北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「あの航空機事故はこうして起きた(藤田日出男著・新潮選書2005刊)」を読んだ。藤田日出男(ふじたひでお1934生れ)氏は、1956大阪府立大学(農学部/獣医学科)卒/1958運輸省航空大学校卒/同年日本航空入社。パイロットとしてコンベア880/ダグラスDC8に乗務。1987英国クランフィールド工科大学で航空事故調査のマスタークラスに学ぶ。1994同社退社。“日本乗員組合連絡会議”事故対策委員を務めた。----------
この本「あの航空機事故はこうして起きた」の目次は次の通り。“日航123便ジャンボ墜落事故”、“コメット機事故調査に学ぶ安全”、“ボーイング377/ストラトクルーザーの不時着水”、“世界最大の死者/ロスロディオス空港ジャンボ衝突事故”、“DC10スーシティ事故が見せた41分間のドラマ”、“英国航空9便/ジャンボ40分間の苦闘”、“名古屋空港/中華航空エアバスA300墜落事故”、“羽田沖/全日空ボーイング727墜落事故”---------
この本「あの航空機事故はこうして起きた」の内容紹介文は次の通り。飛行機が墜ちるには訳がある。完璧に思えた設計思想も/ミスなど起こす筈のないベテラン操縦士にも死角はあった。“日航123便ジャンボ機墜落事故”から“羽田沖全日空ボーイング727墜落事故”まで/内外の巨大旅客機事故を俎上に/元日航パイロットがその原因に迫る。生と死の狭間に機械と人間が織り成す運命のドラマ8本。----------
藤田日出男氏は、異色の経路で旅客機パイロットとなっておられる。体育会系のパイロットではなく/理知的なセンスのあるパイロットであったようだ。この本「あの航空機事故はこうして起きた」の白眉は第1章の“日航123便ジャンボ墜落事故”である。しかしながら・その内容は/霧に包まれたように/要を得ない形で終わっている。何が理由かは分からないが/著者は調査委員会の扱った証拠資料を見せてももらえなかったと/そのことが残念だと書いておられる。