「工作員/西郷隆盛~謀略の幕末維新史(倉山満著・講談社α新書2017刊)」を読んだ。倉山満(くらやまみつる1973生れ)氏は、中央大学大学院(日本史学専攻)博士単位取得後、国士舘大学を経て、現在は倉山塾塾長とか、ネットチャンネルくららを主宰するなどし、執筆活動も旺盛に行っている。専門は憲政史の研究を中心として幅広い。-----
「工作員・西郷隆盛」は、NHK大河ドラマ”西郷(せご)どん”の放送に合わせて、出版されているその他多くの西郷隆盛本の一つではあるが、日本史の学者の目線で書かれた良質さが感じられ、中々に内容の充実した本であると思った。----
なぜ工作員としているかと云うと、最初はお庭番として島津斉彬や久光の下働きをして最終的には、倒幕勢力のトップテンを構成するメンバーの中に残ったと云う訳だそうである。-----
倉山満氏は西郷隆盛を嫌いではないようだが、明治維新を成立させたのは大久保利通の力も大きいと、学者らしい冷めた目で西郷隆盛ファンに睨みを利かす様な、事例を挙げて解説してくれている。丁度、キューバ革命のカストロとゲバラのように、カストロが大久保利通であり、ゲバラが西郷隆盛であるのだと明快な解釈を与えてくれている。-----
大村益次郎と西郷隆盛は合わなかったとか好き嫌いの話しにまで及んでいるので、歴史の裏を知ると理解しやすく面白い。兎に角、倉山満氏が知る限りの西郷隆盛の実像を余すことなく書いてくれているので、他の西郷隆盛本とは一線を画すレベルに仕上がっていると思った。
「工作員・西郷隆盛」は、NHK大河ドラマ”西郷(せご)どん”の放送に合わせて、出版されているその他多くの西郷隆盛本の一つではあるが、日本史の学者の目線で書かれた良質さが感じられ、中々に内容の充実した本であると思った。----
なぜ工作員としているかと云うと、最初はお庭番として島津斉彬や久光の下働きをして最終的には、倒幕勢力のトップテンを構成するメンバーの中に残ったと云う訳だそうである。-----
倉山満氏は西郷隆盛を嫌いではないようだが、明治維新を成立させたのは大久保利通の力も大きいと、学者らしい冷めた目で西郷隆盛ファンに睨みを利かす様な、事例を挙げて解説してくれている。丁度、キューバ革命のカストロとゲバラのように、カストロが大久保利通であり、ゲバラが西郷隆盛であるのだと明快な解釈を与えてくれている。-----
大村益次郎と西郷隆盛は合わなかったとか好き嫌いの話しにまで及んでいるので、歴史の裏を知ると理解しやすく面白い。兎に角、倉山満氏が知る限りの西郷隆盛の実像を余すことなく書いてくれているので、他の西郷隆盛本とは一線を画すレベルに仕上がっていると思った。