奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1469)

2020-08-31 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「ネイティブはたった100語で話している(デイビッドセイン著・光文社知恵の森文庫2016刊/2004版の文庫化)」を読んだ。デイビッドセイン(David Thayne 1959生れ)氏は、アメリカAzusa Pacific Universityで社会学修士取得。証券会社勤務を経て来日、30年近くに亘る英語教授経験を持つ。------

この本の目次は次の通り。

“on/all/with/this/it/about/have/will/one/if/up/no/time/here/what/any/so/back/may/do/like/there/who/get/see/just/how/now/make/help/well/day/would/work/best/where/need/go/good/way/take/know/should/right/want/long/come/off/too/look/give/better/let/why/never/keep/really/say/put/sure/easy/feeling/care/something/hard/tell/every/might/try/ask/enough/interest/mind/hope/bad/believe/sound/thank/fine/talk/wish/idea/hear/mean/break/wrong/wait/happen/sorry/worry/OK”---------

裏表紙の抜き刷り文は次の通り。Getやmakeなどの基本動詞、onやoffなどの前置詞、wouldやshouldなどの助動詞。ネイティブなら子供のときに覚えてしまう単語ばかりなのに、日本人にとっては使いこなしが難しいもの。でも本書で取り上げる100語をマスターすれば、言いたいことはほとんど表現できて、しかも難しい単語を使うよりずっと自然な英語に聞こえるのです。------

日本人英語教師の教える英語、すなわち受験英語とは、全く異なって、アメリカそのものの日常英語を教えてもらえる本だ。子供でも小学生でも読めそうな本であり、暗記してしまえばとても会話に役立つことだろうと思った。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1468)

2020-08-30 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「メタフィジカルパンチ/形而上学的一撃~形而上より愛をこめて(池田晶子著・文春文庫2005刊/1996版の文庫化/初出は群像諸君91~96)」を読んだ。(再読の気もする)池田晶子(いけだあきこ1960~2007)女史は、慶応大学(哲学科)卒。文筆家として日常の言葉で哲学を実践し、多くの読者/ファンがいた。-------

この本「メタフィジカルパンチ」の目次は次の通り。“メタフィジカルパンチ(ソクラテス/宮本顕治/福田恆存/埴谷雄高/吉本隆明/養老孟司/オウム/ニーチェ/田中美和太郎/同世代/ソフィー/現代思想解説/小林秀雄/医者/学者/サラリーマン/ヘーゲル/世界人類)”、“知の技法は画期的か”、“小林秀雄への手紙”-----

裏表紙の抜き刷り文は次の通り。昨今の哲学ブームに異議を唱える著者が有名無名を問わず一刀両断。人々はソクラテスの何を恐れて彼を殺したのか。養老孟司のいう“脳”とは何か。生きるのは死ぬよりなぜ良いのか。難解な哲学用語は使わず、分かり易く人間を読み解いた哲学的辛口批評集。------

頭の固い東大ではなく、上品で知的な慶応カラーを体現したような池田晶子女史の著作はこれからも読み続けられるだろう。この本が実質的に出版された1996年は、阪神淡路大震災/オウム真理教事件が起き、米ソ冷戦の終焉/日本経済の衰退が如実になる時期であって、戦後長く続いてきた価値観が見直しを迫られる状況にあった。------

池田晶子女史の、実は激しい言葉が巻末に次のように書かれている。極私的信条だがこの際なので言ってしまおう。信条なのだから誰に強いているわけでもない。私は思う、人が“自分とは何か”を知る前に子供をつくるのは罪悪であると。私は子供をつくらない。問いが残っているからだ。問いを残したまま別の人間をつくるわけにはいかない。これが私の人類に対する責任の感じ方である。“子孫により良い生活を約束する”、これは責任ではない。愚劣なる過ちの、永久的反復である。------

人を導けるものは、最後は言葉だ。全うな言葉の破壊力、それを私は知っている。各人が各人の頭でそこから考え始めるためのゼロを、私は創り出したいのである。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1467)

2020-08-29 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「患者よ医者から逃げろ~その手術本当に必要ですか(夏井睦著・光文社新書2019刊)」を読んだ。夏井睦(なついまこと1957生れ)氏は、東北大学(医学部)卒、東北大付属病院/相澤病院/石岡第一病院/練馬光が丘病院勤務を経て、現在は“夏井/傷と火傷のクリニック”院長である。------

この本の章立ては次の通り。“熱傷湿潤治療の夜明け/なつい式湿潤療法”、“標準的熱傷治療の問題点(熱傷特殊神話は熱傷標準治療の賜物/熱傷疼痛が諸悪の根源/皮膚移植術という前世紀の遺物/創感染という迷宮/合成界面活性剤の闇)”、“湿潤療法の実際”-------

相当に変わり者のお医者様がお書きになった火傷治療の最新事情の本である。新書なのに医学書のように症例写真が豊富に掲載されており、素人には驚いてしまう人もいるに違いない。------

