奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その494)

2017-12-31 08:15:00 | 奈良・不比等
歴史ミステリー小説 北円堂の秘密

近鉄奈良線の最寄り駅で「ゆめもうで・京阪奈初詣1dayチケット(1300円おとなのみ)」のチラシを見付けた。近鉄の大阪線・三本松駅以西の路線が1日乗り放題で1300円なら初詣先を2箇所行けば、確実にお得となる訳である。その代り、年内限定発売で利用期間は平成29年12月31日~平成30年1月8日の何れかの1日となっている。(12月31日の利用に限り1月1日も利用可能である。)------
チラシには近鉄沿線のお薦め初詣先の写真が並んでいる。
橿原神宮・三輪明神・安倍文殊院・春日大社・石切劔箭(つるぎや)神社・枚岡神社・信貴山毘沙門天・生駒聖天(宝山寺)・薬師寺・金峯山寺となっている。通常初詣は神社だろうと思うが、こうして眺めるとお寺も混じっている。受験生の居る家庭なら安倍文殊院へも行きたいだろうし、商売繁盛を期待するなら生駒宝山寺と思ったが、吉野・金峯山寺は未だしも薬師寺へは初詣に行く人が居るのだろうかと不思議に思った。10社寺の何れかで「新春おみくじ」などの引き換え特典付きと謳っている。-----
三本松駅は長谷寺駅・室生口大野駅の先なので、長谷寺や室生寺に行く時にも使えるのは便利かも知れない。近年インバウンド隆盛で近鉄電車の乗車率が向上しているためか近隣・地元客へのサービスとしてなのか、「ゆめもうで・京阪奈初詣1dayチケット」は十分にお得であるのではないかと思った。
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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その493)

2017-12-30 08:15:00 | 奈良・不比等
歴史ミステリー小説 北円堂の秘密

近鉄奈良線の最寄り駅までの30分徒歩圏(2km以内)では、奈良交通のバス便もあるが、日常の買い物はマイカー利用の家庭が多いようだ。同じ近鉄奈良線沿線でも買物難民が多発している住宅地では高齢者が売却して駅近のマンションに移住してくる例も多々見受けられる。大手スーパーがその将来性と事業性を秤(はかり)にかけて閉店したり新規開業したりするので、運が良いと徒歩圏で日用品のショッピングが可能となる。最近は、新大宮駅の北側ゾーンの寂れ様(さびれよう)を見るまでもなく、住宅地としての適不適が明らかになって来て、売りに出された中古住宅が希望価格では全く売却できないようになっているようだ。駅から離れたマンションなどは特に値崩れが激しいようだ。その反対に駅から徒歩圏内(10分内外)のマンションは今も人気が高い。------
20年先にリニア新幹線が開通した暁の、東京圏内のセレブが希望するであろう奈良の別荘地としては、近鉄奈良線の沿線が手頃となるだろうから、今から安値となった時には買い入れておけば儲かるだろうけれど、近日中には不良資産としかならない物件が夥(おびただ)しく近鉄奈良線を挟んで南北両側に累積している。-----
希望的観測をすれば、近鉄奈良線沿線の最寄り駅から南北に徒歩30分圏内(徒歩2km)であれば、将来ともに奈良県も市町村も近鉄電車とそのグループも貴重な住宅地として温存するようになるだろう。折角、上下水道や都市ガスや通信インフラ(光ファイバーなど)を整備してきたのだから、そして、京阪神へのアクセスもしっかりと担保されているのだから、邪険に放りっぱなしにすることは出来ないだろう。このような読みがセレブ層にあるのかないのか知らないが、最近、100坪(330㎡)を超える敷地の住宅地が古家を解体して高級住宅メーカー仕様に拠り建替えられて若いご夫婦がお住まいになられるケースが散見される。旧財閥系の名字のお宅などはその息子さんであるとかして、お子様は欧米系のハーフのようであった。アメリカでは高級住宅地と低所得者の住宅地が分離していると聞いているが、此処近鉄奈良線の最寄り駅までの様相を見るに付けても、格差社会の到来を以前よりも厳しく予感せざるを得なくなって来ている。-----
奈良県や県下の市町村では此れまでの新興住宅地が世代間で継承される住宅地であるのか一代限りの住宅地であるのかの見極めが大切となって来ている事を直視せねばならないのだろうと思った。
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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その492)

