奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その2533)

2023-07-31 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「あの航空機事故はこうして起きた(藤田日出男著・新潮選書2005刊)」を読んだ。藤田日出男(ふじたひでお1934生れ)氏は、1956大阪府立大学(農学部/獣医学科)卒/1958運輸省航空大学校卒/同年日本航空入社。パイロットとしてコンベア880/ダグラスDC8に乗務。1987英国クランフィールド工科大学で航空事故調査のマスタークラスに学ぶ。1994同社退社。“日本乗員組合連絡会議”事故対策委員を務めた。----------

この本「あの航空機事故はこうして起きた」の目次は次の通り。“日航123便ジャンボ墜落事故”、“コメット機事故調査に学ぶ安全”、“ボーイング377/ストラトクルーザーの不時着水”、“世界最大の死者/ロスロディオス空港ジャンボ衝突事故”、“DC10スーシティ事故が見せた41分間のドラマ”、“英国航空9便/ジャンボ40分間の苦闘”、“名古屋空港/中華航空エアバスA300墜落事故”、“羽田沖/全日空ボーイング727墜落事故”---------

この本「あの航空機事故はこうして起きた」の内容紹介文は次の通り。飛行機が墜ちるには訳がある。完璧に思えた設計思想も/ミスなど起こす筈のないベテラン操縦士にも死角はあった。“日航123便ジャンボ機墜落事故”から“羽田沖全日空ボーイング727墜落事故”まで/内外の巨大旅客機事故を俎上に/元日航パイロットがその原因に迫る。生と死の狭間に機械と人間が織り成す運命のドラマ8本。----------

藤田日出男氏は、異色の経路で旅客機パイロットとなっておられる。体育会系のパイロットではなく/理知的なセンスのあるパイロットであったようだ。この本「あの航空機事故はこうして起きた」の白眉は第1章の“日航123便ジャンボ墜落事故”である。しかしながら・その内容は/霧に包まれたように/要を得ない形で終わっている。何が理由かは分からないが/著者は調査委員会の扱った証拠資料を見せてももらえなかったと/そのことが残念だと書いておられる。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その2532)

2023-07-30 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「日本列島大変動~巨大地震噴火がなぜ相次ぐのか(後藤忠徳著・ポプラ新書2018刊)」を読んだ。後藤忠徳(ごとうただのり1969生れ?)氏は、1991神戸大学(理学部/地球科学科)卒/同大学院修士課程修了/京大大学院(理学研究科)にて/1997博士号取得。東大/愛知教育大/海洋研究開発機構/2008京大(工学研究科)准教授を経て、2019兵庫県立大学(生命理学研究科)教授。陸上や海底での物理探査を専門とし/活断層や海底資源の調査を実施。著書に“海の授業/地底の科学”がある。----------

この本「日本列島大変動」の内容紹介文は次の通り。独自の技術で海底調査を行う研究者が/地震や噴火のメカニズムを分り易く解説。避けることのできない地震や噴火の災害に/どう対処すべきかを語る。日本を襲う巨大地震/火山噴火の脅威/全ての鍵を握る地底の今に迫る。2011東日本大震災/2016熊本地震/日本を襲う大地震は確実に増え続けている。近いうちに必ず起こるとされる南海トラフ地震/首都直下地震などの巨大地震/また各地で活発化している火山噴火は/大きな脅威となっている。日本列島の地底で何が起こっているのか/避けることの出来ない地震や噴火にどう対処すべきかを語る。自然災害の脅威に備える役立ち情報も満載。日本人必読の書。----------

後藤忠徳氏は、50歳で教授職に就任されている。この本はその直前に書かれている。一般に理学部/地球科学系研究者は/工学系のように統計学を駆使する人は少なく/計算計量を重視しない人が多い。でも後藤忠徳氏は/かなり踏み込んだ予測を提示して下さっている。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その2531)

2023-07-29 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「定年前と定年後の働き方~サードエイジを生きる思考(石山恒貴著・光文社新書2023刊)」を読んだ。石山恒貴(いしやまのぶたか1964生れ)氏は、1988一橋大学(社会学部)卒/法政大学大学院(政策創造研究科)修了/博士(政策学)。NEC/GE/ライフサイエンスを経て/法政大学(政策創造研究科)教授。越境的学習/キャリア形成/人的資源管理を研究。----------

この本「定年前と定年後の働き方」の目次は次の通り。“シニアへの見方を変える(エイジズムの罠)”、“幸福感のU字型カーブとエイジングパラドックス”、“エイジングパラドックスの理論をヒントに働き方思考法を考える”、“主体的な職務開発のための考え方(ジョブクラフティング)”、“組織側のシニアへの取り組み”、“シニア労働者の働き方の選択肢”、“シニアへの越境学習のススメ”、“サードエイジを幸福に生きる”-----------

