奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その2076)

2022-04-30 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「人の心に働きかける経済政策(翁邦雄著・岩波新書2022刊)」を読んだ。翁邦雄(おきなくにお1951生れ)氏は、1974東大(経済学部)卒、日本銀行入行、1983シカゴ大学/PhD取得。専攻は国際経済学/金融論。筑波大学(社会工学系)助教授/日銀金融研究所長/京大(公共政策大学院)教授を経て、現在は大妻女子大学教授。-------

この本「人の心に働きかける経済政策」の目次は次の通り。“自己実現的予言(メインストリームの経済学とバブルは折り合いが悪い/正常性バイアス)”、“人はどのように判断/行動しているのか(行動経済学の知見/サンクコストの罠/責任者は深みに嵌る/人間は損失を嫌う/人の心への働きかけ/フレーミングとナッジ/行動経済学的な人間像)”、“マクロ的な社会現象へのフレーミングやナッジ(米中貿易摩擦と日米貿易摩擦/ポジティブなフレーミングの陥穽/中国から見た日米貿易摩擦/非対称的な国際協調の陥穽/日本の移民政策/フレーミングが強める現在バイアス/新三本の矢/日本は高齢化し収縮していくのか/新型コロナ対策/ナッジと社会規範の重要性)”、“メインストリームの経済学の期待への働きかけ(メインストリームのマクロ経済学が考える金融政策の枠組み/物価安定をどう定義すべきか)”、“期待に働きかける金融政策としての異次元緩和(公開市場操作から見た異次元緩和/期待への働きかけの帰結)”、“物価安定と無関心(物価安定のあるべき姿とその達成手段/ニューノーマルを超えて)”--------

この本「人の心に働きかける経済政策」の扉の抜き刷り文は次の通り。感染防止のため行動変容を促す国民の心への働きかけと、デフレ脱却を目的とした人々の期待への働きかけ。この二つの働きかけは背景とする人間観/経済学が違う。行動経済学の成果を主流派のマクロ経済学に加味した政策を行う必要がある。銀行取付/バブル/貿易摩擦/異次元緩和を働きかけ視点から分析する。-------

翁邦雄氏は、学者人生を略(ほぼ)/終えるにあたって、バブル以降の日本経済の低迷をやや自虐的に、後付け的に解説している。数理経済学/理論経済学/行動経済学の学徒ではないので、論じて居られる内容に上滑り感が避けられない気がした。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その2075)

2022-04-29 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「LILY’S CLOSET(石田ゆり子著・マガジンハウス2020刊)」を読んだ。石田ゆり子(いしだゆりこ1969生れ)女史は、台北日本人学校/都立青山高校/女子栄養大学(短期大学部)卒、女優。-------

この本「LILY’S CLOSET」の目次は次の通り。“ホワイトデニム”、“美しいヒールの靴”、“ハッピーな柄と色を着る”、“眼鏡”、“ジュエリーのお話”、“シルクの白いブラウス”、“クリアポーチ”、“サイドゴアブーツ”、“スリップドレス”、“色石のジュエリー”、“クリステンセン/ドゥ/ノルド”、“パール”、“ソックス”、“ダニエルリーのヴォッテガヴェネタ”、“ノルディックセーター”、“時には肌を出す服を”、“シンメの服”、“セットアップ”、“デニム”、“バレリーナシューズ”、“ブローチ”、“ポールハーンデン”、“フィービーファイロのセリーヌ”、“黒いスラックス”--------

この本「LILY’S CLOSET」の内容紹介文は次の通り。石田ゆり子のファンションに対する愛情一杯/フォトエッセイ集。石田ゆり子のクローゼットの扉を開けてみたい/そんな好奇心から生まれた企画が実現した。本人のワードローブと共に一つ一つのアイテムに対する思いを綴ったフォトエッセイ集。デザイナーへの探求心/お店の人との会話を大切にするショッピングスタイル。ゆり子さんのオリジナルなファッション哲学が感じられる。創作ノートやパリでの買い物フォト日誌も併せて掲載。ゆり子さんの魅力が沢山詰まっているので、どうぞお楽しみに。---------