2017-12-29 08:15:00 | 奈良・不比等
歴史ミステリー小説 北円堂の秘密

「医学部バブル~最高倍率30倍の裏側(河本敏浩著・光文社新書2017刊)」を読んだ。河本敏浩(かわもととしひろ)氏は同志社大学(法学部政治学科)卒で、同・大学院(文学研究科新聞学)修了し、東進ハイスクールや河合塾の現代文・講師を長らく務めた。現在、医学部予備校「The Independent」代表である。受験に関する様々な事象の解説を主とした著述と講演活動を行っている。-------
「医学部バブル」では、医学部人気の理由を述べると共に、子弟の早期英才教育の可否について、舌鋒鋭く切り込んでいる。その子に遺伝的な資質と適性が備わっていなければその英才教育は無駄になると云う。余り強調すると優生学のタブーに触れるが誰でも努力すれば夢が叶うと云うのは間違っていると云うのだ。遺伝的な資質と適性が備わっている場合に限り努力をする意味が生じるのだと云う。------
現在の学校教育ではキャリア教育の中に、公共心を養うプログラムが環境教育と共に投入される状況にあるそうであり、営利の追求の前に社会貢献の重要性を説いている。このような教育の所為(せい)か医学部人気は留まる処を知らない。-----
今や私立大学医学部の偏差値は慶応や早稲田の理工系学部と並ぶかそれを超えているのではないかと述べている。そして、後半には、多浪する医学部受験生の苦闘を詳述している。高偏差値の大学医学部程、現役合格比率が高いのだが、新設医学部では浪人生が現役性を凌駕している。その方法について科目別に詳細に述べられている。流石に予備校講師だなと思われる章立てである。------
奈良県には県立医科大学があり、中高一貫校も東大寺学園・西大和学園と強力であり、「医学部バブル」に書かれているような熾烈な競争はその閉ざされた学園の中で繰り広げられているのだろうが一般には見えない。「医学部バブル」を読めば今後子弟の職業選択に医師を目指す場合にはとても参考になるものと思った。
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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その491)

2017-12-28 08:15:00 | 奈良・不比等
歴史ミステリー小説 北円堂の秘密

「明るく死ぬための哲学(中島義道著・文藝春秋2017刊)」を読んだ。中島義道(なかじまよしみち1946生れ)氏は東大教養学部&法学部卒で、同大学院人文科学修了、ウィーン大学哲学科修了にて哲学博士である。電気通信大学を定年退官後、「哲学塾カント」を主宰されて、旺盛に一般向けの哲学教養書を執筆されている。「明るく死ぬための哲学」もその一書であるようだ。-----
古希に達した中島義道氏の哲学して来た人生へのエール(yell応援の掛け声)の様な内容とも受け取れる本である。もともとは真実よりは幸福の追求に傾く凡人とは異なり飽くまでも真実を求めて人生を過ごす人が哲学者と云う人種なのだと理解して欲しいと述べている。----
一部掲載すると次の通りである。
生れてきたくて生まれてきたのではないこと、生れたときに与えられた条件が各人の間で恐らく不平等であること、生きている限り我々は偶然に翻弄されること、しかもどんなに一生懸命に生きてもどうせ死んでしまうこと、そして死んで無になるらしいこと。これらは殆ど全ての人が既に知っている事である。
哲学の営みとは、こうした当たり前のことを成立させている世界を敢(あ)えて「存在」とか「無」という硬い言葉を使って描き直し、そこに新たな照明を当てることである。真理は怠惰な態度には身を現さない。寝転がって読めるもののうちに真理は無い。----
生きて行くための最低限の妥協はしていると書かれているので、付き合いの良い人ではないだろうが、適当な人数の人が哲学塾に参集する人気は持ち合わせた方であり、人生に言行一致が当て嵌(は)まる必要の無いことも体現して居られる。
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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その490)

2017-12-27 08:15:00 | 奈良・不比等
歴史ミステリー小説 北円堂の秘密

「科学の知恵・怒りを鎮める/うまく謝る(川合伸幸著・講談社現代新書2017刊)」を読んだ。川合伸幸(かわいのぶゆき1966生れ)氏は関西学院大学・大学院(文学研究科)博士課程単位取得後、京大・霊長類研究所などを経て、現在は名古屋大学・情報学研究科准教授(専攻は比較認知科学・実験心理学)とのことです。--------
章立ては第1章・怒りのメカニズム、第2章・関係の修復、第3章・効果的な謝罪、第4章・怒りの抑え方、第5章・仕返しと罰、第6章・赦しとなっている。諸外国の実態と日本を比較してキリスト教文化のない日本と欧米ではかなり事情が異なることがわかる。グローバル社会になって日本の常識では諸外国との外交でもグローバル企業の失態のリカバリーでもこの「科学の知恵・怒りを鎮める/うまく謝る」を読んでおけば対処の方針が纏まり易いのではないかと思った。但し、科学的と書いているが飽く迄も社会科学としての科学という意味であり、実験心理学のデータ処理を数学的手法を用いて科学的(統計的)に分析していると云う意味なので、大きな期待をしてもダメかなとも思った。------
第6章で「赦(ゆる)し」と古めかしい漢字を使っているのは現在の欧米の心理学が勿論キリスト教の流れを汲む西欧の倫理規範を下地(したじ)としているため、「許し」のような単純な漢字を避けたものと考えられる。
理系の学問となって久しい心理学が日本では未だに文系の研究者が扱っている現状もあり、川合伸幸氏は文系理系の枠を超えた研究者として期待されているようだ。
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