奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その979)

2019-04-30 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「視力を失わない生き方~日本の眼科医療は間違いだらけ(深作秀春著・光文社新書2016刊)」を読んだ。深作秀春(ふかさくひではる1953生れ)氏は、パイロットを養成する航空大学校を経て、滋賀医科大学を卒業した。横浜市大附属病院、昭和大学藤が丘病院に務めた後、1988年より深作眼科を開院している。アメリカ、ドイツで研鑽を積んでおり、日本は勿論、世界トップレベルの眼科外科医である。2012年に多摩美大大学院を修了しており、絵画の趣味を持つ。-----

日本の眼科医療が世界から10年以上遅れていると、書いている。その理由として、英語の不得意な医者が多くて海外の学術誌を読んでいないのと、海外の論文や図書が日本語に翻訳されても誤訳が多くて、スムーズに眼科医療の知識が導入されていないことが甚だしいと云う。医者であるからには英語をそのままで理解出来ないとグローバルな世界では役に立たないと警告している。-----

深作秀春氏はアートにも興味があり、手先が器用であることから眼科外科医として優れた実績を発揮しているそうである。術後の視力の回復率が非常に優れているとのこと。細川護煕元首相も施術したそうであり、視力は1.2に回復したそうである。----

世界のトップレベルの眼科外科では治せない眼病は無い程に進んでいるそうである。しかしながら当然にして外科の技量が問われる世界なので、へたな教授に執刀して貰っても駄目だとあっさりと書いている。眼科は練習台にされる大学病院ではなくて優秀な開業医を選びなさいと書いている。そしてシニアでお金があれば安心な治療を期待できる眼科外科を良く調べて受診しなさい、深作秀春氏のアドバイスを受けた医者も増えていると、助言、忠告している。-----

日本では“目医者”と小馬鹿にするが欧米では眼科外科医は医者の中でも“クイーン”扱いであるのだから、是非外国で修業した眼科外科医を選びなさいと薦めている。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その978)

2019-04-29 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「ド文系大国日本の盲点~反日プロパガンダはデータですべて論破できる(高橋洋一著・三交社2019刊)」を読んだ。高橋洋一(たかはしよういち1955生れ)氏は、東大(理学部数学科/経済学部経済学科)卒で、1980年大蔵省に入省した。プリンストン大学研究員、内閣参事官など要職歴任後、2008年退官した。現在は嘉悦大学教授である。-----

「ド文系大国日本の盲点」は、文系さらには体育会系の人士が大嫌いな高橋洋一氏が、名指しでなくて文系や体育会系の悪口を論理的に煎じつめて書いてくれている。頭脳が筋肉でできている人は一番嫌いだそうである。-----

文系の人は議論好きで直ぐに感情的になり、理屈を考えようとしないのもダメな処であるし、人の考えを理解することが出来ないとしか考えられないとまで書いている。時々、実名が登場する中に、元通産官僚の古賀茂明(1955~)氏や、経済学者・浜矩子(1952~)女史が登場するが、典型的な文系の知識人であると云う。-----

高橋洋一氏は、数字で論理的に物事は判断すべきだと考えているが、多くの文系の人は感情が先に立ち、実状を理解しないし、分かってくれないと云う。そして、この凄まじい世の中を文系の人はよく生きて行けるものだなと感心するそうである。巻末の節では“学歴が低すぎる日本のジャーナリスト”として、これだから官僚にマスコミはコントロールされてしまうのだと嘆いている。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その977)

2019-04-28 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「天皇制ってなんだろう~中学生の質問箱(宇都宮健児著・平凡社2018刊)」を読んだ。宇都宮健児(うつのみやけんじ1946生れ)氏は、東大(法学部)中退で、弁護士である。日本弁護士連合会会長を2010~2011に務めた。社会弱者の味方として多重債務問題に取り組んだり、年越し派遣村名誉村長を務めたりもしている。------

「天皇制ってなんだろう」では、教科書には書かれていない真実を子供にも分かるように丁寧に解説してくれている。飽く迄も“あなたと考えたい民主主義からみた天皇制”と副題にあるように、天皇制について先入観なしに子供目線で分かるように、とても優しい表現で、意を尽くして書かれている。-----