一時は、妹/“石田ひかり”の方が女優として人気者に思えたが、今では、姉である“石田ゆり子”の女優歴の方が長いようだ。50を超えるお歳だが、結婚されていない所為か、お嬢様の雰囲気が残っている。だからなのか、この本「LILY’S CLOSET」のような適齢期の女性の衣装/装身具を気軽に纏(まと)うスナップ写真/写真集を観ても結構魅力的に感じる。流石、ファンの多い女優さんだけのことはある。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その2074)

2022-04-28 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「戦争はいかに終結したか~二度の大戦からベトナム/イラクまで(千々和泰明著・中公新書2021刊)」を読んだ。千々和泰明(ちぢわやすあき1978生れ)氏は、2001広島大学(法学部)卒、2007阪大大学院(国際公共政策研究科)博士課程修了、博士(国際公共政策)。ジョージワシントン大学(アジア研究センター)留学/京大(法学研究科)研究員/日本学術振興会研究員/コロンビア大学(東アジア研究所)研究員/内閣官房副長官補主査を経て、2013より防衛省防衛研究所主任研究官。-------

この本「戦争はいかに終結したか」の目次は次の通り。“戦争終結への視角(紛争原因の根本的解決と妥協的和平のジレンマ)”、“第一次世界大戦/勝利なき平和か懲罰的和平か(双方による妥協的和平の拒絶/平和の保障を求めて/ロシアへの和平要求/ドイツへの和平要求)”、“第二次世界大戦/ヨーロッパ/無条件降伏政策の貫徹(イギリスの和平拒絶/フランスの屈服/ドイツの快進撃と連合国の分裂/イタリアへの降伏要求/ドイツの打倒/勝者の意思の容赦ない押し付け)”、“第二次世界大戦/アジア太平洋/幻想の外交の悲劇(ポツダム宣言の発出/無条件降伏政策の修正/ソ連仲介策/核兵器使用/ソ連参戦/ポツダム宣言の受諾)”、“朝鮮戦争/勝利に替わるものを求めて(国連側の北進/共産側の南進/休戦会談/朝鮮休戦協定の締結)”、“ベトナム戦争/終幕を控えた離脱(アメリカの離脱へ/ハノイの妥協/パリ協定の締結)”、“湾岸戦争/アフガニスタン戦争/イラク戦争/共存から打倒へ(フセイン体制打倒の回避/停戦の合意/タリバン政権の打倒/フセイン体制の打倒/衝撃と畏怖の誘惑)”、“教訓と出口戦略/日本の安全保障への示唆”--------

千々和泰明氏は、戦後永らくアンタッチャブルだった“戦争終結”を正面から考えると云う視角を研究の主題に掲げて論考し、この本「戦争はいかに終結したか」を書いている。今まさにウクライナ紛争の最中であり、世相にジャストフィットする本だと思った。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その2073)

2022-04-27 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「夫婦をやめたい~離婚する妻/離婚しない妻(南和行著・集英社2021刊)」を読んだ。南和行(みなみかずゆき1976生れ)氏は、京大(農学部)卒、住宅建材メーカー(技術研究職)勤務後、弁護士を目指して大阪市立大学(ロースクール)入学、2008司法試験に合格。2013“なんもり法律事務所”開設。離婚/面会交流/無戸籍問題など家族に関する業務を多く扱う。--------