“あとがき”のラストには、自身の変人振りを次のように書いている。スポーツはしないしスポーツ観戦もしない。ゴルフ/スキー/釣りもしない。海/山にも行かない。酒は好きだがきれいなお姉さんのいる店には興味がない。カラオケが嫌いでスナックも苦手。旅行に行こうという発想がないし、行きたい場所もない。行ってみたい海外の国もない。買い物に興味はなく、いつも同じような格好で歩いている。温泉の楽しみ方が分からず、湯船に入っても2分で飽きて出てしまう。映画も観ないし、小説も読まない。仕事をしながら音楽を流しているが真剣に聞いているわけではない。ピアノコンサートもオーケストラの演奏会にも興味がない。観劇/演劇にも興味がない。美術館にも行かない。ギャンブルに興味はないし、麻雀/将棋/囲碁/チェスもルールを知らない。宝くじも買わなければ、投資信託/節税/仮想通貨にも興味がない。過去の人間関係には思い入れも興味もないため同窓会に出席したこともない。自分に出来る僅かな事をする。それ以外は何もしない。嫉妬深く貪欲で移り気な暴君に仕えるために。-------

セザールフランク(1822~1890ベルギー生れの作曲家)の人生をリスペクトし、人類社会に本当に役立つ活動をしようと心底、真面目に生き、自身の仕事に真摯に向き合ってこられている。とても常人では真似のできない生き方である。小1でピアノ教本“黄バイエル”を独力でこなしてしまった力量の持ち主であり、丁度テレビで見る天才子役と同じ印象を抱いてしまうのだ。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1466)

2020-08-28 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「馬が動かした日本史(蒲池明弘著・文春新書2020刊)」を読んだ。蒲池明弘(かまちあきひろ1962生れ)氏は、早大卒、読売新聞に入社。退社後、歴史/神話にかかわる出版/著述活動を始めた。歴史ライターを名乗っている。-------

この本の章立ては次の通り。“馬の日本史のはじまり”、“巨大古墳と武士の文化/関西”、“火山と馬産地/九州”、“なぜ鎌倉に武士政権が誕生したのか/関東”、“南部馬その栄光と悲劇/東北”、“将軍の牧を駆け抜けた野馬たち”-------

扉の抜き刷り文は次の通り。日本に朝鮮半島から馬が持ち込まれたのは古墳時代の中期。その軍事的/経済的なインパクトによって、この国の形は大きく変わった。水田稲作が普及した後は、西日本にあった国の軸が、東日本へと傾き始めたのだ。巨大古墳の造営/武士の誕生/武士政権の成立など、この国の歴史は馬が動かした。-------

蒲池明弘氏は、気軽な読み物として、この本「馬が動かした日本史」をお書きになったようだ。蒲池明弘氏の相当に高い日本史の知識をベースにして、日本全国に実地調査をしながら馬の文化を歴史を追って解説してくれているのだ。-------

騎馬民族征服王朝説論争で馬の去勢文化が日本に根付いていないことが、否定説の論拠となった話などが登場するのかと期待したが、これには触れておられない。また、現代の競争馬のようなサラブレッドの話も全く出てこない。面白いことは面白いが、全体的なボリュームの割りに、起承転結の無い寄せ集めの内容の本となっているのは、仕方が無いのだろう。------

これまでに見聞きしてきた日本の馬の歴史としては、かなり纏まった新書となっているのは確かだ。魏志倭人伝によれば邪馬台国には馬はいなかった。でもその後、馬の輸出国になると記紀に書かれていることを紹介されている。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1465)

2020-08-27 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「閉ざされた扉をこじ開ける~排除と貧困に抗うソーシャルアクション(稲葉剛著・朝日新書2020刊/初出は朝日新聞論座連載記事)」を読んだ。稲葉剛(いなばつよし1969生れ)氏は、東大(教養学部)卒、2001湯浅誠氏と自立生活サポートセンターもやい設立、2009住まいの貧困に取り組むネットワーク設立、現在は“一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事”である。立教大学客員教授も務めている。-----

この本の章立ては次の通り。“見えない人々/社会的排除とは何か”、“2020東京五輪の陰で排除される人々”、“世代を越えて拡大する住まいの貧困”、“最後のセーフティネットをめぐる攻防”、“見えなくさせられた人たちとつながる”、“閉ざされた扉が開いても/社会的包摂を越えて”-------

扉の抜き刷り文は次の通り。大人の貧困は自己責任という不寛容が日本社会を覆っている。日々の寝泊りにも困り、生活に困窮している人々が自ら声をあげにくい風潮は益々強まっている。住居を喪失した人が失うのは、生活の基盤となる住まいだけではない。その果てにあるのは、生存そのものが脅かされる恐怖だ。20年以上、現場を見て歩いてきた社会活動家が社会的に排除された側からこの国を見つめなおす。-------

2019時点で207万人の生活保護受給者の背景には生活保護基準以下の生活にも拘らず、生活保護制度を利用できていない人たち700~800万人の存在が厳然として存在するのが日本の社会福祉制度の実態なのだ。稲葉剛氏は弱い立場の人たちの側から日本の制度を見つめて、その至らなさに憤りを感じておられるのだ。その内容を具(つぶさ)に調べて書いておられる。全国の市町村の福祉事務所の水際での貧困者への冷酷な仕打ち(窓口の扉を閉ざして貧困者をシャットアウトしてきた福祉制度の実態)を一つ一つ追及して改善を求めてこられた。もう一つこの本では、生活保護制度の欠陥として貧困者の住居の確保が当人任せの点を福祉事務所の仕事に改めるべきだと強調している。最後のセーフティネットといわれる生活保護制度が自民党政権となってより2回も支給費削減を行っており、これも冷たい仕打ちの一つだと声を荒げておられる。------

稲葉剛氏は東大でのエリートであるのだが、権力に寄り添う仕事には就かずに、貧困者を助ける仕事に寄り添ってこられたとても心優しい優れた心根の人物である。このような人が一定数まだ日本に居られることが救いに思えた。

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