「君たちはどう生きるかの哲学(上原隆著・幻冬舎新書2018刊)」を読んだ。上原隆(うえはらたかし1949生れ)氏は、立命館大学(哲学科)卒にて、PR映像制作会社、“思想の科学”編集担当等を経て、現在は執筆活動に専念している。エッセイスト・コラムニストでもある。-----
「君たちはどう生きるかの哲学」は吉野源三郎(1899~1981)の不朽の書「君たちはどう生きるか(1937発刊~刊行後80年を過ぎても読み継がれている)」を鶴見俊輔(1922~2015)の哲学を補助線にして深く読み進めている。-----
第二次大戦を挟んで、思想的転向を知識人はどのように行動し自分を納得させたのかについて、豊富な事例を上げて下世話とも云える視点から解説している。------
先の大戦においては大多数の国民が小数の支配層エリートの巧妙な洗脳を受けて、自ら死地に赴いた気配があるが、その事の表裏を隠さずに追求してくれている。そのような無謀な事態に陥らないためには“どう生きれば宜しいのか”と云う哲学的命題が日常茶飯事の中で論究されている。戦前にも確かな誠実なエリートが居たことはいたのだが、その声はともすれば掻き消されて、政治に届かなかった。虚しい気持が先行したであろう人々だが、戦後も弛まず、活動を続けて居られたのだが果たして後進は育ったのだろうか。このような問い掛けを繰り返し本書「君たちはどう生きるかの哲学」の著者・上原隆氏は何時かはこのような問いに答えられる若者が増えることを願っているようであった。
「君たちはどう生きるかの哲学」は吉野源三郎(1899~1981)の不朽の書「君たちはどう生きるか(1937発刊~刊行後80年を過ぎても読み継がれている)」を鶴見俊輔(1922~2015)の哲学を補助線にして深く読み進めている。-----
第二次大戦を挟んで、思想的転向を知識人はどのように行動し自分を納得させたのかについて、豊富な事例を上げて下世話とも云える視点から解説している。------
先の大戦においては大多数の国民が小数の支配層エリートの巧妙な洗脳を受けて、自ら死地に赴いた気配があるが、その事の表裏を隠さずに追求してくれている。そのような無謀な事態に陥らないためには“どう生きれば宜しいのか”と云う哲学的命題が日常茶飯事の中で論究されている。戦前にも確かな誠実なエリートが居たことはいたのだが、その声はともすれば掻き消されて、政治に届かなかった。虚しい気持が先行したであろう人々だが、戦後も弛まず、活動を続けて居られたのだが果たして後進は育ったのだろうか。このような問い掛けを繰り返し本書「君たちはどう生きるかの哲学」の著者・上原隆氏は何時かはこのような問いに答えられる若者が増えることを願っているようであった。