北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「環境DNA入門~ただよう遺伝子は何を語るか(源利文著・岩波科学ライブラリー2022刊)」を読んだ。源利文(みなもととしふみ1973生れ)氏は、1997京大(理学部/生物科学専攻)卒/1999同大学院修了/2003同大学院(理学研究科)博士後期課程修了/博士(理学)。専門は魚類の視覚生理生態学/体内時計の分子メカニズム/感染症の生態学。最近はマクロ生物の環境DNA分析を主に研究している。2021より神戸大学(人間発達環境学研究科)教授。神戸大学女子バレーボール部顧問。---------
この本「環境DNA入門」の目次は次の通り。“DNAは漂う(生物の遺伝を担うのはDNAとRNA/生き物はDNAを出している/世界はDNAで満ちている)”、“環境DNAの発見(微生物をごっそり分析/PCR法による遺伝子の増幅/池の水からカエルのDNA)”、“居るか居ないか・どれだけ居るか(環境DNA分析事始め/外来種ブルーギルを追え/オオサンショウウオ/舞鶴湾にマアジは何匹)”、“川毎/国毎/時空も超えて(そこに居るもの全部を調べる/驚異のMiFish /琵琶湖に魚は何種/感染症リスクは何処にある/堆積物から過去を復元)”、”漂うDNA/未来へ(繁殖は何時何処で/環境DNAの新鮮さを測る/空気中を漂うDNA/下水から新型コロナウイルスを検出)”---------
この本「環境DNA入門」の内容紹介文は次の通り。魚も/カエルも/私たちも/DNAを撒き散らしながら生きている。生き物たちが”其処に居た”痕跡。環境DNAは/生物研究の新たな扉を開きつつある。川や海の水を/汲(く)めば/其処に棲む魚が分かり。葉っぱに残された食(は)み跡から/犯人が分かる。分析の黎明期を知る著者が/その驚くべき可能性を臨場感たっぷりに語る。----------
源利文氏は、48歳で神大教授となられた俊英だ。生物科学研究の道具/DNA検出技法の進展に伴って/この研究分野の将来性はとても高く広いようだ。何かに絞り込んで研究成果を上げれば/名を残せるし/教えるだけでは/教科書著者で終わる。