奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その188)

2017-02-28 09:44:19 | 奈良・不比等
「国営・平城宮跡歴史公園」の「整備・管理運営プログラム(案・平成32年までの計画)」への「意見(パブリックコメント)募集」が行われている。(平成29年2月10日~3月9日)-------
「平城宮跡歴史公園」とは別に朱雀門の南西・右外側の旧セキスイ工場跡地に奈良県が整備中の「観光交流拠点施設(レストラン・カフェ・物販施設あり)」は平成30年春以降開業予定のようであり、指定管理者の募集を始めるとのこと。従来は第3セクターに拠ることが多かったが、昨今は地方公共団体も民間ベースに頼る方が経済的であることが分かってきたのだろう。奈良県に収益を齎(もたら)してくれるかどうかは分からないが、赤字になることはないだろう。------
「平城宮跡」も名勝地指定だけで予算の少ない文化庁任せでは何時までも整備が出来ないので荒井正吾・知事は奈良県もその余裕が無いため平城宮跡を国営公園化して国交省に整備を委ねた。唯(ただ)、平城宮跡の外に位置する朱雀大路の西地区にあったセキスイに移転をして貰い購入した土地は県費で「平城宮跡歴史公園・観光交流拠点施設」として整備している訳である。柿本善也・前知事が然(さ)したることを何も為(な)さらなかったのに較べ、「平城遷都1300年祭」にしても、その後の「平城宮跡」の整備にしても長らくの経済不況の逆風の中、荒井正吾知事の財政工面の苦労は並大抵ではないのだろう。------
「国営・飛鳥歴史公園(昭和46年)」が先行していたのだから、「平城宮跡」も国営化しようとすれば出来ただろうに柿本善也氏は自治省出身でご存じなかったのだろうかと疑ってしまう。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その187)

2017-02-27 09:09:53 | 奈良・不比等
「まちづくりの哲学(蓑原敬みのはらけい・宮台真司みやだいしんじ著・代官山ステキなまちづくり協議会編・ミネルヴァ書房2016刊」」を読んだ。-------
建築家と社会学者の都市計画に関する単なる対談かと思ったら、「まちづくりの哲学」の題字の通り人間存在の根源に係わる哲学論議にまで及んでいる。--------
近著なので、現今の世界情勢の中に日本の置かれた状況の説明もあり、地方創生(ちほうそうせい)を進めるための施策に日夜、知恵を絞られている地方公務員の方々には是非とも座右において熟読して貰いたい書籍であると思った。------
蓑原敬(1933生まれ)氏と宮台真司(1959生まれ)氏は27歳差があるので議論が噛み合っているとは言えないが、お二人とも日本を代表する知識人(東京大学卒)であり、出身高校も修猷館(しゅうゆうかん)高校と麻布(あざぶ)高校であり、申し分ない。------
特に蓑原敬氏は奈良県・十津川村のまちづくりにも参画されたことがあるようで、奈良県には縁が深そうである。宮台真司氏は飛鳥・奈良時代の律令制度に係る知識の造詣もお有りだろうが、諸般の事から言及を避けておられるに違いなく、奈良県の将来計画を構想するにはとても有力で頼りになる人だろうと思われる。残念ながら宮台真司氏は首都大学東京の教授を為(な)さっているので、奈良県のお仕事を手伝ってもらう訳には行かない。-------
蓑原敬氏が「まちづくり」のためには「エリートの養成」が大事だといい、宮台真司氏は「ファシリテーター(facilitatator)」が必要だと云う。但し、NPO(Nobody’s Perfect 子育て支援プログラム)のファシリテーターではないので注意が必要である。
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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その186)

