/満鉄本社見学/夜の大連)”、“旅順(戦跡/満洲桜/旅大道路を車で移動/大連旅順はなぜ関東州というのか)”、“大連(旅順線を普通列車で移動/無税港/満洲土産名店街)”、“特別急行あじあに乗ろう(連京線を特急あじあで移動/熊岳城温泉/食堂車であじあのカクテル)”、“湯崗子温泉/連京線を急行はとで移動(東洋一の泥風呂/不思議な霊泉/満洲民話)”、“鞍山/鉄の町(車窓に満洲一美しい白塔を見よう/夜の奉天/奉天ヤマトホテル泊/清朝皇帝の絵葉書/奉天遊覧バス)”、“五龍背温泉(温泉のバンガローに泊まろう)”、“撫順/炭鉱の町(撫順線を普通列車で移動)”、“新京/連京線を特急あじあで移動(新京ヤマトホテル泊/満洲の首都/満映スタジオを覗こう/満洲国の組織/S字に流れる松花江)”、“吉林/満洲の京都(京図線を普通列車で移動/吉林2000年の歴史)”、“牡丹江(開拓団訪問/満蒙開拓青少年義勇軍)”、“哈爾濱ハルピン(エキゾチックな都市/哈爾濱ヤマトホテル泊)”、“満洲里/モンゴルに続く草原の町/ノモンハン”、“飛行機で日本へ/満洲国とはどんな国か/旅の終わりに/満洲は今”-------

川村湊氏は、全共闘世代と思(おぼ)しき世代である。戦争体験者/外地引揚者の溢れていた時代の日本人の記憶を書籍で残しておこうとされたのだと思った。植民地帝国としてアジア各地に青少年を雄飛させようとしていた政府の企図(きと)が絵に描いたように感じられた時代の満洲各地の列車旅を書籍により再現した企画本なのだ。だからとても面白く仕上がっている。

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