奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その2441)

2023-04-30 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「何もしないほうが得な日本~社会に広がる消極的利己主義の構造(太田肇著・PHP新書2022刊)」を読んだ。太田肇(おおたはじめ1954生れ)氏は、神戸大学大学院(経営学研究科)修了/京大(経済学)博士。公務員を経験後/滋賀大学(経済学部)教授を経て、2004同志社大学(政策学部)教授。専門は組織研究/組織論/組織社会学。著書に“同調圧力の正体/日本人の承認欲求/承認欲求の呪縛/超働き方改革/個人尊重の組織論”など多数。---------

この本「何もしないほうが得な日本」の目次は次の通り。“まえがき(合理的な選択としての/何もしない)”、“日本社会で起きている/保身のリアル”、“組織における/挑戦と保身のコスパ”、“挑戦の足を引っ張る/人間関係”、“消極的利己主義は/何故蔓延したか”、“する方が得/な仕組みへ”、“あとがき(何もしないほうが得/を超えて)”--------

この本「何もしないほうが得な日本」の内容紹介文は次の通り。貧しい日本/働かないおじさん/無気力な若者/進まない女性活躍。実態とは裏腹に/失敗を恐れないチャレンジ/イノベーション/といった威勢のいいスローガンが空しく響く。何故ここまでに理想と現実が懸け離れてしまっているのか。乖離の理由は/多くの日本人が消極的利己主義/すなわち自己利益と保身のために/現状を変えないほうが得だ/という意識を潜在的に持っているためだ。敢えて口にはしなかった日本人の胸裏に隠されたタブーを/本書は大規模アンケート調査により浮き彫りにする。その背景にある/全体主義のパラドックス/についての打開策を提示する。---------

太田肇氏は、向上心が強かったのか/教授職ポストを獲得された。そして専門の組織論はご自身の処世術の裏返しではないかとも思った。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その2440)

2023-04-29 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「発光地帯(川上未映子著・中公文庫2014刊/2011版の文庫化)」を読んだ。川上未映子(かわかみみえこ1976生れ)女史は、2007デビュー小説“わたくし率イン歯または世界”で坪内逍遥奨励賞受賞。2008“乳と卵”で芥川賞/2009詩集“先端でさすわさされるわそらええわ”で中原中也賞/2010“ヘブン”で芸術選奨新人賞/紫式部文学賞/2013詩集“水瓶”で高見順賞/“愛の夢とか”で谷崎潤一郎賞受賞。--------

この本「発光地帯」のエッセイ集の目次は次の通り。“スノードーム前々夜/濡れた髪もあたらない/私はあなたに感謝します/眠り号/世は全てことも無し/錠剤に色を付けるとすれば/七時半になって夜が来た/冷蔵庫を冷やす/お餅は余り好きではない/世界なんか私とあなたで止めれば良い/春の会/今日は夜”、“四月の足/夢のある話/居なくなるのは人ばかり/うっとりを頭に載せて/黄金の犬/渋谷って上手く歩けない/祝祭に満ちて/風の足”、“コールドチョコレート/世界クッキー/僕らは麦だよ/素敵な化粧品売り場/夕暮れる喉の痛み/鉄が足りません/試す/鞄の一番底に置く/薔薇は生きてる/風は光ったりしない”、“記念切手/淡い記憶の鈴っぽく/豆腐の退屈/詩ったら/子どもの足の裏の理念/さよならの機能/楽しいですか十二月/はっきり悲しい/連続するのはジャスミンティー/永久運動は/発光地帯/皆生きてる奇跡”--------

この本「発光地帯」の裏表紙の抜き刷り文は次の通り。不図/目覚め/大好きな少女漫画で一回きりの人生を思う深夜。謎の沈黙に耐え抜いた十五歳の初詣。記念切手をくれた友人へ/お礼の物まねを繰り出せば/“純愛における自死”について逡巡もする。日常の皮をむき/全く新しい/肌触りを味わう/芥川賞&谷崎潤一郎賞作家の日記的エッセイ。---------

川上未映子女史の文体は、歌手だった前歴が影響しているのか/詩にしても小説/エッセイにしても/口ずさみたくなる歌詞というか台詞に満ちている。年齢を重ねる中で/落ち着きのあるものに変化するのかどうか/ファンは付き合うしかないのだろう。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その2439)

2023-04-28 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「人事ガチャの秘密~配属異動昇進のからくり(藤井薫著・中公新書ラクレ2023刊)」を読んだ。藤井薫(ふじいかおる1975?生れ)氏は、上智大学(経済学部/経営学科)卒。電気メーカーの人事部/経営企画部を経て/総合コンサルティングファームにて/20年に亘り/人事制度改革を中心としたコンサルティングに従事。その後/タレントマネジメント(開発ベンダー)に転じた。2017パーソル総合研究所に入社(シンクタンク本部/主任研究員)/タレントマネジメントを調査研究/人事専門誌への寄稿多数。----------