2017-02-26 09:19:47 | 奈良・不比等
世界遺産・古都奈良に「リニア新幹線(大阪延伸)」が開業(最短2037年)した後の未来予測をして、近畿日本鉄道の「大阪と名古屋を結ぶ名阪特急」は真っ先に不用になってしまうではないかと要らぬ心配をしてしまった。-------
嘗(かつ)て東海道新幹線が開通すれば「近鉄・名阪特急」は用済みとなるとの予測がされたが、所要時間と運賃のバランスで何とか存続してきた。その代りに、「国鉄・関西本線」は急行列車も走らない全くのローカル線になってしまった。-----^
江戸時代の陸路であった東海道や伊勢街道は現在ではハイキングコースに成り下がっている。勿論これは明治政府の熱心な鉄道敷設奨励策によるものであったろう。鉄道網は従来の街道ルートとは異なることが多く、街道沿いの宿場町は衰退してしまった。鉄道だけではなく戦後の道路網の整備も旧来の集落と旧街道を避けて計画されるために旧村を過疎に追いやることになって仕舞った処が多い。------
奈良県内で見れば、宇陀市(うだし)の場合は伊勢街道が通っており古代から栄えてきた。隣県の名張市は近鉄の開通により新興住宅地が開発されるなど宇陀市の衰退よりはましに見える。神武天皇が大和の地に攻め込んだルートである熊野から吉野・奈良を繋ぐ国道169号線と大水害のあった十津川ルートの国道168号線は漸く高規格道路への改良工事が始まったばかりである。国道168・169号線は紀伊半島の木材搬出には活躍しただろうが、この沿線は人間が密に住める地域では無い。今と成っては観光ルートの周遊に適するように整備することと、国産木材資源の確保、更には奈良盆地や大阪平野の水源涵養林としての機能が重要視される程度ではあるが、近畿地方を南から太平洋岸特有の気候を緩和もして呉れており、もっと云えば南海トラフの巨大地震の近畿内陸部への影響も少なくしてくれるものと考えられている。-------
国土庁が日本列島改造計画を策定していた経済成長期からバブル経済崩壊後の2001年まで日本列島を跨(また)ぐ国土総合開発計画が模索された。渥美半島から紀伊半島を通り、四国を経て九州に亘(わた)る第2国土軸なる名称の元、伊勢湾口・紀淡海峡・豊予海峡を海底トンネルで抜く交通網の整備が実現性を帯びた時期がある。その後の経済構造の変化によりグローバル化する世界の中では日本一国の中だけに目を向けるのではなくて世界を見渡せば、加工貿易のための生産拠点は幾らでも海外に調達できることが分かり「日本列島改造計画」は霧散してしまった。其れとともに五新線の計画も店晒(たなさら)しと成りJR発足とともにその使命を終えた。------
奈良県では紀伊山地の利用のため、スイス・ベルン州と友好提携し山国スイスの先進事例を学習しようと考えている。何事も真似(まね)から始めるのが手っ取り早いのであり、そのような拙速を恥(はじ)と思う必要は無い。多分、荒井正吾・奈良県知事のお智恵の様な気がするのは間違いではないだろう。
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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その185)

2017-02-25 09:26:00 | 奈良・不比等
爆笑問題(太田光・田中裕二)とアシスタント(サヘル・ローズ)が一緒に「世界遺産・古都奈良の薬師寺(やくしじ)」を訪れるNHK総合の番組(探検バクモン・28分)の再放送を観た。東塔を解体修理中の現場に潜入し美術の教科書を上回る内容が紹介されて、事前の丁寧な取材をしていたのだろうか説明も分かり易かった。------
爆笑問題の突っ込みもそれ程なく教養番組として落ち着いて観られた。流石(さすが)に1300年前の創建時代の東塔であり、爆笑問題の二人も実物を前にしては口数も少なく成らざるを得なかったように見受けられた。「シロアリに蝕(むしば)まれた心柱(しんばしら)」や「30cmを超える鉄釘(てつくぎ)」を見て、「当時の最先端技術であったのでしょうね」との感想を漏らすのが精一杯と云ったところでした。-------
「ブラタモリ」でも古都奈良は放送されたが、一般の人の普段見ることの出来ない処にカメラを入れて取材された番組は確かに面白い。NHKの地方局が全国番組に取り上げられて活躍できるチャンスでしょうから、日頃の取材は大切ですね。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その184)

2017-02-24 00:18:15 | 奈良・不比等
奈良県の平成29年度予算案(4778億円・内:退職手当を含む給与人件費1492億円・公務員定数16840人:県庁職員・教職員・警察官)が発表された。奈良市の平成29年度予算案(1277億円)も発表された。奈良市は中核市に位置付けられているので、奈良県の予算的な関与は少なくて済むのだろうが、「奈良県民(135万人)」に対して「奈良市民(36万人)」の比率に略(ほぼ)適(かな)っているようだ。-------
予算案の内訳を見ると、人件費など固定費が大部分であり、新規事業などに回す費用は意外と少ないことが分かる。全体の5%あれば御(おん)の字(じ)であり、その中で、奈良県は大宮通り沿いに平城宮跡から奈良公園に至るルートを整備しようとしている。また奈良市は近鉄奈良線の大和西大寺駅北側を整備するとしている。------
日本は中央集権のため地方には権限を実際上与えずに都道府県の行う事業に国の補助金を交付する遣り方で統治の要諦(ようたい)を手放さずにいる。ために都道府県は多くの吏員を雇わねばならず非効率な面が多い気がする。地方が独自予算を得られる構造にしなければ地方創生も中々に掛け声だけになって仕舞うに違いない。公営ギャンブルも売り上げが伸びず奈良県営の競輪事業も収益が芳しくないようだ。バブルの崩壊で第3セクターに出資する形での地方公共団体の事業参加はこれまで特別会計の赤字続きで「懲(こ)り懲(ご)り」と云った処だろう。昨今の、観光振興、それもインバウンド・ツーリズムによる観光収入に熱い期待が向くのも止むを得ない。-------
日本全体から見れば、奈良県は将来に期待が大きい県であると思われる。リニア新幹線のルート上にあること、関西文化学術研究都市の一角を占めていること、世界遺産を県内に3箇所も持っていること、奈良県北部の新興住宅地では6人に1人(ひとり)の高校生が東大・京大に進学すると云われる程全国一教育レベルの高い県であることなど、他の府県の羨望(せんぼう)の的(まと)になって然(しか)るべきとも云える位である。

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