奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1720)

2021-05-09 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「京大式へんな生き物の授業(神川龍馬著・朝日新書2021刊)」を読んだ。神川龍馬(かみかわりょうま1981生れ)氏は、京大(農学部)卒、同大学院(農学研究科)博士後期課程修了。カナダ・ダルハウジー大学研究員/京大助教を経て、現在は京大(農学b研究科)准教授である。-------

この本の目次は次の通り。“人間は割とカビに近い/微生物と人間と進化(動物か植物か/細胞の中身で分ける/ミクロの世界を切り開いた変人/役に立つのかに興味はない/海苔と昆布は同じ仲間か/多様すぎる真核生物/全ての進化は偶然から)”、“他力本願ですが何か(我々は微生物の世界にお邪魔している/乏しい栄養でも動物たちが生きていける理由/究極の偏食者のずるい戦略/微生物と植物のお見合いシステム)”、“ミクロの世界は失敗だらけ(酸素の地球史/熾烈な海の下克上/敗者の存在で成り立つ多様性/動物と植物の中間のウミウシ)”、“成功を捨て去る生き物(海はパーフェクトビーストだらけ/光合成しない奇妙な植物/我々は光合成する生き物になれるか)”、“正体不明の微生物たちとブレークスルー(寄生の起源はどこにあるか/持ち主不明の遺伝子/葉緑体への道のりを辿る/世界は培養できない生き物だらけ)”、“全ての進化はノープランから(カビのように生きる/凄い進化は偶然から/性がある単細胞/壮大な微生物たちのループ/生き物の定義はまだ分からない)”-------

神川龍馬氏は、分子生物学の道具を携えた京大農学部の若いエースであるようだ。この本も、小中高の生物の教科書のようでもあり、とても面白い。嘗ての生物学は分類的/博物学的で通底する理論がない故に、個々で特論的だったのだが、今や分子生物学の威力は素晴らしいのだ。どこでも切り込めるとは云うものの、その理解は頗る難しい。だからこそ神川龍馬氏は嘱望されているのだろう。研究の成果が続出するのは、今後のことであろうが、期待して待っていようと思わせられるのだ。

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