この本「夫婦をやめたい」の目次は次の通り。“家の表札が夫の名字なのが許せない”、“夫が勝手に解約して消えた社内預金の行方”、“妊娠した不倫相手と夫の再婚のための離婚はしない”、“最愛の人との間に生まれた無戸籍の赤ちゃん”、“DV夫と重なる母を怒鳴る実父の記憶”、“夜の生活を求め続ける老齢の夫への嫌悪”、“鬱病で失職した夫と息子を養うキャリア妻の屈託”、“義理の両親と同居するこの家で子供は作れない”、“結婚は人生の罰ゲームなんですか”、“セックスが苦手な夫への不満と不倫の罪悪感”、“母をガッカリさせない結婚のための離婚相談”、“雲の上の存在だった夫のモラハラ度”、“家族を捨てた妻はちゃんとした母親がわからない”、“同業の夫より有能な検察官の妻が算段する離婚までの道筋”、“流産を切っ掛けにカルト集団にのめり込んだ妻の行く末”、“パートナーシップ宣誓した同性カップルに法的離婚は存在しない”、“夫婦別姓と事実婚を選ぶのは我儘なのか”---------

この本「夫婦をやめたい」の内容紹介文は次の通り。コロナ後に浮き彫りになる夫婦の溝/モラハラ夫に翻弄される妻/夫婦別姓と事実婚/同性カップルの別離/虐待家庭育ちの妻/セックスレスの先の不倫/鬱病夫とキャリア妻/子どもが成長するまで先延ばしにする夫婦関係。自分や相手を必要以上に傷付けないため、時間やお金を無駄に使わないため/離婚する/しない/解決の道筋を様々な夫婦の想定パターンを元に現役弁護士が法的見地から詳細解説。--------

南和行氏は、それ程回り道もせずに、32歳で弁護士となり、取っつき易い離婚相談を数多く稼ぎの中心に据えて来られたようだ。この本では、個人情報が漏れない範囲で、面白可笑しく相談/弁護内容を野次馬世間に晒してくれている。実話だからこその重さもあって、纏まりはないが興味を引く本となっている。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その2072)

2022-04-26 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「望まない孤独(大空幸星著・扶桑社新書2022刊)」を読んだ。大空幸星(おおぞらこうき1998生れ)氏は、慶応大学(総合政策学部)在学中。NPO法人“あなたのいばしょ”理事長。-------

この本「望まない孤独」の目次は次の通り。“あなたのいばしょ設立までの経緯/著者自身の原体験”、“イギリスで定義された望まない孤独とは”、“増え続ける子どもの自殺相談/欠けた当事者目線”、“懲罰的自己責任論で苦しむ人々”、“匿名相談チャットデータで見る/死にたい人の思考”、“世界が注目する日本の孤独政策”--------

この本「望まない孤独」の内容紹介文は次の通り。誰かに頼りたくても頼れない。話したくても/救いを求めたくても/相手がいない。日本に暗く横たわる/望まない孤独を解消するため/一人の現役大学生が立ち上がった。2020に開設された24時間365日/誰でも無料/匿名で利用できる相談窓口/あなたのいばしょチャット相談には、誰にも頼ることができない孤独に苦しむ人々からの相談が、日夜問わず寄せられる。国会を動かし/孤独/孤立対策担当大臣の設立に繋げた著者が語る/望まない孤独の正体と、孤独大国/日本が取るべき孤独対策とは。“助けて下さい”、“学校で虐められている訳ではないし/友達や家族と仲が悪い訳でもない/だけど死にたいんです”、“今すぐ命を絶ちたいんです”-------

大空幸星氏は、これからの日本を支えていく子ども/若者たちの孤独を解消するべく、このNPO法人“あなたのいばしょ”を設立して、既に幾らかの実績を積んで来られた。日本は経済低迷の30数年間、今もずっと大人自身が混迷の中にあり、子ども/若者に真摯に/親切に接してこなかった。高齢者は世を去るのみだが、子ども/若者はこれからの長い人生なのだ。大空幸星氏は、恐らく、親切な人々/先生たちの数少ない援助/幸運を梃子(てこ)にして、現在の立場を獲得された。助言/施しの受け方も大切なのだ、世間には悪い鬼もいるが良い人も少なからずいることを教えている。大空幸星の原体験とその幸運を真似るべく/見習って欲しいし、良い人を探して、だからそれまで絶望はするなと。

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