北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「何もしないほうが得な日本~社会に広がる消極的利己主義の構造(太田肇著・PHP新書2022刊)」を読んだ。太田肇(おおたはじめ1954生れ)氏は、神戸大学大学院(経営学研究科)修了/京大(経済学)博士。公務員を経験後/滋賀大学(経済学部)教授を経て、2004同志社大学(政策学部)教授。専門は組織研究/組織論/組織社会学。著書に“同調圧力の正体/日本人の承認欲求/承認欲求の呪縛/超働き方改革/個人尊重の組織論”など多数。---------
この本「何もしないほうが得な日本」の目次は次の通り。“まえがき(合理的な選択としての/何もしない)”、“日本社会で起きている/保身のリアル”、“組織における/挑戦と保身のコスパ”、“挑戦の足を引っ張る/人間関係”、“消極的利己主義は/何故蔓延したか”、“する方が得/な仕組みへ”、“あとがき(何もしないほうが得/を超えて)”--------
この本「何もしないほうが得な日本」の内容紹介文は次の通り。貧しい日本/働かないおじさん/無気力な若者/進まない女性活躍。実態とは裏腹に/失敗を恐れないチャレンジ/イノベーション/といった威勢のいいスローガンが空しく響く。何故ここまでに理想と現実が懸け離れてしまっているのか。乖離の理由は/多くの日本人が消極的利己主義/すなわち自己利益と保身のために/現状を変えないほうが得だ/という意識を潜在的に持っているためだ。敢えて口にはしなかった日本人の胸裏に隠されたタブーを/本書は大規模アンケート調査により浮き彫りにする。その背景にある/全体主義のパラドックス/についての打開策を提示する。---------
太田肇氏は、向上心が強かったのか/教授職ポストを獲得された。そして専門の組織論はご自身の処世術の裏返しではないかとも思った。