天皇の戦争責任問題にも触れているし、どこにも逃げの無い真っ正直な議論が尽くされているので、果たして中学生がこの本を社会科の副読本として使えばどのように天皇制について考えるだろうかと、予想してみた。多分賢い中学生ならば、天皇制を受け入れて戦後の日本は国造りをして来たのだから、これからも同じ形で、象徴天皇制を引き継いでいけば良いのではないかと穏便な考えに至るだろう。また、少しおバカな中学生ならば、共和制に移行する為に、象徴天皇制は段階的に国事行為を減らして、日本も大統領制にすれば良いと考えることだろう。そのような考えを導く意味で「天皇制って何だろう」は良くできた本になっていると思った。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その976)

2019-04-27 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「汽車旅の酒(吉田健一著・中公文庫2015刊)」を読んだ。吉田健一(よしだけんいち1912~1977)氏は、ケンブリッジ大学に学び、英仏文学の翻訳、文藝批評、小説など多彩な文筆活動を行った。吉田茂元首相の長男である。-----

「汽車旅の酒」は、40年近く昔の吉田健一氏の鉄道旅行に纏わる酒食のエッセイを集めた本であり、新幹線開業以前の戦後の旧国鉄の列車事情とその酒食の楽しみが溢れている。酒好きでなくても読んで一緒に楽しめる文章ばかりであり、カバンに忍ばせておくにはもってこいの本である。昨今、このような嘗ての著名な文筆家のエッセンスを集めた本が少なからず出版されているようだ。短文ではあるが、文章の巧みさは今時の作家は足元にも及ばないのだから、今でも十分に時代背景は異なっても楽しめるのである。そして、幼少の頃より、英国に赴任する父親とインド航路の客船に乗ったこともあるハイクラスの人士であるから、取っつき難いかというとそうでもなくて、意外と庶民受けする感性をお持ちのようであり、名残を惜しみながら読むこととなった。この本の続きは無いのだから、心して読まねばならない。-----

「汽車旅の酒」と題されているので、列車内だけかと思ったら、泊まった宿の話とか、旅全体の話が語られていて、吉田健一氏の自由闊達な精神が感じられもするのである。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その975)

2019-04-26 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「特攻知られざる内幕~海軍反省会当事者たちの証言(戸高一成著・PHP新書2018刊)」を読んだ。戸高一成(とだかかずしげ1948生れ)氏は、多摩美大卒で、(財)史料調査会、厚生省所管「昭和館」を経て、2005年より「大和ミュージアム」館長である。海軍戦史関係の著述が多い。-----

「特攻知られざる内幕」は、“証言録/海軍反省会(1980~1991)”の逐次出版が2009~2018の足掛け10年間で刊行されたものから、“特攻”に係わる箇所をピックアップして1書としたものだそうである。証言者は出版時点では多くが故人である。その様な約束で関係者の存命中の証言記録を、十分な時日(20年間寝かせてあった)を置いてからテープ起こしして戸高一成氏が出版しあるいは新書としてきたものである。-----

日本海軍の上層部の生き残りの証言であるから、とても迫力があり、正直な人が殆どであると思った。卑怯な人は恐らくこのような反省会に参加していない筈だからである。証言を読んでいくと、“特攻作戦”を進めた人は、“キ印”に近いと思ったとも書いてあるので、精神的に追い詰められれば、組織というのはそのような非人間的な行動を強いるものであるのだなと、思わせられた。海軍の身内の方たちの反省会なので、自分たちの過ちは素直には認めていないが、それでも後世この証言録を読めば、何らかの実際の海軍の現場の雰囲気が分かるのではと思った。何れにしても特攻を命じた人達は戦後自分だけが生き残る中で、良心が痛んだことであろう。その様に思わせられた本である。人生どのような時代でも生き残ることが先決なのだろうとも思った。生き残り組は自己弁護に暇なく、反省の色は余りない人もいる位である。そのような人間の浅ましさを読む程に教えられるのだ。

 

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