北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「交通誘導員ヨレヨレ日記~当年73歳/本日も炎天下朝っぱらから現場に立ちます(柏耕一著・発行/三五館シンシャ/発売/フォレスト出版2019刊)」を読んだ。柏耕一(かしわこういち1946生れ)氏は、大卒後、出版社/編集プロダクションに勤め、編集ライター業に従事してきた。現在は警備会社にて交通誘導員などをしている。-------
この本「交通誘導員ヨレヨレ日記」の目次は次の通り。“まえがき/最底辺の職業の実態”、“交通誘導員の多難な日常(トイレ掃除/通行止/猛女/お金の話/意気地なし/人は嘘をつく/最高齢警備員)”、“交通誘導員の喜びと悲しみ時々怒り(黄金譚/大失敗/花火大会/プライド/陽気な異邦人/パチンコ屋警備/職場放棄/承認欲求/夜勤明けの出来事)”、“どうしても好きになれない人(誘導ミス/たかが挨拶/駐車場警備/好きになれなかった人/警備員は歯が悪い/通報される人)”、“できる警備員/できない警備員(首振り人形/コミュニケーション能力/できない警備員/家宅捜索/枝道地獄)”-------
柏耕一氏は、37年前に設立した編集プロダクションが経営不振となり、会社清算をせざる得なくなった。出版の仕事をしても滞納している税金の回収で、税務署に徴収されてしまうため、生活費を稼ぐ必要もあり、警備員の仕事をするようになった。------
大多数の日本の警備員がこの本「交通誘導員ヨレヨレ日記」を書けるかと言うと、多分、文才も常識もなくて人様に読んでもらえるような仕上がりにはならないだろう。そう考えた柏耕一氏は、では自分が書こうと決めたのだそうだ。スキマでブルーオーシャンではないかと。確かにこの種の本は初めてかもしれないが、結局、同じ人間の綾なす世界だから、悩み事もよく似ていると思わせられた。