奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1164)

2019-10-31 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

支離滅裂だが、少し愚痴ってみた。-----

国の支給する年金を当該人の所得と捉えて、地方税が賦課されるのは、税制の欠陥ではないかと考えている。他にも、折角出された報奨金にも所得として各種の税が課される。日本の税制は獲れる処から獲る(一説には泥棒からでも獲る)という情けも何もあったものではない仕組みとなっている。広く薄く賦課する意味合いの消費税も10%になってしまった。-------

健康保険料は今の処歯止めが掛かっているが、介護保険料はどこまで増額されることになるだろうか、法制上の歯止めが無さそうである。------

後期高齢者として75歳から95歳までの齢(よわい)を重ねると、その間の生活費として国から支給される年金だけでは賄いきれない生活資金として、余分に2000万円相当の預貯金が必要となるとの政府の試算が発表された。人生100年時代を迎えてそこまでどれだけの人数が生き延びるのか知れないが、自己責任として足らずは用意しておきなさいねと、親切なのか冷酷なのか教えてくれている。------

80/50問題としてクローズアップされている就職氷河期世代の生活苦が親世代の消滅とともに露呈すると考えられており遅まきながらそうした世代を対象に社会人採用を増やすように国は企業に求めているが、全部が生活保護に頼ることになっては堪らないと云うのが政府の本音だろう。-----

バブル崩壊以降、日本経済の落ち込みから、人生のレールから脱落した人達を多く産出し、非正規雇用だけの収入で結婚の出来ない若者を増産した訳である。その結果、その若者も次々と中年となり、50代に突入して来ているのだ。上はリストラで喘(あえ)ぎ、その子ども世代は就職難で、引き籠り家庭では、退職した親父の年金だけがその家族の生活費となっているのだ。-----

一方将来計画も出来ないカップルから生まれて満足な食事も与えられない家庭の子供たちに、子ども食堂を開いて地域の希望の灯をともしている例も、多々報道されている。国内の貧困をなくす政策が今一番求められているのではないかと、思った。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1163)

2019-10-30 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「好きになった人(梯久美子著・ちくま文庫2018刊/2013版の文庫化)」を読んだ。梯久美子(かけはしくみこ1961生れ)女史は、北海道大学(文学部)卒で、東京の企業に就職するが、2年後に編集プロダクションを起業。2001年よりフリーライターとして活動している。“散るぞ悲しき/硫黄島指揮官栗林忠道(2005)”が初めての単行本の出版であり、以後ノンフィクション作家として活躍している。-----

「好きになった人」は、梯久美子女史が雑誌のお仕事で有名人へのインタビュー記事を書いて来られた経験などから、作家芸能人などとても多くの人間の中から、梯久美子女史の心に残った人とそのエピソードについて想い出して書いてくれている本である。勿論、それだけではなくて、梯久美子女史の生い立ちもそれとなく書いておられて、鍵っ子であったとか、父親が自衛官で5歳の時に熊本から札幌に転勤し、鉄道で家族皆日本列島を大移動したから、今でも鉄道が大好きだと書いている。-----

“児玉清(1934~2011)”、“東君平(1940~1986)”、“森瑤子(1940~1993)”のお話など、この本のエッセイに登場する良い人は意外と早く亡くなっておられる気がした。梯久美子女史がとても好きな人だったのだろうきっと。------

「好きになった人」の前半は戦争絡みの話ばかりなのだが、なぜこのような分野に執心されるのだろうと考えた処、矢張り、父親が、陸軍少年飛行兵学校にいたときに終戦となり、戦後は自衛官となったことに、平和日本の中で自衛隊の職業に就いているその家族であることが些か引け目に感じられたことであろうと、邪推してみると分からなくもない。それを何らかの意味で、当時の人の想いを少しでもリカバリーしてあげたいと素直に思われた気持が、遺族に残された手紙や日記を読み解き、当時の苦難に思いを馳せてあげようとなさっているのだろう。でも此ればかりでは暗過ぎるので、後半は自身の身近な生活についてあっけらかんとしたエッセイを書いてくれている。特にネコの登場するエッセイには癒された。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1162)

2019-10-29 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「歌丸極上人生(桂歌丸著・祥伝社黄金文庫2015刊/2006版の文庫化)」を読んだ。桂歌丸(本名椎名巌1936~2018)氏は、中卒(市立横浜商業高校中退)で、1951年、古今亭今輔に入門した。1966年、“笑点”スタート時より出演。1968年、真打昇進。2004年、落語藝術協会会長。2006年、三遊亭円楽の勇退後、2016に自身が勇退するまで“笑点”司会者を務める。---------

生い立ちをもう少し辿ると次の通りである。1936横浜真金町に女郎屋(富士楼)を営む家に生まれる。1939父他界、祖母に育てられる。1945母の実家(千葉)に疎開。横浜大空襲で富士楼焼失。同10月祖母と横浜に戻る。1949中学入学。1951古今亭今輔入門。1952中学卒業。1953祖母他界。寂しさから女遊びに走る。1957近所の幼馴染と結婚。1964桂歌丸と改名。------

