奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その160)

2017-01-31 08:43:23 | 奈良・不比等
世界遺産・古都奈良の内、今一つと感じられた「平城宮跡」も積水(セキスイ)化学が立ち退き、廃墟の旧・シルクロード博の施設の解体、朱雀門西北の「平城遷都1300年祭に使った駐車場」の草原への原形復帰、トイレの増設、奈良文化財研究所の新館建設など精力的に改修が進められており、野外イベントの会場としては益々快適になるだろう。但し、「凧(たこ)上(あ)げ」や「模型飛行機の無線操縦」を趣味としている人、あるいは「ウォーキング・ジョギング」をする人、野球やサッカーの練習をする人には野っ原(のっぱら)のままの方が良いのだろうけれど。-------
平城宮跡絡みでは、京奈和道路の通過ルート問題がある。「前・奈良県知事の柿本善也(かきもとよしや)」氏が解決させたと云っていたが、その後全く進展が無い。柿本知事案では、JR大和路線の直ぐ西側に沿って高架道路で北から南に通過するとなっていた。何故か荒井正吾知事の京奈和道路に関しての発言は聞いたことが無い。埋蔵文化財への影響が無いルートでも地下化すると今度は市街地に排気筒が顔を出してしまい、近隣の住民から反対されるだろうし、何れそれも電気自動車(EV)の時代になれば問題ではなくなるのだが、難問は先送りするのが廃都となった奈良県の伝統であるならば仕方がないけれども。もう一つ京奈和道路のルート問題では、「ウワナベ(宇和奈辺)古墳(宮内庁陵墓参考地)」の東縁を通るため基礎工事の際に古墳周縁部の埴輪を痛める可能性があるとの指摘がある。奈良県に産業誘致が進まないのは新幹線とか高速道路の整備が遅れているためとのことであれば、リニア新幹線が開通する30年先までまだ十分に時間があるので、京奈和道路を「高架にするか」「地下にするか」「春日奥山の東側を通る迂回(うかい)ルートを取るか」じっくりと考えて検討すれば良いと思う。-----
京奈和道路は南北だが、近鉄奈良線の平城宮跡横断部は東西であり、この二つは案によっては高架か地下でクロスするのでどうしても絡んでくる問題である。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その159)

2017-01-30 08:53:42 | 奈良・不比等
奈良県の特色は農林業が主体であるが、関西の大都市圏に隣接する近郊農業を発展させてきた。また、ベッドタウンとして多くの新興住宅地が開発された。人口が増えるとそれに見合って自治体の職員数が増え、警察・消防・教職員・医療関係者、小売業者なども比例して増加した。これからは少子高齢化するので税収面では年金生活者が多くなり、納める税は減る。であれば自治体職員数を減らさねばならない。もう既に新規採用は抑えて非正規の職員で回している処もある。何れにしても衣食住に係わるサービス業は人口に比例している訳だから売り上げがジリ貧となっている。東北の県であれば近隣に職が無いので昔から他県に出稼ぎするのが普通であった。奈良県はこの点では関西経済圏に位置しており「在来の奈良県人(在来人)」は恵まれていた。農業でも近郊農業で何を作ってもそれなりに儲かっただろう。これに引き換えベッドタウンに住む「新来の奈良県人(新来人)」は、リタイアしてもコミュニティが無く寄る辺のない余生を送ることを余儀なくされている。在来人から見れば新来人は何もしていないと云うだろうが、在来人は新来人の世話をする自治体の人員の増強に際して恩恵を得ただろうし、不毛な土地を売ったり、アパート経営をしたり、農業は三ちゃんでこなし勤め人としても働き、ダブルインカムで豊かなお家が多く見受けられる。一方、新来人は高額な兎小屋を買わされてローンばかりで豊かな生活には程遠い。大阪府と奈良県の境を越えれば庭付きの緑の中で暮らせると思ったらとんでもない。昨今、小奇麗な大阪のマンションに住む人もお金持ちの中には増えているようだ。-----
古代においては新しい時代の渡来人ほど高い文化を持っていたので、在来の先住民はその支配下に組み込まれたが、近代においては新来人は在来人の権利を侵害出来る筈もなく、兎小屋だけを頂戴するのみである。それも高齢化すると自治体の人口構成的に利益を生まず経費ばかり必要となる余剰人口として見られてしまう。今、地方公共団体では、元気な高齢者は弱い高齢者の面倒を見て呉れるようにとNPOの取り組みを推奨している。虫が良すぎはしまいか。在来人の住まいは広いので二世帯住宅も可能だろうけど、兎小屋では分割も出来ない。新来人の息子や娘は奈良県から逃げ出してしまうばかりだ。
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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その158)