この本「人事ガチャの秘密」の目次は次の通り。“御社の異動はどのタイプ(若手社員の配属/育成のヒミツ)”、“御社の人事部は何してる(人事権のヒミツ)”、“人事のカラクリ1(目配りされないミドルパフォーマー)”、“人事のカラクリ2(管理職になれる人/なれない人/なりたくない人)”、“人事のカラクリ3(将来の役員候補/ハイポテンシャル人材の世界)”、“人事のカラクリ4(キャリア形成の鍵/タレントマネジメント入門)”、“人事ガチャに戸惑うあなたに贈るQ&A”、“これでよいのか/ニッポンの人事異動”---------

この本「人事ガチャの秘密」の内容紹介文は次の通り。若手/中堅社員が不満を抱くように/配属や上司との巡り合わせは運任せの“ガチャ”なのか。その後の人事異動や昇進は。人事という名のブラックボックスに調査のメスを入れた結果/各種パターンが浮かび上がった。“人事権を持たない人事部”、“一見問題ないミドルパフォーマーが盲点”。人事は何を企図して(企図せず)行われているのか。読者のキャリア形成に役立つ羅針盤を提供する。管理職や人事部も見逃せない一冊。---------

藤井薫氏は、大手上場企業で人事の仕事に/20年従事した実績を携えて/厄年の42歳頃/人事コンサル会社に転職された模様だ。リストラの進め方をコンサルする会社だろうから/この本「人事ガチャの秘密」が書けたということなのだ/きっと。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その2438)

2023-04-27 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「はじめてのクラシック音楽(許光俊著・講談社現代新書2023刊)」を読んだ。許光俊(きょみつとし1965生れ)氏は、慶応大学(文学部/美学美術史学科)卒/都立大学大学院(人文科学研究科)修士課程修了/同博士課程中退。横浜国立大学(教育人間科学部)助教授を経て/慶応大学(法学部)教授。専門は近代の文芸を含む諸芸術と芸術批評。海外コンサート通として知られる。---------

この本「はじめてのクラシック音楽」の目次は次の通り。“クラシックとは/どんな音楽か”、“クラシック音楽の聴き方”、“クラシック音楽の種類”、“楽器の話”、“クラシック音楽の作曲家たち/その1/宮廷から市民へ”、“クラシック音楽の作曲家たち/その2/国民から現代へ”、“代表的な演奏家たち”

この本「はじめてのクラシック音楽」の内容紹介文は次の通り。クラシックは縦横の線だが表のようなものだと思って下さい。縦線は作曲家や作品/横線は演奏家です。作曲家がいなければ/音楽は生まれません。しかし/演奏家がいなければ/現実の音として聞こえてきません。作曲家と演奏家の絡み合いにこそが/クラシックの楽しさであり/ややこしさである。どちらに興味をひかれてもいいので/面白そうだと思ったら聴いてみる/唯/それだけを考えればいいのです。----------

許光俊氏のような人がいてこそ/クラシック音楽の世界を覗(のぞ)くことができるのだと思います。食べ物でもそうだが/食わず嫌いが多いのも/音楽の世界だと思う。ジャズもクラシックも好きだと云う人もまた少ないのかもしれないが/音楽文化の源流に位置するクラシック音楽を一度味わってみてはどうだろうか。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その2437)

2023-04-26 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「ジェンダー平等社会の実現へ~おかしいから/あたりまえに(杉井静子著・日本評論社2023刊)」を読んだ。杉井静子(すぎいしずこ1944生れ)女史は、中央大学(法学部)卒/1969弁護士登録。三多摩法律事務所を経て/ひめしゃら法律事務所設立。都留文科大学(ジェンダー学入門)講師。--------

この本「ジェンダー平等社会の実現へ」の目次は次の通り。“家族とは何か/家制度とは何か(家族とは何か/家制度は戦前の民法で規定された/家族共同体)”、“家族と戸籍と氏(家は廃止されたが氏は残った/戸籍とは何か)”、“性的自己決定権とジェンダー(自由な恋愛と結婚/女性への暴力の根っこにあるもの/家制度の残滓)”、“今でもあるジェンダー/差別と先輩たちの取り組み(ジェンダー意識の今/各界の女性の活躍とまだある差別)”、“今後の課題/憲法を良く読み/活かす運動を(家族の絆の強調の先にあるもの/改憲派の家族像/改めてジェンダー平等に係わる憲法を検討する)”---------

この本「ジェンダー平等社会の実現へ」の内容紹介文は次の通り。何故/夫婦は同姓でなければならないのか。家制度から社会の仕組みに内包するジェンダー不平等を明らかにし/憲法を手掛かりに解決を探る。“おかしさ”に気付き/声を上げるための基礎知識。家意識のルーツをたぐり/日本国憲法を道標(みちしるべ)に/これからのジェンダー平等社会の“あたりまえ”を探る。---------

杉井静子女史は、弁護士稼業を続ける中で/日本社会における女性の地位の低いことに/度々/直面されたことだろう。生物学的な性別(sex)だけでなく/社会的文化的に作られる性別を指すジェンダー(gender)を用いておられる処が/先進的で斬新(ざんしん)だと思った。

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