この本「定年前と定年後の働き方」の内容紹介文は次の通り。少子高齢化と長寿化の進行は/人生100年時代と呼ばれる環境の変化を齎した。労働力調査によれば/2021の労働力人口は日本の職場の3割以上が55歳以上の労働者で占められていることを示している。だが/これまで日本ではシニアの働き方に対して組織側の施策に焦点があたることが多く/個人の働き方として/どのような戦略を取るべきかについて/論じられてこなかった。“定年後の生き方”を解説するものは多いが/継続して働き続ける方法を解説したものは少ない。定年前と定年後をどう働くのか。ここでの働き方に“人生で最も充実した幸福な時期を実現する可能性がある”と説く著者による/これまでにない一冊。-----------

石山恒貴氏は、一度社会に出られた後に、アカデミックな世界に戻られたようだ。人事労務の仕事の経験を生かした研究テーマ上の問題をこの本「定年前と定年後の働き方」に書いておられる。余り焦点が絞られているようには見えないが/この分野の競争相手は少ないのであるようにも思った。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その2530)

2023-07-28 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「本棚から猫じゃらし(群ようこ著・新潮文庫1997感/1994版の文庫化)」を読んだ。群ようこ(むれようこ1954生れ)女史は、日大(芸術学部)卒。6回の転職を経て、“本の雑誌社”勤務時代にエッセイを書き始め/1984“午前零時の玄米パン”を刊行/独立する。著書に“鞄に本だけつめこんで/日常生活/膝小僧の神様/無印おまじない物語/猫と海鞘/群ようこ対談集解体新書/かつらスカーフ半ズボン/またたび回覧版”がある。-----------

この本「本棚から猫じゃらし」の目次は次の通り。“子供なんかいらない(網野菊/冷たい心/ひとり暮らし)”、“大阪が好きだから(織田作之助/六白金星)”、“老いと付き合う方法(岡本かの子/老妓抄)”、“おやじの悲劇(田山花袋/少女病)”、“前世が知りたい(藤江静男/田紳有楽)”、“自分の肉体をおもちゃにすれば(芥川龍之介/鼻)”、“面倒を懸ける側の視点(正岡子規/仰臥漫録)”、“結婚って何(仲町貞子/叔母梅木久子)”、“そこは弱いの(宮沢賢治/よだかの星)”、“お金の上手な遣い方(川崎長太郎/抹香町)”、“不倫の噂は楽しいが(黒岩涙香/弊風一班/畜妾の実例)”、“大人の都合なんか知らない(吉川英治/忘れ残りの記)”、“下ネタは奥深い(宮本常一/忘れられた日本人)”、“ストレスがやってきた(内田百閒/山高帽子)”、“小さいままでいたいけど(獅子文六/悦ちゃん)”、“他人の食事が気になる(子母沢寛/味覚極楽)”、“惚れると不幸になる男(石川啄木/ローマ字日記)”、“ペットが死ぬ時(夏目漱石/猫の墓)”、“サンショウダユウは誰だ(森鴎外/山椒大夫)”、“年寄り相手と言いながら(渡辺一夫/ある老婆の思い出)”、“あとがき”、“解説(香山二三郎)”----------

この本「本棚から猫じゃらし」の裏表紙の抜き刷り文は次の通り。達人が名作を読めば/漱石からはペットとの正しい付き合い方を学びとり/鴎外では小遣いを巻き上げた憎っくき親父が脳裏に浮上。群流文学講座第3弾/開講です。----------

群ようこ女史/作家デビューして10年の節目/御年40歳の意気軒昂なエッセイが書かれている。とても面白い。初期の作品がお好きなファンも多いとのこと/分る気がした。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その2529)

2023-07-27 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「大極殿の誕生~古代天皇の象徴に迫る(重見泰著・吉川弘文館2023刊)」を読んだ。重見泰(しげみやすし1977生れ)氏は、2000奈良大学(文学部/文化財学科)卒/2006同大学院(文学研究科/文化財史料学専攻)博士後期課程単位取得満期退学/2009博士(文学)。現在/奈良県立橿原考古学研究所研究員。著書に“新羅土器からみた日本古代の国家形成/日本古代都城の形成と王権/飛鳥宮王宮と王都”がある。----------

この本「大極殿の誕生」の目次は次の通り。“プロローグ(都城研究/飛鳥宮の新しい視点)”、“天武の王宮を探る”、“大極殿の創出”、“天皇の正統性”、“天武持統の都城構想”、“”、エピローグ(大極殿のその後)---------

この本「大極殿の誕生」の内容紹介文は次の通り。古代都城の中心であり/律令国家を象徴する巨大建築・大極殿。天武は天皇を頂点とする統治体制の重要な舞台として大極殿を創出しながら/王宮造営は未完に終わった。新王宮より前に大極殿を必要とした背景には何があったのか。小墾田宮から藤原宮まで王宮構造の変遷を辿り/飛鳥宮跡を新視点で再考。都城や陵墓から知られざる政治構想に迫る。----------

重見泰氏は、46歳で脂の乗った時期になっておられる。奈良県内の考古学界隈の縄張りが/藤原京&平城京は奈良文化財研究所の担当/重見泰氏の所属されている橿原考古学研究所の場合は、飛鳥京を担当している。だからこの本「大極殿の誕生」に書かれているのは/明日香村に造営された大極殿を対象としているのだ。考古学のように具体的な研究フィールドが大切な学問の場合は/其処に近付くのさえ難しいのだ。

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