北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
奈良県北中部は、久方振りに無風で雲一つない今年一番の晴天となった。午後2時の東の空には上弦の月(月齢7.9)が浮かんでいる。気温は摂氏11度を上回ったようだ。午前に出掛けた時は、何時ものようにネックウォーマーを首に巻いていたのだが、不要となった。-------
秋空のように澄み切った青空ではないが、明るく淡い青空で、遠くの山々がシルエットになって見えている。近鉄奈良線の最寄り駅のプラットホームから南の方面を見ると、3つの山のシルエットが重なって僅かにその濃淡を違えて望まれるのだ。多分、大阪府との府県境に屹立する金剛山とその手前の葛城山と二上山のようだ。-------
大阪府の最高峰は金剛山(1125m)であり、奈良県の最高峰は大峰山の八経ヶ岳(1915m)である。しかし、奈良県北中部からは吉野/大峰山の山塊/山容は遠すぎて全く見えない。だから金剛山の雄姿が奈良県側からも否応なく立派に見えるのだ。-----
“倭は国の真秀(まほ)ろば/畳なづく青垣/山ごもれる大和し美(うるわ)し”と古事記に書かれているように、奈良県北中部を形成する奈良盆地を取り巻く山々は、その殆(ほとん)どが低山である。西側の金剛山/葛城山/二上山/信貴山/生駒山(642m)はある程度名を知られているが、東側では春日山/三笠山/若草山/御蓋山/高円山/三輪山、北側では笠置山、南側は先述の通り見通せない。------
天気が良いので軽くお出かけした帰り、大和西大寺駅発で女性車掌搭乗の“KAIYUKAN TRAIN(海遊館30周年記念デコラティブ列車)”に再び乗れてラッキーだった。