まえがきには身の程知らずの自叙伝を書くに至った経緯を短く書いている。“あたくし、人生を振り返っても、何かを発明したこともなく、善根なぞとは程遠く、ただ小さな頃からの夢であった噺家になれ、しかも半世紀以上も落語でおまんまを食べられ、ただそれだけで、満足していましたから、突然飛び込んできた此の度の本のお話に、正直最初はびっくりしました”、“拙い私の噺家のお仕事の後継ぎがこれからも育つように、その際に何かの参考にして貰えるのではと考えて、書かせて頂くことにしました”------

桂歌丸氏の落語家としての活躍は、テレビで知っていたが、その生い立ちを全く知らなかったので、この本「歌丸極上人生」は、とても手軽に読めばわかる桂歌丸氏のバイオグラフィーとして最上のものであると思った。廓で育ったなどとは、誰も書かないのだろうが、桂歌丸氏は隠さずに全部書いているようであり、恐れ入った。井原西鶴の好色一代男/世之介を彷彿とさせる書き出しは逸品である。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1161)

2019-10-28 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「なぜ人は騙されるのか~詭弁から詐欺までの心理学(岡本真一郎著・中公新書2019刊)」を読んだ。岡本真一郎(おかもとしんいちろう1952生れ)氏は、京大大学院(心理学専攻)博士課程を満期退学し、愛知学院大学(文学部)に奉職した。講師/助教授/教授を経て、現在は同大学(心身科学部)教授を務めている。専攻は社会心理学とのこと。------

「なぜ人は騙されるのか」では、岡本真一郎氏の生涯を賭けて取り組んで来られた心理学において、最大の疑問となる“世に蔓延(はびこ)る騙(だま)しのテクニック”について、余すことなく取り上げてそのような下劣な策におぼれないようにして下さいねと警告してくれている本である。読んだからといって直ぐに騙されない強い人間になれるかどうかは定かでないが、少なくとも知らないよりは知っていた方が良い事柄であると思った。丁度、手品師がネタをばらしてくれているかのように、解説が良く分かる箇所と、岡本真一郎氏自身も騙しのテクニックの味噌が分からないと注意を促しているものもある。健康食品の宣伝などはとても巧妙なので、法には触れないがぎりぎりの線でアピールするので引っかかる人が多くなるのだと云う。-----

そしてこの本の、最重要部は政治家の噓を暴いている事であり、現在進行形の安倍政権の不祥事を取り上げている処は、新聞と違って、出版社は強いなと思った。また、岡本真一郎氏の所属されている愛知学院大学が政府に忖度しなくても構わない立場にあるから出来ることなのだろうと思う程に、際どく追及しているのは流石だと思うのだ。------

振り込め詐欺などの対策も書かれているがカムフラージュに過ぎず、本当の真打は”狡賢い政治家の噓に騙されて日本が危ない道に引き込まれないように、何も知らない羊の国民である私たちは、この最も大切な政治の行方を騙されることなく見届けてダメなものはダメと云えるように努力したいものだ”と書いているのだ。----

心理学も“カフェウォールの錯視”くらいで驚いていては詰まらないのであって、トランプ大統領の噓を見抜ける位に確りと見分ける力を付けようではないかというのである。既に騙されている人達も目を覚ましなさいと激励もして下さっているのである。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1160)

2019-10-27 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「本と生きる(肥田美代子著・ポプラ新書2014刊)」を読んだ。肥田美代子(ひだみよこ1941生れ)女史は、大手前高校、大阪薬科大卒、1965白水貿易入社、1975薬局開業、1979児童文学作家デビュー、1989~2005社会党/民主党に所属し、参議院議員/衆議院議員を務める。“子どもの読書活動の推進に関する法律(2001)”の制定に係わり、その縁で、「本と生きる」が執筆されている。議員を退いてからは、大阪樟蔭女子大学教授を務めるなど、童話作家としての本分を児童教育研究の場で発揮されたようだ。-----

電子メディアの発達に伴い、タブレットやスマホなど電子媒体が紙ベースの図書を圧迫して来ている中で、子供たちの教育においては紙ベースの図書がどうしても必要だとの考えから、学校図書館の再整備(学校司書など)を法制化したのだそうである。-----

公立の小中学校図書館は閉鎖されている学校も多く、日本経済の低迷により税収が減ると真っ先に予算カットの対象となったようである。公立の学校では、エアコンのない学校も多く、文教予算の大方は私学助成であったりして、公立校の図書館にまでは手が回らない状況が続いているのだ。嘗て揃えられていた蔵書は古くなり、更新も儘ならず、閉館の憂き目をみていたのだ。-----

肥田美代子女史は、益々本を読まない若者が増える中で、子供時代からの習慣として紙ベースの本に親しむことが、大人になってからの読書の習慣のためには是非とも必要であると考えておられる。本の文字を寺子屋で憶えて日本は明治の文明開化を果たしたのであるという。有象無象の電子媒体から得られる膨大な情報は、自分で選り好みしなければならないが、紙の本ならその集約(編集と校正)が完成しているものが多いのであると。例に挙げておられるのは、アンデルセンの“マッチ売りの少女”であるが、誰しも子ども時代の絵本の一つや二つ知っていようと。親からの読み聞かせであろうと紙ならではの安心感が強いのだと云う。これこそ本物の本なのであると。

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