2017-01-29 09:12:03 | 奈良・不比等
曽野綾子(そのあやこ・1931年生まれ)女史の「曽野綾子自伝~この世に恋して(2012年刊)」を読んだ。80歳を過ぎて初めて自伝なるものを書いたとのことで、嘘偽りの一切感じられない素直な呟(つぶや)きそのものである。-------
人間は自分を飾るのが常であると思っていたが、「曽野綾子自伝~この世に恋して」は、曽野綾子女史の人生の足跡を淡々と述べておられ、清廉な人生と合わせて感心させて頂いた。-----
美智子皇后(1934年生まれ)とは聖心女子大学のご同窓であり、お会いすると世間話をするとのこと。美智子皇后は世間の暮らしの話を聴くのを喜ばれるのだとか。また世間的な幸せは疾(と)っくの昔から諦(あきら)めておられるのだとか。曽野綾子女史ならではのエピソードが挟まれており、一気に読み進めることが出来る。-----
飛鳥・奈良時代の女帝の時代を舞台にした小説を曽野綾子女史に是非書いて欲しい。希望は「持統女帝」である。男性作家も女性作家もこの時代を本格的に書いた人は居ない。曽野綾子女史ならば、自伝を書かれた今では遠慮をする必要もないでしょうから、持統女帝の一生を女性の目線でしっかりと描いて欲しい。一度、奈良県の記紀万葉プロジェクトの一環として荒井正吾知事からでもお願いされれば如何だろうかと思う。
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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その157)

2017-01-28 08:47:23 | 奈良・不比等
奈良県知事・荒井正吾(あらいしょうご)氏は所信表明の中で奈良県の脱ベッドタウンを挙げられていた。一方、生駒市長・小紫雅史(こむらさきまさし)氏は2060年においても現在人口(12万人)に略(ほぼ)近い11万人を確保する施策を掲げてベッドタウンに甘んじる姿勢は変えていない。奈良県全体におけるベッドタウン人口は全人口140万人のうち100万人に及ぶだろう。これを地域経済に取り込むのは矢張り無理があるだろうが、荒井正吾知事の意気込みは高く買いたい。リニア新幹線の開通が期待の星として奈良県の頭上に輝いている限り、其れに向けて種々の試みを行う時間は十分にある。京阪神に副・首都機能でも置かれれば別だが、奈良県にある製造業の拠点で働く従業員は奈良県に住めば一番便利であろうから、これからも企業誘致は諦めないのが良いだろう。------
但し、起業の勧めは官公庁からでは難しいと思われる。サービス業の類は誰でも考え付くものであり有り触れていて将来県を支えて呉れるほどの殖産興業的な可能性は無い。補助金を掠(かす)め取られるのが関の山だ。第二次産業の製造業が現在でも産業の主体であり、核と成り得るのは理系の大学であるが、奈良県には奈良女子大学と近畿大学農学部があるので、これらの大学の研究テーマから事業化出来そうなものに支援をすれば何か成功の種が見つかるかも知れない。
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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その156)

2017-01-27 07:40:58 | 奈良・不比等
奈良県北部の新興住宅地を街角ハイキングしていると、石燈籠(いしどうろう)が目に付いた。近鉄奈良線の駅から近い敷地の大きいお家(150坪程度)では和風の庭に石燈籠が必ず一基庭園灯とセットで配置されているのが生垣越しや塀越しに窺(うかが)える。もっと大きなお家になると母屋の端に茶室が設(しつら)えてあったり、奈良県特有なのか小振りの蔵(くら)が建っていたりもする。-----
然(しか)しながら最近の若い人が先代の古家を解体して洋風に建て直す場合は、南側の隣家との間に洋風の庭さえ満足になく和風の庭と石燈籠は全く見当たらないレイアウトが殆どであり、代わりに車の駐車スペースは十分に取られている。------
大きな敷地の住宅でもエントランスが道路より10段ほどの石段で構成されている場合は、見上げるようなお家が立派には見えるが歳を取れば上り下りが厳しいことになりはしないかと心配される。売りに出されても道路面より敷地が高い場合は値を下げないと売れにくいようだ。------
石燈籠の大きさも色々で庭の広さにフィットしたものが観ていて心地よく感じる。昔は本当に夜間照明に使ったのだろうが現在では庭のアクセントとしての飾りに過ぎず、配線を地下に埋めた庭園灯が配されている。-----
新興住宅地の場合、南入りと北入りの敷地により、雰囲気が可也(かなり)異なるようであり、南入りだと道路を介して隣家の裏側が見えるが、北入りだと直接に隣家の裏側が見える。そのために北入りの場合は南側に庭木を植えて隣家の裏が直接見えないように工夫するのが昔のレイアウトには多かった。料理旅館の坪庭でも有ると無いでは大違いだが、南入りで敷地が大きいお家は必ず石燈籠が据えられているようで、矢張り個人住宅でもある程度の広さは必要だと思う次第である。大都市圏の近郊住宅地として1時間も通勤電車に乗るのであれば兎小屋でないことが一番の望みだろうけれど、何れにしても石燈籠の有るお家は1割前後でしかなく、あとは兎小屋に甘んじていると云えようか。
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